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コインハイブで無罪判決、捜査機関に苦言も…法とモラルと業界ルール、丁寧な議論を

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 無断で他人のコンピューターを使って仮想通貨を獲得する「マイニング」を行うプログラム「コインハイブ(Coinhive)」を設置したことが、いわゆるコンピューターウイルス罪にあたるとされた事件で、横浜地裁はきのう、Webデザイナーのモロさん(31)に無罪の判決を下した。

 発端は一昨年10月、モロさんが自身のサイトに閲覧者にマイニングをさせるコインハイブを設置したことだった。「Webサイトの制作をする中で、運営費用を稼ぐために広告を入れなくてはいけなかったが、見た目が美しくないことや、使い勝手も少し悪くなってしまうということで、コインハイブの技術でそれを代替できると考えた。閲覧者に影響を与えるということは認識していた」。

 しかし、神奈川県警察本部サイバー犯罪対策課はこれがコンピューターウイルスにあたるとして検挙、検察も閲覧者が認識できない点がウイルスにあたる判断。昨年2月には横浜簡裁が罰金去年罰金10万円の略式命令を下した。

 モロさんはこれを不服として訴訟を提起する。「家宅捜索や取り調べで"反省しろ"と言われてきたが、具体的にどこの部分がいけなかったという説明が一切なかった。その明確な基準を明らかにしていかないと反省することも難しいし、もしかしたらまた同じことをやってしまうかもしれないと思い、裁判という形でその答えを得ようと思った」。

 そして公判ではコインハイブがウイルスに当たるかどうか最大の争点となった。本間敏広裁判長は判決でコインハイブについて「人の意図に反する動作をさせるプログラム」と認定した一方、「コインハイブは広告などと同様に、サイト運営のための収益の手段とされており、それがサイトの質の向上につながり、閲覧者の利益となる側面がある。マイニングによる消費電力などの負荷は広告表示とさほど変わらない」として、「ウイルスには当たらない」との判断を示した。

 代理人を務めた平野敬弁護士は判決後の会見で「これによって今後新技術を開発する上で、どのような点に考慮していけば不正性の要件を克服できるのかという点がクリアになってきたと言える」とコメント。モロさんも「ひとまず一安心という気持ち」と心境を吐露している。

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