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アングル:「合意なきブレグジット」に備えるEU、具体策は


[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)の複数の高官は25日、新たな期限の4月12日以降、英国が合意のないままEUから離脱(ブレグジット)する確率が高まっているとの見方を示した。EU側はそうしたシナリオに向けた準備を完了したという。

高官らによると、英国が合意なしに離脱した場合、英国はEUとは無関係の第三国となり、離脱の日をもってEUの法律が適用されなくなる。英国と欧州の関係は、一般的な国際法にのっとったものになる。

英国との通商には直ちに世界貿易機関(WTO)のルールと関税を適用する。国境での通関手続きのほか、衛生検査や検疫なども実施し、EUの基準に従っているか確認作業を行う。

英国の企業や団体は、EUから補助金を受けたり、現在の条件のままEUの入札手続きに参加できなくなる。

英国民はEU市民ではなくなり、域内へ入るには追加の手続きが必要になる。

「合意なき離脱」後のEU側の対応を整理した。

●金融サービス

EUは、英金融機関を利用したデリバティブ(金融派生商品)や振替、決済に支障が起きないよう、一時的かつ限定的な措置を講じる予定。英国からEU加盟国に移管される一部の店頭デリバティブについては、12カ月間限定で契約更改を容易にする措置を導入する。

●空の移動と安全

EUは、英国とEU間で航空サービスの接続が断絶されることがないよう、基本的な運航を保証する。

●陸上輸送

英国がEUの陸運業者に同等の措置を認めるという条件で、EUは英国の業者にも「一定期間」、基本的なアクセスを認める。

●鉄道輸送

EUは、英鉄道インフラの一部については、3カ月間は安全承認の有効性を継続させ、その間にEU法に基づいた長期的な措置を講じる考え。特に英仏海峡トンネルについては、英国がEUの基準と同じ安全基準を維持することが条件になる。

●船舶検査

EUは、法的安定性の維持のため、船舶検査を実施し、船舶輸送の事業継続性を確保する。

●航路

EUは、アイルランドとフランス、ベルギー、オランダの間に新たに主要航路を設置し、そのための予算を優先的に取り扱う。

●北アイルランド

平和プロセス支援の一環でEUが行っている英領北アイルランド向けの財政支援プログラムは、現行のEU長期予算の期限である2020年まで継続される。2020年以降、同プログラムの予算は、残るEU加盟27カ国全ての承認が必要になる。

●EU予算

EU側は、英国側がその義務や監査などを受け入れる限りにおいて、3月30日までに署名された契約や決定については、2019年中は英国側企業や団体などへの支払いを継続することができる。

●漁業権と補償

EUは、欧州海洋漁業基金を使い、一時的に操業できなくなるEU加盟国の漁業者や業者に補償を提供する。英国が同等の措置を取るなら、EUは2019年末まで英国船にEU海域での操業を認める可能性がある。

●気候変動対策

EUは、域内排出量取引制度の円滑な機能と環境効果の継続性を守る。

●留学生向け奨学金

エラスムス・プラスと呼ばれる留学奨学金制度を利用し、ブレグジット前に英国またはEUで留学を始めた英国とEUの学生や研修生は、学業を最後まで継続することができる。また、奨学金も継続して受け取れる。

●社会保障

EUは、ブレグジット前から英国で働いていたEU市民と、EUで働く英国民については、社会保障の受給資格を認める。

●ビザの相互免除

EU側は、英国が同じ対応を取るなら、EUに渡航する英国人にビザは求めない方針。

●EU予算からの支援

EUは、衛生検査や植物検疫に必要な専門家や税関職員の育成に予算を出すことができる。

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