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2024年までの大阪IR開業なんて無理

大阪維新と自民党が火花を散らしている大阪府/市の首長選に関連して、こんな文書が廻ってきたのでご紹介いたします。以下、3月18日に「明るい民主大阪府政をつくる会」が策定した資料。



「明るい民主大阪府政をつくる会」というのは、日本共産党を筆頭に大阪商工団体連合会、全大阪労働組合総連合など大阪の「いわゆる共産系団体」が中心となって組成された左派系組織であるワケですが、上記文書はその「明るい民主大阪府政をつくる会」が自民党系の候補として大阪府知事選に出馬した小西禎一氏を「支援」するにあたって関係各所に作文された「言い訳」満載の文書であります。

私としては特にカジノに関連する部分が気になるワケですが、これに関連して「明るい民主大阪府政をつくる会」は以下のように主張をしています。
カジノを含むIRについて小西氏は、地震のマニフェストで「幅広い府民の意見も踏まえたIR推進」としています。この点では「明るい会」が掲げる「カジノよりくらしと福祉」等の立場とは異なるものの、「ギャンブル依存症、青少年健全育成に与える影響とか、心配されているところがある」と述べ、さらにIRについて維新が進めようとする万博までの「開業ありきではない」とし、府民のご理解を得る必要があると思っていますから、それがないままにできない」との考えを示しています。
「明るい民主大阪府政をつくる会」は共産党系団体として当然、大阪のカジノ構想には反対をし続けてきた団体であるのですが、これまで掲げてきた「カジノより安心・希望」という合言葉をかなぐり捨てて、カジノ推進派である小西氏を支援するという宣言。特に、涙ぐましい作文となっているのが以下の部分:
さらにIRについて維新が進めようとする万博までの「開業ありきではない」とし、府民のご理解を得る必要があると思っていますから
小西氏の発言を引用し、むりやり「開業ありきではない」の部分にカッコ付けをして何とかこれまでの自団体の方針との齟齬を誤魔化そうとしているワケですが、普通に考えてカッコを付けるべきは:
さらにIRについて維新が進めようとする「万博までの開業ありき」ではないとし、府民のご理解を得る必要があると思っていますから
ですから(笑 要は、大阪維新の会が「2024年の統合型リゾート施設(IR)の開業実現」を公約に掲げているのに対して、早急に開業を急いで2024年までにIR整備をする必要は必ずしもないということを小西氏は主張しているだけであります。

一方で、大阪維新の会は以下のように今回の統一地方選に際して、2024年までのIR開業実現を公約化しているワケですが、これに関しても私としてはナンダカナアとしか思えないのが実情。
都構想の実現が柱 大阪維新がマニフェスト発表
https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/190315/20190315039.html
大阪維新の会は14日、4月の統一地方選に向けたマニフェストを発表した。大阪都構想の実現と副首都大阪としての地位確立を柱に、2024年の統合型リゾート施設(IR)の開業実現による成長戦略や、水道給水事業の民間移管による行財政改革などを掲げている。
2024年までのIR開業という公約自体が、正直どうかと思うんですよ。第一に開業までの開発期間が圧倒的に足りない。現在、国側のIR整備の準備はどういう状況下というと、現在、今年の夏の公示に向けてIR整備に向けた基本方針を策定しているところ。これが公示されてから「各IR導入希望地域による企業入札→国による整備区域の選定」と進みます。大阪がもしここでIR整備区域に選ばれたとしても、開発が開始できるのは「どんなに早くても」2020年後半以降のこと。ここから開発を始めて2024年までにIR開業に至るためには最大で「3年強」の準備期間しかありません。

一方、この最大で「3年強」しかない準備期間に対して大阪府/市が求めている開発投資の規模はというと、先月大阪府から発表されたばかりの大阪IR構想(案)に基づくのならば1兆円弱という超ド級の開発となります。この1兆円規模の民間開発がどのくらいの規模かというと、東京でいうならば現在三菱地所が東京大手町で進めている4棟のオフィスビルを含む総合開発「常盤橋プロジェクト」がまさに1兆円プロジェクトと言われていますが、2017年に着工し既に開発が始まっているこのプロジェクトの完成予定が2027年。1兆円規模の開発プロジェクトのスケジュール感というのは、一般的にそういうものです。



また弊社に訪問を頂く事もある各ゼネコンさんに対しても、実はこの辺りの開発スケジュールに関してはしばしば論議を振ってみるのですが、少なくとも私が会話している限りにおいて各社「2024年のIR開業は難しい」と口を揃えます。建設資材のロジスティクスだけを見ても、上下2車線ずつ4車線の架橋でしか到達経路のない夢洲まで建設資材を輸送するのは「青天井で予算があるのならば手段は無いことはないがほぼ無理ゲー」との事でありました。

おそらく今のままの大阪維新が掲げる計画では、2024年開業という選挙向けの公約に合わせるだけの為に間違ってもIRなどとは呼べない施設を部分的に作らせて「暫定開業」などという名目でお茶を濁すのがせいぜい。そのように非現実的なマニフェストを大阪維新はさっさと降ろすべきだと思いますし、逆にいえば自民党系府知事候補である小西禎一氏による「IRについて維新が進めようとする『万博までの開業ありき』ではない」という主張は、物事をフラットに見れば当たり前に出てくる常識的な主張を展開しているだけで、大阪IR構想そのものに否定的な主張をしているわけではないとも言えます。

そして何よりも「カジノより安心・希望」という従来からの主張をかなぐり捨てて自民党系候補を支援する共産系団体の皆さんは、一体どこに向かっているのでしょうかね。

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