- 2019年03月27日 14:42
日清が「完全栄養食」パスタ発売、多忙な現代人の「救世主」となるか
1/2食事からバランス良く栄養を摂りたい…と考えていても、共働き世帯が増加し、働き方改革が叫ばれる労働環境の中で、それを実現するのは至難の業だ。
そんな社会情勢にあわせ、主食や飲料など手軽な形態で、1日に必要な栄養素を確保できるように作られた「完全栄養食」なるカテゴリが、にわかに注目を集めている。
これまではベンチャー企業の戦場だった「完全栄養食」に、即席麺の巨人・日清食品が参入。完全栄養食「All-in シリーズ」第1弾として、本日3月26日より「All-in PASTA」を発売した。

チキンラーメンの正統進化? 21世紀型「簡便食」
日清食品の創業者・安藤百福が戦後の食糧難をきっかけに開発した「チキンラーメン」。もうすぐ最終回を迎えるNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」で広く知られることになった開発エピソードの21世紀版と言えるのが、この「All-in」シリーズ。1日に必要な栄養素の3分の1の量を、1食分の麺に配合しているのが特徴だ。


チキンラーメン開発当時と比べれば、現代は「空腹を満たすには困らない」時代と言える。その一方で、個々人が「必要な栄養を万全に摂取する」という意味では、困っている人の割合が多いと言えるだろう。
厚労省の調査によれば、栄養素の摂取が推奨量に届いていると考えられる年代は少なく、またビタミン・ミネラル含有量の多さから健康的な食事に欠かせない野菜類の摂取は、国民全体で不足傾向にある上、40代以下では慢性的に不足していることが分かっている。

そして、日清の独自調査だが、働き盛りの年代で健康に気を配る人は9割にのぼる一方、それが実現できていると感じているのは調査数のうち半数を切る。健康意識の高さと裏腹に、忙しさからか栄養バランスの良い食生活を送れていないようだ。

栄養豊富だけど「ふつう」に食べられる味を追求
そうしたニーズを汲んだことで広がりつつある「完全栄養食」。だが、栄養食品やサプリメントを心底「おいしい」と感じたことがある人は、あまりいないのではないだろうか? 筆者も、飲み込み損ねたサプリメントが舌の上に残ってしまい、何とも不快なえぐみと臭いに閉口した経験がある。
開発担当者である同社 ダイレクトマーケティング課 ブランドマネージャーの佐藤真有美氏によれば、栄養そのものの味は苦み、えぐみ、酸味、さらにざらついた舌触りなど、およそおいしさとはかけ離れた特徴を持っているという。
それを一般的な食材と遜色なく食べられるようにするため、同社はビタミン・ミネラルを麺の内側に封じ込める独自製法「栄養ホールドプレス製法」を編み出した。また、その上で麺の持つ雑味をマスキングするような味付けを開発。この製法により、加熱調理による栄養価の減衰を軽減することにもつながったとしている。


会見の途中で「ボロネーゼ」と「ジェノベーゼ」2種類の味の試食が配られたが、いずれも「良薬口に苦し」といったような、栄養素独特の風味は無かった。一般的なパスタと比べると小麦の含有量が少ないためか、ポロポロと切れやすいコシの少なさは気になった。

とはいえ、黙って出されたら栄養食品のたぐいとはわからない仕上がりだ。個人的にはジェノベーゼソースの風味が気に入ったが、麺の食感をカバーするにはボロネーゼソースくらいの粘度や粒感があった方が、より「ふつうのパスタ」らしくなると思われる。
発売前の「All-in PASTA」を試食したビジネスパーソンからは、ランチ時の利用や社内購買への導入など、ビジネスのオンタイムにこそ使いやすいのでは、という意見が複数見られたという。インスタント麺として調理可能なことが、既存商品と比較した際の目立ったアドバンテージと言えそうだ。
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