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“飽き”を自覚し利用も「お金払って何も残らない」、サブスクのカギを握る“解約率”


 日本時間26日未明、米アップルは新製品発表会を開催し、「Apple Arcade」(ゲーム)、「Apple TV+」(動画)、「Apple News+」(新聞や雑誌)の3つのサブスクリプションサービスを発表した。

 「サブスクリプション(Subscription)」とは、提供する商品やサービスの数ではなく、利用期間に対して対価を支払う「定額制」サービスのこと。もともとは新聞や雑誌の「定期購読」という意味で、アップルが発表した定額読み放題のApple News+はまさにそれだ。

 最近では「サブスク」とも呼ばれ、Apple TV+やNetflixのような動画配信サービスのほか、洋服や靴などファッションの「定額借り放題」サービスも拡大している。ビジネスモデルを革命的に変えるとも言われているサブスクの現場を、AbemaTV『けやきヒルズ』は取材した。

■「買う」「サブスク」を使い分け

 都内のVR機器を扱うティーアイの社長・今川哲矢さん。年収は「4ケタ」と十分すぎるにも関わらず、車や自転車から洋服に至るまであらゆる「借り物サービス」を使ってきた。


 「もともと僕は“高い時計アンチ”で『こんなに払う必要ない』という感じだったが、高級時計を月額1万~2万円で試しに使ってみたら、やっぱり低価格のものと違うなという魅力に気づいた」

 また、自分に合った洋服が届くというサブスクでは「届いたものを着て写真を送って、スタイリストに意見をもらう。『今までこんなの着たことないけど、いいんじゃないですか』と、結構やったかいはあったと思う」というように、単なるものの利用だけではなく“プラスアルファの利用価値”にあえてサブスクを選ぶ理由があるようだ。


 「あまりモノをたくさん持ちたくないと思っていて。モノを置いているだけで1畳をとるのであれば、1畳狭い部屋を賃貸できたんじゃないか」とも話す今川さん。一方、楽器やスノーボードなどはしっかり「購入」して手元にキープ。あとで売れるものや自分仕様にしたいものは「買う」、いろいろ試してみたいものは「サブスク」と使い分けているだけで、「所有する」こと自体へのこだわりはない。

 「最近の傾向として、いい車を買ったとか高いものを持っているというよりも、ミニマムな自由に身軽に生きているという人のほうがウケがよくなっているんじゃないか」

■“飽きる世代”のサブスクリプション成功のカギは

 サブスクリプションには企業も熱い視線を注いでいる。先月参入した「バイセルハント」は、もともとはリユースの企業だが、高級時計の分野でサブスクリプションを始めた。


 市場価格で90万円するロレックス。これは、30代の男性に月額2万円で貸し出すことが決まっている。

 サブスクには、借りたいものが貸し出されていても定額が課金されてしまうという利用者の不満もある。そのため、バイセルハントは依頼があった時点で時計を仕入れ、無駄な課金をなくす仕組みを作っているという。


 「高級時計がほしいけど手に入らないという人たちが多くいることが我々の調査でわかった。ニーズとして顕在化はしていないが、潜在的には多いのではないか」(経営企画室長の三橋健太郎さん)

 新規参入者が相次ぐサブスク。この流れを受け、経済紙の『週刊ダイヤモンド』(2月2日号)は「サブスク革命」として30ページを超える特集を組んだ。波に乗り遅れまいとする企業側の狙いについて、取材を続けてきた山口圭介副編集長は次のように話す。


 「なんとかビジネスを成立させなければならないという『焦り』みたいなものが企業側にある。消費者の志向が所有から利用へと大きく変わっている中で、いろいろなモノが売れなくなる時代に入っている」

 競合多数でシェアを争う分野もある中、成功のカギは「いったん加入した有料会員の解約率をいかに下げるか」だと指摘する。

 実は、サブスクのスペシャリストである前述の今川さんも、洋服と時計のサービスをすでに解約している。「月2万円で1年、2年使った後にやめてしまうと、今まで払った金額が何も残らない」と自分に似合うものがわかった段階で満足してしまい、あとは自分で買うことにしたそうだ。


 しかし、そうして買った60万円の高級時計さえ「飽きたら売ればいいと思うので」と話す。時計は買った直後にメルカリに出品し、その値段は購入価格より高く設定している。「まずこの値段では売れないという気持ちがある。仮に売れてしまっても結構お金が乗っかっているので、それを使って別のものを買うのもアリ」。

 そもそも、1つのものに固執しないサブスク利用者は、自分に「飽き」がくるのをわかっているからこそ、サブスクを選んでいるのだ。

 当然、サブスク自体も同じようなサービスを延々と提供し続けるだけでは、簡単に飽きられすぐに解約されてしまう。山口副編集長は次のような未来を予想した。


 「今後は、単にサービス・商品をサブスクで展開するという企業は、おそらく淘汰されていくのかなと思っている。ユーザーのデータをしっかり集めて分析して、個人個人に最適化されたサービスを展開できる企業が残っていくのかなと。勝ち残れるのはそんなに多くないのかなと思っている」

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

▶︎【動画解説】Apple新サービス、ポイントは“ハードからサービスへ”

▶︎iPhoneほか最新機種が1円!? 何が起きている?

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