- 2019年03月25日 16:02
41歳「冒険家」が若者と挑む「北極ウォーク」600キロ! - フォーサイト編集部
2/2「隊列とはぐれたらどうすればいいか」

チームは2月9日から17日まで北海道恵庭市でトレーニング合宿を行った。
「それが目的でもあったのですが、1人1人の個性がよく見えました」
と、荻田氏。
「私が彼らを知るという意味でも、彼ら同士が知り合うという意味でも、チームにならないといけない。これまで毎月ミーティングで顔を合わせていたのですが、9日間一緒に生活してみると、メンバーの意外な一面が見えてくる。気配りができる奴もいれば、リーダーシップを取る奴もいて、社会と同じで、10人いれば10の個性があります」
合宿中、荻田氏が声を荒らげた場面もあったという。

「あるメンバーが道具を不注意で壊したのです。“トレーニングだからいいけれど、現場だったら死にかねない。周りのメンバーも巻き添えになる可能性があるんだぞ”と。実際に道具に触れてみないと分からない危険性というのもあります。私は以前、ガソリンが漏れてテントに引火し、危うく死にかけたことがあります。彼らはその話を事前に聞いてはいても、テントで実際にガソリンに触れてみるまで、その意味が分かっていなかった。合宿を通じて、だんだん冒険ウォークがリアルになってきたと思います」
実感が伴うと、想像が働く。想像が働くと、不安や恐怖が生まれてくる。合宿最後の夜、こんな質問があがった。
「隊列を組んで歩いているときに、天候の影響で視界が悪く、後ろの人とはぐれてしまったらどうすればいいか、というものでした。自分は置いていく側かもしれないし、置いていかれる側かもしれない。それまで考えもしなかったことが、実際に歩いてみて、リアルな恐怖として迫ってきたのでしょう」
若者に何かきっかけを

これまでは単独歩行の多かった荻田氏。チームでの北極行には当然、違いがある。
「どちらも大変な面と面白い面がある。競技が違うので比べられませんが、1人で歩いているときは自分の面倒だけみていればいい。ミスをしても、困るのは自分だけ。でも、チームの場合は自分のミスに他人を巻き込む可能性が大いにある。重要なのは、そこですよね。これは1人1人に強く言ったことでもありますが、ちょっとした1人の不注意が全体に影響を及ぼし、下手をすれば命の危険にもなりかねない。なので、アイツ最近元気ないなとか、私が1人1 人の個性をみておかないといけないですよね」
大場氏に連れられ北極を訪れてから約20年。荻田氏には、かつての自分と今回のメンバーの姿が重なるという。
「いまの子も20年前の自分と何も変わりません。何かしたくて、エネルギーもあるけど、何をすればいいのかわからない。かといって、じっとしていることへの焦りや疑問を抱えている。そういう若者に何かきっかけを与えられたらいいなと思います」
スタートまであと10日!
【予告】
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