- 2019年03月24日 17:55
ここに来て徴兵制議論を仕掛けておられる方々は、9条改憲のお先棒を担ごうとされているのかしら
徴兵制には絶対反対だ、などと言いながら、一般の方々を徴兵制議論に巻き込もうとされておられる識者の方がおられるので、そろそろ警鐘を打ち鳴らした方がよさそうだ。
戦争放棄と戦力の不保持、交戦権否定の条項を持っている現行憲法の下で、諸外国並みの軍隊を持ったり、徴兵制を導入することが不可能なことは理の当然なので、憲法改正がなされない限りわが国において徴兵制は導入できない。
徴兵制の議論を展開されている方々は、現行憲法秩序の下でも、その必要が生じた時は徴兵制ないしこれに準じた制度が導入出来ると理解されているようである。
こういう議論をそのまま放置していると、無遠慮に徴兵制導入議論を展開されておられる識者の議論が何となく市民権を獲得してしまいそうだ。
徴兵制の議論を展開されておられる方々は、大体はご自分が徴兵の対象にはならない方々で、頭の体操の一つとして徴兵制議論を展開されているようなところがある。
国民主権と基本的人権の尊重、平和主義が現憲法の理念であるはずなのに、民主主義の観点からは志願兵制や傭兵制よりも徴兵制の方が民主主義に適うものではないか、などと指摘されても、私にはとても賛同できない。
議論の立て方がおかしい。
現憲法の基本理念を棚上げして、現実政治の必要から徴兵制議論を展開されているように見える。
私は、護憲的改憲派だと自称してきたが、改憲派の中で徴兵制の導入の可否が語られ始めたことは危険な兆候だと危惧している。
確かに我が国の安全保障環境がどんどん危うくなっていること自体は否定し難いが、現憲法の理念を棚上げして、こんな風に徴兵制が語られるようになったのが心配だ。
9条改憲の行き着く先が徴兵制の導入だ、などということになってしまっては、実に困る。
この種の議論は、ここでストップしていただきたい。