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白川日銀総裁の怠慢

 政府は昨日、デフレ脱却等経済状況検討会議の初会合を首相官邸で開き、デフレ脱却に向けた経済政策のあり方を議論したのだとか。

 何故、今改めてデフレ脱却の方策などを話し合うのかといえば、ご承知のようにそうしないと消費税増税を実現することができないからなのですよね。

 そして、出席閣僚らはどんな意見だったかと言えば、デフレに陥りやすい日本経済の構造問題を是正することが重要との見方で一致したのだ、と。

 へー、そんな結論に達したのですか? 

 もし、それが関係閣僚の真意だとすれば、彼らの知的レベルは相当に高いかもしれません。でも、普段政治家がそんな発言をするのは殆ど聞いたことがないので、疑いたくなってしまうのです。

 同時に私は、こんな話を聞くとしらーっとしてしまうのです。何故かと言えば、デフレ脱却の問題は、もう10年以上も政府や日銀が何とか克服することができないかと必死で頑張ってきたけれでも、どうにも芳しい結果が得られていないという経緯があるからです。

 民主党政権になってからも、菅さんが戦略担当大臣や財務大臣などの立場でデフレ脱却を声高に叫び、そしてあの勝間女史が菅さんに向かって、日銀総裁に談判に行きましょう、とまで言ったものの、どうにもならないまま過ぎている問題であるからです。

 そういうことをよく知っている人からすれば、今更関係閣僚が集まって話をしたところで、どんな効果が期待できるの?と思う以外ないのです。

 まあそれでも日銀バッシングに熱心な方は、とにかくお札を刷ってばら撒けばいいのだと主張する訳で、そのような趣旨のことを主張する政党や政治家もいるのです。ですから、それが合理的かどうかは別として、デフレ脱却のためにもっともっと国債を日銀が引き受けるようなことをすべきだ、というような意見が出たというのであれば、賛成はできないものの一応理解はできるのです。

 しかし、出てきた答えは、日本経済の構造問題を是正することが重要なのだ、と。

 この結論を支持する国民はどれほどいるのでしょう?

 多くの人は、なんのこっちゃいな、と。恐らくその会議に出席した閣僚の面々でも、本当にそうだと思っている人が何人いることか?

 だって、そうでしょう? 構造問題の是正に成功したとして、それでどうして物価の下落傾向に歯止めがかかるのか、と。

 ところで、その会議には日銀の白川総裁もオブザーバーとして参加したと言われていますが、この白川総裁のデフレ脱却に関する長年の主張というのも、一般の人にとっては大変わかりにくいものであるのです。

 皆さんは、白川総裁が、デフレ脱却のためには何が必要だと言っているかご存知でしょうか?

 お札をどんどん刷ること?

 もちろん、彼がそんなことを言うはずはないですよね。もし、彼がそんなことを言っていれば、彼はリフレ派のアイドルになっているでしょう。

 白川総裁が言うのは、デフレ脱却のためには日本経済の生産性を上げることが必要だ、と。

 この意味お分かりになりますか?

 多くの人は、ここではたと考え込んでしまうのです。生産性を上げるということは、少ない人手でより多くのモノやサービスを提供することができるようになるということで、その結果、物価は下がるのではないか、と。そして、そうなれば、益々デフレにのめり込んでしまうのではないか、と。

 我々は、経済の発展とともに、さまざまな製品の価格が下がる現象を見てきている訳なのです。例えば、スーツ。昔は、スーツ1着を買うのに、どれだけの大金を支払ったか。腕時計もそうです。カラーテレビもそうです。

 しかし、今や新社会人が生活に必要なものを買いそろえるにしても、大変に安くて済むのです。何と有難いことか!

 ということで、生産性が上がるのはいいことだというのは分かるものの、それでは物価が下がり続けるだけではないのか、と。しかし、白川総裁は生産性を上げるべきだと言い続けているのです。そして、そのことについて新聞社やテレビ局が文句を言ったこともなければ、解説を試みたこともない。

 従って、一般の人は白川総裁の真意は分からないまま。白川総裁も、その意味するところを国民に向かって分かりやすく説明することをしない。

 私、思うのですが、内容の適否はともかくとして、アメリカのバーナンキ議長は大変に分かりやすい話をすることに意を注ぐ訳ですが、日銀総裁の場合にはどうもそういう姿勢が薄い。というか、はなから分かってもらおうという努力をしない。

 何故、そんなことになっているのでしょうか?

 その原因の一つは、余りにも政治家の言い分に不合理なものが含まれ、下手に政治家に説明しようとしても、言い訳をしているだけだと勘違いされるので、必要以上のことは言わないようにしているように思われるのです。

 しかし、敢て言いたい!

 白川総裁! 貴方は、自分が考えていることを国民に分かり易く説明する義務がある。

 何故、分かり易く説明しないのか? それでは、幾ら貴方の考えていることが正しいとしても、貴方は自分の責務を果たしたことにはならない、と。

 では、白川総裁は何を言いたいのか?

 ここで、私がその答えを示すことはしませんが、ヒントを与えるとすれば、それはデフレに関する定義が人によって区々であるいうことなのです。
 
 政府自身も、デフレ脱却を重要視するのであれば、先ずデフレの定義をはっきりさせることが必要なのではないでしょうか。そうでなければ、ちゃんとした議論などできる筈はないのですから。

 白川総裁の意見の弱みは、幾ら生産性の低い国であっても、デフレに陥っていない国が大勢あるということです。そして、インフレターゲット論者の弱みは、幾らインフレにしても、経済が活性化するという保証はないということです。むしろ、インフレになることによって益々労働者の生活が苦しくなる恐れもあるのです。

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