「虐待情報全件共有へ 道立児相と道警 早期発見狙う 札幌市児相は行わず」(北海道新聞2019年3月20日)今般、児童虐待による痛ましい事件が発生し、幼児や児童の命が奪われました。
「道内全8カ所の道立児童相談所(児相)と道警は19日、保護者らによる児童虐待に関する全ての情報共有を、新年度中に始める方針を決めた。児相はこれまで道警への情報提供を深刻な外傷があるなどの重大事案に限っていたが、全件に対象を広げることで連携を強化し、虐待の早期発見につなげる狙い。」
そのたびに児相の対応のまずさが指摘されてきましたが、他方で行政機関の間で情報が共有されていないということも指摘されてきました。
情報供給のために児相が警察にすべての情報を提供する
本当にこれがいいのでしょうか。私は、今般、起きた事件は決して情報の共有がなかったから防げなかったとは思えません。児相が適切な対応をしていたら防げていた事件です。
「小4女児の命が守れなかったのは情報共有がなかったから? 一時保護をなし崩し的にないことにしたからですよ 求められるのは責任の所在の明確化」
何故か情報共有の問題にすり替わっているのです。
警察が情報を共有したら事件を防げたのですか。
パトロールの強化?
意味ないですね。四六時中、見張っているわけでないのですから。
何よりも児童相談所には育児に対する悩みを相談するところでもあります。子についあたってしまう…、児相はこうした自らの虐待事案にも相談に乗っているのです。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/index.html

そうなると逮捕されるかもわかりませんよ。
厚労省のホームページ「児童相談所全国共通ダイヤルについて」には次のように記載されています。

むしろ「ここでの情報は警察と共有されています」と書くべきではないのですか。
ところで札幌市は、道とは異なる選択をしています。
児相と警察の役割分担を考えるのであれば、私は札幌市の方針の方が正しいと考えます。
今般、問題になっている案件は、育児ノイローゼなどが原因で起きているものではありません。
先般、起きた小4女児に対する虐待死には、母親も関与していた疑いが持たれていますが、それが夫によるDVが原因とも言われています。そうした中で、安心した相談先の確保こそ必要なのですが、最初から情報が警察と共有しているということになれば、安心して相談などできません。
少しでも小さなうちに申告させたいのであれば、警察との情報共有はマイナスでしかありません。