記事

平成24年4月14日

許されざる暴挙

 昨日4月13日、北朝鮮が「人工衛星」と称する飛翔体を打ち上げました。

 これは日本を含む極東の平和を脅かすもので、国際社会の再三の中止要請を無視し、また弾道ミサイル計画やその技術の使用による発射を禁じた累次の国連安保理決議に明確に違反した暴挙であって、到底容認することはできません。
 北朝鮮に対しては国連決議の順守と六者会合共同声明の完全実施を、国際社会に対してはこれら決議に基づく制裁を、日本政府に対しては北朝鮮への独自制裁の実施及び関係各国と連携した国連安保理のさらなる措置への働きかけを求めます。

 しかし、防衛省が7時40分にSEW(Satellite Early Warning)で米国から情報を得、これに基き宮古島などのPAC3部隊は照明弾打ち上げなど即座に反応したにもかかわらず、その情報が官邸に達したのは8時16分。発射の第一報がメディアを通じて世界を駆け巡る中、8時03分には官邸は各自治体にMネットで「我が国としては発射確認していない」との通知を発してしまい、「すわ、メディアの発射報道は誤報か?」などの混乱が生じてしまいました。

 官邸に情報を伝えない防衛省も防衛省ですし、防衛省に確認せず全国に通知を発する官邸も官邸です。しかも大臣クラスは何をしていたんでしょう?こうした危機管理の乱れが、いち早く情報を正確に公表できた韓国に比較され、信頼を落とすことがわからないのでしょうか?

 国威をかけた発射が失敗に終わったことで、混乱がささやかれている金正恩新体制の一段の足並みの乱れや、追加発射の強行など、気になる動きが次々と出てくる可能性があります。外務省・防衛省・官邸など政府が一丸となって遺漏ないように進めていかなければいけません。しっかりチェックしていきます。

郵政民営化への思い

 4月12日、郵政民営化法改正案が衆議院本会議で採決されました。自民党では賛成の党議拘束がかかっていました。

 自民党の「造反警戒リスト」に私の名前も載っていたそうです。しかし今回、私は賛成しました。別に処分がこわかったわけではありません。これまでの私の行動・発言からすればこうなるのが必然だと思ったからです。

 「7年前、紙芝居まで買って出て、郵政民営化を強硬に進めておきながらどうしたんだ。」という声もあります。しかしあの時、私たちは党内で徹底的にこの問題を議論しました。そのうえで党の方針を決定したにもかかわらず、採決で造反した議員を自民党は公認せず、選挙で大勝したのです。私は「反対の人の意見も充分に聞き、議論を尽くし、そのうえで結論を出し、党議拘束までかけたにも関わらず理念が違う人たちを党に戻してはいけない」と、彼らの復党に反対する運動を行いました。

 民主主義はデュープロセス(適正手続)の結晶です。色々な意見があり、それらをきちんと踏まえて議論を尽くし、そのうえでまとまらなければ全ての意見を尊重して採決し(全てを尊重するから数的多数決が正当化されるのです。民主主義は多数決の論理ではなく参加の論理なのです)、そしていったん方針が決定し、党議拘束がかかれば、個人的に反対でもそれに従わなければ、政党政治は成り立ちません。

 もちろん全ての案件に党議拘束をかけるべきかは議論があります。超党派国会改革の勉強会では、党議拘束を緩和し、マニフェストに関わる問題でなければ、あるいは個人的信条を扱う問題であれば、党議拘束をかけずに自由投票を認める余地を広げようと提案しています。

 かつて道路特定財源の一般財源化を福田総理が宣言した際、これと矛盾する財源特例法が衆議院で採決されようとしていました。私はこの時には「党の代表たる総理が明言した方針と矛盾する内容の法律に賛成するのはおかしい。党内手続少なくとも総務会できちんと法律が改正されるという担保をつけない限り法案には反対する」と明言しました。おわかりのように、これは党としての方針転換にもきちんと民主的プロセスを求めようという私の思いで、趣旨は今回と一貫しているのです。

 今回の郵政民営化改正法案については、本会議場で私の隣に座る赤澤亮正議員が、政党間協議の任に当たり、逐次平場の会議を開催してくれました。私は「現職の議員以外の意見も聞いて欲しい」と要請しましたが、マニフェストに関する全国政調会長会議が仙台で開催される中、この問題での異論はありませんでした。本来であれば落選中の支部長も入った全議員懇談会が今月末に開催されるのでそれを待って欲しかったとの思いはありますが、民主的手続に大きな欠陥があるとは思いません。私は平場の議論でもシャドーキャビネットでも堂々と自説を展開しました。もし私が関われないところで今回の決定がなされたのであれば間違いなく私は造反しましたが、今回しかるべき手続が取られたことを了とし、自分のこれまでの主義からして賛成に回ったのです。

 中川秀直議員が「総務会は全会一致でなく、党議拘束には瑕疵(欠陥)がある」と主張されているとのことですが、総務会で全会一致を求める慣例は直していかないと物事は進んで行かないでしょう。運用は改められなければいけません。

 「民主党のマニフェストの変更を自民党は攻撃しているではないか。もう郵政民営化方針を選挙の洗礼なく行った自民党に民主党を批判する資格はない。」という意見もあります。確かにこの問題は争点にはなっていませんが、既に選挙は衆参何度も実施しています。私は「この間、郵政民営化を変更する特段の必要性はなかった」という主張ですが、この主張が多数派に受け入れられず「時代や状況が変化すれば政策も変わっていい」という意見が多数を占めてしまったのです。これはプロセスの問題でなく、主張の中身の問題です。

 しかも、民主党のマニフェストの場合「できないとわかっていたのに政権を取るためエイヤで決めた」と前原政調会長や藤井元財務大臣が認めているのであり、これは政策の変更でなく詐欺そのものです。国民は取消しすなわち解散を求めることができるのは明らかで、この案件と今回の事案を同一視することはできません。

 そうは言っても私自身、今回の結論に至るまで相当悩みました。シャドーキャビネットで茂木政調会長が「法律が緩和されても郵政改革の方向自体が変わるわけではない」とおっしゃったことに一縷の希望をつなぎ、割り切れない思いを抱えつつ、山本一太議員の「臥薪嘗胆」の思い(将来自民党に改革派の若手が多数登場すること、あるいは政界再編があることを希望しつつ今は涙をこらえて耐える)を噛みしめ、ここに決断した次第です。色々ご批判はあると思いますが、ご理解賜れれば幸いです。

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