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天皇陛下を「盗っ人」と呼ぶ韓国の卑劣さ

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■一連の問題から連想したかぐや姫

ここからは余談になるが、漢字文化圏の人間として考えたい。この「盗っ人たけだけしい」(猛々しい)という言葉は、いつごろからあったのか。

文献を調べると、江戸時代初期の俳諧集『玉海集(ぎょっかいしゅう)』に用例が出てくる。「藪きはの華ぬすびとやたけだけし」(藪のそばに咲く花を盗んでいく輩は、なんとも図々しいものだ)とある。

同じく『毛吹草(けふきぐさ)』には、「ぬすびとの昼寝もあてがある」(盗っ人が昼寝をするのは夜の稼ぎに備えてのこと、つまり、なにか思惑があってしているのだ)と、意味や用例は違うが、その言葉を使った一節がある。

ほかにも「盗人をみて縄をなう」「盗人の昼寝」「盗人に鍵を預ける」など、「ぬすびと」に関する言葉は、江戸時代にはすでに広く使われていたようだ。

だが、今回の韓国との問題で、私はそれよりずっと古い平安文学の『竹取物語』の一節を連想した。

お読みになった方はご存じかと思うが、ヒロインのかぐや姫は、言い寄ってくる5人の男に「私の望むものを持ってきた方に嫁ぎます」と条件を出す。

その望みは「釈迦が使った仏の御石(みいし)の鉢(はち)」「金銀玉でできた蓬莱(ほうらい)の玉の枝」「焼いても燃えない火鼠(ひねずみ)の皮衣」など。どれも絶対に手に入らないような無理難題ばかりだ。

しかし、なんとしてもかぐや姫を我がものにしたい――。男たちは無謀にもチャレンジするが、もちろん、ことごとく失敗した。

■その言葉を言えるだけの資格があるのか

そのうちの一人、大伴(おおとも)の大納言が頼まれたものは、龍の首に付いた珠(たま)だった。大伴は龍を探すため、勇ましく海へ漕ぎ出すが、やがて雷雨と嵐に見舞われて遭難。ほうほうの体で陸へ戻ってきた。

しかし、彼は哀れにも海上で病をわずらい、腹は大きく膨れ上がり、2つの目はスモモを付けたかのように大きく腫れあがってしまった。龍は水神である。その宝を奪おうとしたので、怒りに触れたのだ。

大伴は懲り懲りといった顔で従者たちをねぎらい、「あのかぐや姫とかいう“大盗っ人”は、我々を殺そうとしたんだ。もうあんな女の家に近づきたくもない!」と、悪態をついた。かぐや姫との結婚を夢見ていた彼は、離婚までしていた。そのこともあって彼は大きく評判を下げ、もの笑いの種となってしまう。

恋い焦がれた人を罵り、笑いものになった大伴の大納言だが、彼もそれ相応の努力はした。最初からその気(嫁入りする気)がなく、相手のことを慮らない要求をしたかぐや姫を「大盗っ人」と呼ぶぐらいは許してもいいと思う。

この『竹取物語』のことは連想であって、現在の日韓関係に当てはめるつもりは毛頭ない。

ただ、相手を「盗っ人」呼ばわりするのであれば、近代のみならず、日朝韓にまつわる歴史上の出来事をしっかりと認識し、問題解決に向けた努力を重ねてからにしてほしいと断固申し上げたい。

(歴史著述家/紀行作家 上永 哲矢 写真=時事通信フォト)

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