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大学でも「大麻学」、米国は大麻解禁国家となるのか? - 土方細秩子 (ジャーナリスト)

(OlegMalyshev/Gettyimages)

昨年カリフォルニア州が娯楽用大麻を合法化したことで、 米国は一気に大麻解禁に向けて進んでいる。来年の大統領選挙への立候補を表明したバーニー・サンダース上院議員は「若い頃何度か大麻を吸引したことがある」と認めた上で、

「大麻は合法化すべき。あまりにも多くの人々が大麻で逮捕されたことにより前科がつき、人生を台無しにされた」と訴えている。米国では大麻を一度も経験したことがない、という人の方が少数派で、それを違法とすることの方がデメリットが大きい、という考え方だ。

またこちらも2020年の大統領候補の1人であるニュージャージー州選出のコリー・ブッカー上院議員は、実際に大麻を米国で合法化する法案を提出し、上院での承認を目指している。ブッカー議員の法案は大麻合法化だけではなく、サンダース議員の主張するように「過去にさかのぼって大麻関連の米国人の犯罪歴を消去する」というなかなかに大胆なものだ。

この動きは「マリファナ・ジャスティス・アクト」と呼ばれ、上院の中にもサンダース議員をはじめエリザベス・ウォーレン、カマラ・ハリス議員ら大統領候補に挙がっている民主党の賛同者がいるという。

ブッカー議員が法案によって狙っているのは「ドラッグとの戦い」に勝利することだ。大麻を解禁することで、少なくとも大麻の違法取引は消滅し、そこから利益を得ていた犯罪グループも崩壊する。また同時に米国に根強く存在する人種問題も、ドラッグに大きく関係する。

例えば、大麻所持などで逮捕されるアフリカ系住民の数は白人のおよそ4倍。しかし大麻使用率は人種間でほとんど差がない。つまり大麻所持が違法であることが黒人差別を助長している面もある。こうした不均衡を是正するためにも、大麻解禁は必要だとブッカー議員は主張している。

現在の共和党政権下でこうした法案が可決される可能性は低いが、民主党の大統領候補の多くが法案を支持していることから、もし来年の選挙で民主党が勝利すれば法案は可決されるかもしれない。米国が大麻を合法化すれば、世界中に大きな影響を与えることにもなるだろう。

すでにそれを見越し、今後の産業としての大麻業界の成長に期待する向きもある。実際カリフォルニア州ではシリコンバレーの資本が乗り出す大型大麻農場の経営も始まっている。合法化されれば需要も伸び、観光産業の一部にも組み入れられるし輸出による利益も考えられる。

コロラド州立大学の「大麻学」

米国には大麻合法化を行う州の増加に伴う大麻関連ビジネスに対し人材を派遣する企業も存在する。その企業の一つ、バングスト社のカーソン・ハミストン氏は「今後北米で大麻関連の職業は他の職業と比較しても求人の伸びが目立ち、給与も高い水準が期待できる」と語る。

教育の場も例外ではない。全米で最も早く大麻を合法化したコロラド州では、コロラド州立大学で「大麻学」を学ぶことができる。大麻の育て方、管理などの実際的な学問だが、カリフォルニア州のUCLAではさらに大麻の合法化、経済・社会的インパクトについて、など大麻をめぐる経済学の講義も行われるようになった。

北ミシガン大学では「医療用植物化学」として大麻を含む医療効果のある植物について学ぶ学科が存在するし、ハーバードでさえ大麻のポリシーと法律に関する講義が開かれている。

最も積極的なのは北ミシガン大学で、4年間をかけて日本でいう農学部のような形で大麻の栽培からその効能についてを学ぶ。卒業生は大麻農場や大麻加工などで職を得ることができるが、初年度から平均で7万ドルの収入が期待されるなど、一般的な大学新卒者よりも高給で迎えられるという。

一口に大麻と言っても、例えばロサンゼルスには大麻をテーマとしたお洒落なブティックもある。大麻成分の入った飲み物、お菓子、大麻をモチーフにしたファッションなど、大麻関連の様々なグッズが販売されている。有名ブランドによる大麻吸引具の販売もあり、一気に高級化している感もある。今後ビジネスとして注目される、というのは合理的な考えだ。

すでに合法化に踏み切った州が大麻合法を撤回する可能性は低く、今後も新たに合法化を目指す州は多い。米国が大麻解禁国家になるのは時間の問題かもしれない。

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