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- 2019年03月21日 06:43
裁判所の所持品検査の持つ意味 当事者を守ることはできない
東京家庭裁判所で痛ましい事件が起きました。
何よりも恐ろしいのが裁判所の敷地内だということであり、しかも所持品検査を実施している東京家庭裁判所で起きた事件だということです。
東京ではオウム事件の時期から地裁、家裁ともに所持品検査が実施されています。発想が首都防衛というもので、他の省庁や国会と同じように所持品検査が実施されました。
所持品検査を受けることがない入り口での待ち伏せには、所持品検査システムは全く役に立ちませんでした。
実は所持品検査の最大の欠点でもあるのです。多くの人は通常、刃物類は持ち歩いていません。特別の目的をもった人のみが刃物類を持ち歩くわけですが、それが裁判官や裁判所職員の命を狙うとなれば、刃物類を持ち込む必要もありません。金属探知機に反応しないものを持ち込めば済みますし、何よりも庁舎から出て来るところを待ち伏せれば目的は達するからです。今回の事件はこれに当たります。本当にやる気になったら、この程度の所持品検査システムでは全く役に立たないということです。

札幌ですが2013年3月、札幌高裁、地裁庁舎で所持品検査が始まります。
あくまで高裁、地裁庁舎であり、家庭裁判所庁舎では実施されていません。これには事情があり、裁判官を殺害しようとした受刑者が出所する、だから慌てて所持品検査を実施したのです。対象となった裁判官は札幌高裁、地裁庁舎にいた、それだけの理由です。その裁判官も翌年には転勤していなくなりました。
だったらやめてもいい?
しかし、表向きは来庁者の安全のためという説明でした。そのため今でも継続しているのです。しかし、それなら家裁で実施しない理由がわかりません。
毎年4000万円近い警備費を要しています。既に6年が経過したにもかかわらず、未だに所持品検査を継続しているのですが、はっきりと税金の無駄遣いです。
「札幌高等・地方裁判所庁舎で行われている所持品検査 既に4年が経過 目的が不透明で年間3866万4000円」
結局、このような所持品検査は当事者や一般来庁者を守ることはできません。あくまで執務をしている職員の安全のため、ということになりますが、それは何も裁判所に限らず、市町村役場だって同じこと。すべて4000万円もの経費をかけて実施しますか。
裁判所だけでも全国の本庁で実施したら年間20億円です。
しかも抜け穴だらけです。今のやり方ですら、やろうと思ったらこんな所持品検査など突破できてしまいます。
(やり方は、もちろん記載しませんけれどね)
実施しないよりはやった方がましだ
とも言えないでしょう。
今回の東京家裁の事件は、所持品検査が本当に無力であることを示してくれたと言えます。
また、離婚事件に伴う殺傷事件は決してレアなケースではないということも理解すべきでしょう。こうした当事者の生命、安全をどのように守るのかは私たちにも問われている問題です。その答えが裁判所での所持品検査でないことだけは明確なのです。
「離婚がセーフティーネットにならなくなる時代を危惧する 面会強要と離婚後の共同親権」
「逆恨みのもたらす殺人の怖さ 元妻、元交際相手を保護するために」
「家裁の金属探知機ゲート手前で刺される 31歳女性死亡」(朝日新聞2019年3月20日)離婚調停中ということで、夫による犯行でした。こうした離婚を巡る事件も後を絶ちません。
「●●さんはこの日、男との離婚調停のため家裁を訪れた。男は家裁1階入り口の自動ドア付近で、現れた●●さんに突然、襲いかかったという。この日の調停に男の出席予定はなく、同課は男が待ち伏せていたとみて調べている。」
何よりも恐ろしいのが裁判所の敷地内だということであり、しかも所持品検査を実施している東京家庭裁判所で起きた事件だということです。
東京ではオウム事件の時期から地裁、家裁ともに所持品検査が実施されています。発想が首都防衛というもので、他の省庁や国会と同じように所持品検査が実施されました。
所持品検査を受けることがない入り口での待ち伏せには、所持品検査システムは全く役に立ちませんでした。
実は所持品検査の最大の欠点でもあるのです。多くの人は通常、刃物類は持ち歩いていません。特別の目的をもった人のみが刃物類を持ち歩くわけですが、それが裁判官や裁判所職員の命を狙うとなれば、刃物類を持ち込む必要もありません。金属探知機に反応しないものを持ち込めば済みますし、何よりも庁舎から出て来るところを待ち伏せれば目的は達するからです。今回の事件はこれに当たります。本当にやる気になったら、この程度の所持品検査システムでは全く役に立たないということです。
札幌地裁だけで年間4000万円

札幌ですが2013年3月、札幌高裁、地裁庁舎で所持品検査が始まります。
あくまで高裁、地裁庁舎であり、家庭裁判所庁舎では実施されていません。これには事情があり、裁判官を殺害しようとした受刑者が出所する、だから慌てて所持品検査を実施したのです。対象となった裁判官は札幌高裁、地裁庁舎にいた、それだけの理由です。その裁判官も翌年には転勤していなくなりました。
だったらやめてもいい?
しかし、表向きは来庁者の安全のためという説明でした。そのため今でも継続しているのです。しかし、それなら家裁で実施しない理由がわかりません。
毎年4000万円近い警備費を要しています。既に6年が経過したにもかかわらず、未だに所持品検査を継続しているのですが、はっきりと税金の無駄遣いです。
「札幌高等・地方裁判所庁舎で行われている所持品検査 既に4年が経過 目的が不透明で年間3866万4000円」
結局、このような所持品検査は当事者や一般来庁者を守ることはできません。あくまで執務をしている職員の安全のため、ということになりますが、それは何も裁判所に限らず、市町村役場だって同じこと。すべて4000万円もの経費をかけて実施しますか。
裁判所だけでも全国の本庁で実施したら年間20億円です。
しかも抜け穴だらけです。今のやり方ですら、やろうと思ったらこんな所持品検査など突破できてしまいます。
(やり方は、もちろん記載しませんけれどね)
実施しないよりはやった方がましだ
とも言えないでしょう。
今回の東京家裁の事件は、所持品検査が本当に無力であることを示してくれたと言えます。
また、離婚事件に伴う殺傷事件は決してレアなケースではないということも理解すべきでしょう。こうした当事者の生命、安全をどのように守るのかは私たちにも問われている問題です。その答えが裁判所での所持品検査でないことだけは明確なのです。
「離婚がセーフティーネットにならなくなる時代を危惧する 面会強要と離婚後の共同親権」
「逆恨みのもたらす殺人の怖さ 元妻、元交際相手を保護するために」
また怖いニュースが流れてきました。
— 猪野 亨 (@inotoru) 2019年2月27日
別居中の妻宅へ侵入し飼い犬殺す 36歳夫逮捕 外出中に合い鍵を使って 札幌市(北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース https://t.co/VZFijqSyo0 @YahooNewsTopics