コカインを使用したとして逮捕された「電気グルーヴ」のピエール瀧容疑者。多彩な経歴から著名人との交流も多く、各方面から驚きの声が上がっている。芸人やタレント、政治家ら、有名人のコメントをまとめておこう。
もっとも悔しさがにじみ出ていたのは、2012年からラジオ『たまむすび』で共演していた赤江珠緒アナウンサー。逮捕翌日(3月13日)の放送で「嘘であってほしい。夢であったらいいなと思うことが現実です」と切り出した。
報道を知った夜はまったく眠れなかったと話し、「ラジオを始めた頃の私は不慣れで、どれだけ助けてもらったか。私にとっては本当にラジオの中で恩人と言っても過言ではない人」と思い出を語った。
ピエール瀧に対してはさまざまな感情があり、「『本当にタレが! 何をやってるんだ!』っていう感じなんですけど。でも本当にね、いつ会えるようになるかもわからないですけど、私が産休のとき、瀧さんが私の実家までスイカを持って来てくれて。あれ、本当に嬉しかったんです。なので、そういうふうに、今度はこっちが行くこともあるだろうなって思って」と涙ながらに胸の内を話した。
ピエール瀧が所属する電気グルーヴの楽曲は、CD販売やデジタル配信のすべてが停止された。1989年のグループ結成から30年をともにしてきたピエール瀧の相棒で電気グルーヴの中心人物・石野卓球は重い沈黙を貫いている。3月14日、電気グルーヴのライブ中止のお知らせについて、ツイッターで一言「だとよ」とつぶやいたのみだ。
そんななか、楽曲や映像作品の自粛については議論が巻き起こっている。音楽家の坂本龍一は3月15日のツイッターで「なんのための自粛ですか? 電グルの音楽が売られて困る人がいますか? ドラッグを使用した人間の作った音楽は聴きたくないという人は、ただ聴かなければいいだけなんだから。音楽に罪はない」との意見を発信した。ネット上では、電気グルーヴ関連商品の出荷・配信停止を撤回を求めるオンライン署名が始まっている。
NHK大河『いだてん』では重要な役どころだったが、キャスト変更を余儀なくされた。脚本の宮藤官九郎は「いろんなことがありすぎて。悲しいとか、いろんな感情があるよね」と3月15日のラジオ『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』で語っている。本誌の直撃にも疲れた表情で無言のまま家に入り、心労の大きさを感じさせた。
互いの下積み時代から付き合いのあった伊集院光は、3月13日、ラジオ番組『伊集院光とらじおと』で「(知りあったのが)30年くらい前で、僕もほとんどテレビ出てない。向こうはインディーズのアルバムが売れて、上京してきて。ラジオ始めようってときに会いましてね。それからの、つかず離れずみたいな付き合いなんですね。後のピエール瀧がこんな形の大活躍をするって、まったく想像がつかなかった。だから彼に対して、僕は尊敬や憧れや嫉妬を全部持ってたね、彼の昨今の仕事ぶりに対して。だから、『なんでそんなものが必要なんだ?』っていう」と悔しさを見せていた。
一方、怒りをあらわにしたのは武井壮だ。3月17日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、西麻布のバーで瀧に声をかけられたことをきっかけにTV出演が決まったと明かしつつ、「大河ドラマだったり、いろんな場面でタレント活動をして、すごい幅で出ていて、最高のポジションだったと思うんです。あれだけの大作をたくさんやっている状態で『なんでだ?』と。特に薬物を購入する資金ですが、僕らの報酬はたくさんの人が見てくれている信用、価値でいただいているので、違法なものに使うのは、僕は絶対に理解できない」と恩人である瀧への複雑な思いを語った。
このほか、芸能人や有名人のコメントを次ページにまとめた。

●明石家さんま
「ピエールなんかでも、会ったときは、ものすごいええ奴やし。昔からちょこちょこしか会わなかったけども。彼も仕事熱心なんですよね。だから仕事熱心さがこういうことになるのか、なんなのかね。わからへんけども」(3月16日『ヤングタウン土曜日』)
●おぎやはぎ矢作
「ちょっと近い人だから……初めてかもしれない、こんな近い人。俺、イヤだったもん。『バイキング』でピエール瀧容疑者っていうの。だね、本当に。な男だよ」(3月15日『おぎやはぎのメガネびいき』)
●元大阪市長の橋下徹
「僕は日本でいいなと思っているのは、拳銃と薬物にものすごく厳しいところ。瀧容疑者もかわいそうだけど、社会的制裁はある程度受けないといけない。ただ、立ち直ってもらいたい」(3月14日『NewsBAR橋本』)
●元宮崎県知事の東国原英夫
「僕らの世代は電気グルーヴの時代なので、あのパフォーマンスを見ていた我々にとって『やっぱりか』と。やっぱりこういう力を借りて、あのかっ飛んだパフォーマンスをされていたんだなっいうのは、残念ですね」(3月18日『バイキング』
●ナインティナイン岡村隆史
「こんな人でも(薬物を)やめられへんというか、こういうことをしてしまうのは非常に残念ですけどね。笑いの部分でもそうやし、音楽でも世界的な存在やん。お芝居でも存在感放つ人なのに、めちゃくちゃもったいないやん。全部パーですよ」(3月15日『岡村隆史のオールナイトニッポン』)
●山里亮太
「いろいろ思うところもあって。もちろん怒ってる人もいるし。悲しい、寂しいって嘆いている人たちもいるし。僕も多分、同じだし、悲しいし、ツラいし。『なんでよ、瀧さん……』っていう。俺は、瀧さんから発するものには、笑い声しかついてこないってずっと思ってたから、昔から。それが、瀧さんから発するものでこんな悲しいことがついてくることなんて、俺、一生ないと思ってたからさ」(3月13日『山里亮太の不毛な議論』)
●有吉弘行
「僕的な感覚で言えば、田代さんの事件以来かな。仕事仲間というか、仕事ご一緒したりする先輩が捕まったということでは、田代さん以来の衝撃でしたからね」(3月17日『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』)
●能町みね子
「ショックはショックですけど、ビックリはしたけど、私は個人的には『ちょこっと謹慎して復帰すればいいんじゃない?』ぐらいに思ってて。もちろん法的な裁きは受けなきゃいけないですけど。報道が極悪、極悪に仕立てようとしてる感じが、なんか見てて気持ち悪いんですよね」(3月16日『土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送』)
●役所広司
「3作続けて共演していて……。残念ですよね。いい俳優なのに。何て言っていいのか。みんなそうだと思いますけど、まったくそんな感じはしなかった」(3月18日スポーツ報知)
●ビートたけし
「(『アウトレイジ』撮影時に)普通にやってたから、この人は気が強いなと思って。でも実は、あのときあれかなっていう感じ。記事読むとね、何十年前から……これはちょっと気の弱い人なんじゃないかなと思って。逆にだからあんなに落ち着いてやったのかなと思って。わからなかったね、全然うまいねえと思ったもん」(3月16日『新・情報7daysニュースキャスター』)
事態の収束はまだ遠く、誰の気持ちの整理もついていない。まだまだ波乱は続きそうだ。