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第377号(2019年3月19日)

 インターネットの「違法サイトに掲載されている作品」を「個人が楽しむため」にダウンロードするという行為に「限定して」これを規制する、いわゆるダウンロード規制について誤解が誤解を呼び、大きな波紋となりました。

既に「音楽や動画の同様な行為」は規制され、違法行為は収まりましたが「漫画等静止画」については規制されていないため、違法サイトのやりたい放題でなんとかして欲しいという悲痛な叫びが漫画家や出版社から提示されました。文化庁が腰を上げたところ、この法律により「ビジネスや創作活動」のためにインターネットからダウンロードする行為が規制されるとの誤解が拡大しました。

この法案に一部慎重論はありましたが、大きな反対もなく党・文部科学部会や政調審議会をクリアし、最終決定機関の総務会にかかることになりました。直前に当事者の日本漫画家協会からヒアリングがなされていないことがわかり、党の総務会で古屋圭司委員から拙速との声が上がりました。

政策の中身の誤解はそれを払拭する手続きが加わればいいわけですが、合意形成作業の中で重大な瑕疵があったので、私が「政治論として」文科部会に差し戻し、漫画家協会等関係者からきちんと意見を聴取し、誤解や不安があるならばそれに適切に対処した後に再度諮るべきだという主張をし、総務会は差し戻しの判断を致しました。

これに関し、日経と朝日は全く異なる報道を致しました。片方の社は最初から安倍内閣の足をすくおうと決めていたかのような報道ぶりです。かつて、知的財産戦略調査会の席上、古屋議員から「漫画の違法サイトからダウンロードが急増し、正規サイトの売上が毎月1割ずつ減少している。

このままだと1年以内に出版社の一部は倒産を免れない。そうなれば漫画家は糧を失い、やがて失業する。」と悲痛な叫びがありました。そこで極めて悪質な3社に絞り、緊急避難措置としてサイトブロッキングをかけようという声になりましたが、実際はその構えを見せたところでサイトの運営者が自主的に閉じてくれました。

その際、これはあくまでも緊急避難措置で一般的にできることではなく、必要なら法的措置を講じて欲しいとの話になりました。そこで政府では有識者会議を持ち、学者の方などと協議を続けてきましたが、サイトブロックについては、限定的に明文化するとしても現時点での立法措置は難しいということになりました。

その議論の中で違法サイトへのリーチサイトや違法サイトからの作品を無料で楽しむための個人的ダウンロードについては速やかに検討すべきという議論が導かれました。そういった経緯を通じて「悪質な違法サイト」から「個人が違法サイトと承知の上」でダウンロードするのを規制しようと至ったわけです。

ところが、それとは別項目のコミケ等二次創作や創作のためのダウンロード行為がこの法律により規制されるという誤解と不安が広がりました。文化庁は誤解と不安を取り除く措置で対応したいと考えていましたが、これだけ誤解が広がる現状では、一度リセットして関係者と丁寧な協議を重ね、組み立て直すという方がより良いものが出来上がるという判断に至ったわけです。ためにする報道が散見されますが、インターネットは自由が大原則ですが、無法と同義語であってはならないというところが対応の難しいところです。

デジタル覇権社会とかデータ覇権社会と言われていますが、そこでの個人情報の取り扱いは「安全にフル活用」がキーワードです。中国のように個人情報保護という認識がなく、フル活用だけが先行しても、あるいはEUのように「個人情報保護」を重要視するあまり、自由な流通が毀損されてもその陣営は遅れを取ります。「安全にフル活用」 これがダボスで安倍総理が世界に投げかけた提言なのです。

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