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JOC竹田会長退任:スポーツ関係者も猛省を

 JOCの竹田会長が退任に追い込まれたが、竹田氏1人に責任を押しつけるのではなく、その背景にあるスポーツ界の闇にもメスを入れる必要がある。

 スポーツ界にあるのは、スポーツのためなら何でも許されるというエゴイズムである。五輪を利用して、自らの団体(日本○○連盟、National Federation、NF )のための設備更新、選手強化などを求めて予算分捕り合戦が展開される。

 経済効果30兆円という声に押されて、経済界が動く。2020年を目標に、ホテル、デパートなどは建設、更新などを進め、カジノもオープンの準備をし、政権までもが延命を図ろうとする。開催地の東京都の政治行政の三分の一は、2020年のために動員されていると言っても過言ではない。

 もし期待された成果が出ないと、民も官も黒字どころか、大きな赤字を抱え込むことになる。また、リオデジャネイロに見るように、大会後に負の遺産に悩むことにもなりかねない。

 私は、東京五輪の競技施設建設コストを削減したり、競技会場を地方に移したり、新国立競技場建設計画を白紙に戻したり、努力を重ねて費用の縮減に努力した。しかし、その度に関係者の大きな反発を招き、いろんなスポーツ団体から敵視されたものである。彼らは、五輪のためには無制限に予算を使えると思っているようだ。

 都知事のときには、聖火台の製造をしたい、聖火リレーのコースにわが町をいれてほしい、競技や事前キャンプを誘致したいなど数多くの陳情が私に寄せられたものである。しかし、たとえば聖火リレーを始めたのが1936年のベルリン大会におけるナチスであることを知っている人はほとんどいない。

 これは、ヨーロッパ文明の源流であるギリシャの後継者はゲルマン民族だというヒトラーの思想による。ホロコーストの被害者となったユダヤ人は、このヒトラーのアイデアを廃止することを求めてもよさそうだが、現在に至るまで聖火リレーは続いており、オリンピックの一大イベントとなっている。

 このように、スポーツと政治はお互いに利用し合っており、利用禁止の線引き基準も曖昧である。もちろん、スポーツが金のなる木であることは疑いえない。内外を問わず、スポーツ団体もまたゼネコンなどと同様に、政治過程に蠢く利益(圧力)団体であること、したがって逆に政治に利用されることを認識しておいたほうがよい。

 今回の竹田退任劇を契機に、スポーツ界も聖域ではないことを認識し、様々な批判に応えられるように組織の透明性を高めるべきである。

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