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万年課長はどこへ消えた?

出世したくないんだが…ずっと平社員じゃダメなのか? | ライフハックちゃんねる弐式

2 : アルファ・ケンタウリ(京都府):2012/03/17(土) 11:02:20.00 ID:IECTtNFm0
役職なんかもらったらしんどいだけだよな
自由もなくなるし

11 : 冥王星(山口県):2012/03/17(土) 11:08:39.04 ID:50JV1PJu0
最低限生きていける金さえあればいいから、労働時間少なめの仕事がええわ。

23 : ニート彗星(奈良県):2012/03/17(土) 11:28:19.98 ID:SIjj+gnV0
客先にそういうの居るけど、
会社のスタイルを見てると、出世=労働環境の悪化  の図式がある。
そりゃ、出世はしたくなくなるわ。

24 : カロン(四国地方):2012/03/17(土) 11:30:49.83 ID:2ZzMIhgf0
出世なんかしたくない。大して給料上がらないのに責任ばかり重くなる
正直、やってられんわ

※ (引用は適宜、抜粋したものです)

 こういう書き込みって、ネット上では定期的に見かけます。たぶん、そういう願望を持っている人はネット上に止まらないのではないでしょうか。私だってそうです、仕事が増えるなんて真っ平ですから。そして時代への適応という意味では良い方向だとも思います。日本の人口が増大を続け、かつ一次産業や自営業から会社勤めへと労働人口の流入が続いた時代であったなら、必然的に若い世代ほど頭数が多くなりますので、そうなると先輩社員が率いるべき後輩の数も増える、当然の帰結として出世して上司になることが求められるわけです。一方で少子化が進行し、かつ一次産業や自営業からのシフトも一段落した現代であれば逆ですね。自分より若い世代の方が人数が少ないということは、率いるべき若手が少ないということです。当然ながら上司になるべき人は一部で十分となります。結果として、上司に「なれない」人が増えることになるのですが、そこで出世できないことに憤るような人と、むしろ出世したくない、出世できなくとも不満を抱かない人、どちらが時代に適応していると言えるでしょうか? まぁ、面接で評価されるのは前者なのでしょうけれど。

 そうなんです。ずっと平社員じゃダメなのか? と言われれば、現状では「ダメ」と答えざるを得ません。超・買い手市場の昨今、まずは採用側に受け入れられるかが最低条件です。「出世したくない」とアピールしたところで採用側に評価されるかと言えば、とりあえず私の経験上は0ですね。むしろ就職活動の成功例として聞かされるのは、バリバリ働く姿勢を見せた方ですから。それでも野心的な風を装って面接官を欺いては採用を勝ち取ったとしましょう。しかしその後はどうなるのか? 仕事はほどほどにして、定時になったらさっさと帰る、そんな日々がどこまで許されるのやら、近年は大いに危ういわけです。

 これがもし、正社員でさえあれば定年まで雇用が保障されているような世界であったなら、社員個人でも強気に出ることが可能なのかも知れません。しかし残念ながら、日本はそういう社会ではないのです。正社員が解雇されないのは、ある種の人が信奉するバイブルの中だけの話、現実は厳しいものです。JALや東京電力にソニーのような超有名企業ですらリストラの嵐が吹き荒れる時代、パナソニックやシャープなど日本を代表する企業ですら給与減額を伝える報道が相次ぐ時代です、こういう時代に「出世したくない」とばかりにマイペースで働く社員の存在を、雇用側はどこまで容認してくれることでしょう? 雇用に関する規制が緩みきった現代において、社畜になることなく会社に残るのは決して易しいことではありません。

参考、うだつの上がらぬおっさんに、私はなりたい

 かつては、そういう人も少数ながらいたように思います。いい年して出世することなく、平社員だったり実質的に部下のいない名目だけの課長だったり、それでも気にすることなくのほほんと働き続けている中高年社員を、希にではありますが見かけたことはあります。ただし、本当にレアな事例です。バブル期までは「万年課長」みたいな言葉がありましたけれど、今は死語になってしまったようです。それと同じで、出世しない中高年社員というのもまた絶滅危惧種になっているのかも知れません。どうして? バブル崩壊後に「リストラ」という言葉が"Restructuring"ではなく「人員削減」の意味で使われるようになった時期に、会社から追い出されてしまったのでしょうか。

 雇用側からすれば、出世しない人=会社からの評価が低い人であり、役に立たない人なわけです。人員削減を進める際に、真っ先に標的にされるのは当然のことながら在籍期間が長いにも関わらず出世しない人となります(逆に出世しすぎて給与が増えすぎた場合も狙われますが)。もし社員の雇用をしかるべく保証するような法制度があったなら、「出世したくない」人が生き残る目もあったことでしょう。しかし、残念ながら日本の解雇規制は必ずしも厳しいものではない、特に運用が緩くて実質的な無法状態になりがち、世間もまた「経営が悪化したのなら当たり前」と、雇用側に妙な理解を示しがちです(大規模な人員削減を行えば、それだけで株価が上がったりもするくらいですし)。この結果、会社に認められるように頑張らないと、即ち出世しないと会社に残れない環境は、むしろ現代になるほど強固になってしまったようです。

 会社に長く勤めているのに出世しない(即ち会社に貢献していないと見なされている)、うだつの上がらないおっさんを「無能な中高年」「フリーライダー」「ただ乗り正社員」「ノンワーキングリッチ」云々と呼び、それをもっと簡単に解雇できるようにすべきだ、その分を若者の雇用に回せと説くのが近年の日本における「改革」論でもあります。そんなの、近年「ブラック」と呼ばれるようになった類の企業であれば既にどこでもやっていることなのですが、経済誌の「お約束」にしか興味がないのか呆れるほど無知な人には何か目新しいアイデアのように映っているのかも知れません。一方で「ゆとり」世代の新卒者は、こうした自分が中高年になったら追い出されるであろうことが明白なブラック企業を避けようとする傾向にあり、なかなか社会を理解しているように思えるのが皮肉ですね。ともあれ、こういう「改革」に引きずられれば引きずられるほど、今の若者が中高年になっても出世できなかった時に「若者に席を譲らされる」リスクは高まる、「出世しない生き方」は許されなくなっていくのです。

 もし「出世しない」で「ずっと平社員」でいたいのなら、平社員のまま中高年になっても会社から追い出されないような、そういう仕組みを作る必要があります。例えば派遣社員や契約社員、非常勤職員などの非正規雇用であれば出世することもなく「当面は」ヒラでいられますけれど、これは往々にして早い段階で首を切られ、より若い人に雇い替えられるのが普通です。「ずっと」平社員でいるために非正規雇用は解決策になりません。派遣期間の定めのない政令26業務なんてのがあって、ホワイトカラーの派遣社員の多くはこれに該当するにも関わらず、やっぱりトウが立ってきたら切られる、より若い人に入れ替えられるのが非正規雇用の世界ですから。「ずっと」平社員でいるためには、「ずっと」平社員でいても解雇されない制度が必要です。結局のところ、やむを得ない理由なき解雇を禁止するなどしていかない限り、会社に奉仕する人生からは逃れられないものと言えます。

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