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1度目は法律婚、2度目は事実婚を選びました──水谷さるころさん

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離婚してはじめて、「自分の親は幸せな家庭を築いていたんだ」と気づいた

離婚を意識されたのはいつ頃だったんですか?



結婚して2年くらい経った頃ですね。3年半でいよいよ限界がきて、このままじゃ子どもがつくれない! と私が白旗を上げて、33歳で離婚しました。

元夫は「オレが結婚したかったわけじゃないし」みたいな感じでしたし子どももいなかったので、「解散だ、解散ー!」という感じのノリでわりとあっさり。

解散(笑)!



離婚後は、ひとりで毎晩反省会ですよ。夜な夜なネットで、他の家庭の事情を垣間見て、ああ、私はなんて世間知らずだったんだ、と。

たまたま自分の親が運よく幸せな家庭を築いていたことに対して、何の疑問も持たなかった自分を恥じました。

離婚を経験したあと、再婚に対してのモチベーションはあったんですか?



ありました。元々一人きりの生活がイヤで結婚したので(笑)。ただ、そのための選択肢が法律婚だけではないこと、パートナーとして自分に合う人をちゃんと考えなきゃいけないことにも気づきました。


結婚というより「法律婚」に向いていないんだと思った

結婚についていろいろと調べていく中で、法律婚と事実婚についても調べて、私は結婚というか「法律婚」に向いていないと思ったんです。

法律婚に向いていないと思った理由はなんだったのでしょう?



法律婚は、役所に婚姻届を出すと国が夫婦としての関係を保証してくれますが、契約として重い。私が契約に対して忠実であろうとする性格だからだと思うんですが、その契約が結婚生活において重荷になっていたんですよね。

法律で契約された関係なんだから「一生我慢しないといけないんだ」と自分を追い詰めてしまった。さらに「結婚式」で「神様に誓った」みたいなのにもかなり縛られていましたね。

でも、幸せになると神に誓ったことが原因で不幸になるのはおかしいな、と。

なるほど……。



一回失敗したこともあって、もうあの時と同じテンションで法律婚はできないと思ったんです。



「契約の重さ」が一番大きな理由だったんですか?



そうですね。事実婚は同居を始めた瞬間は「事実」が少ししかなく「仮契約」的なので、結婚生活という実態を積み上げていって、自分たちの家族のかたちをカスタマイズできます。

いつでも引き返せるので追い詰められることもない。法律婚で最初に本契約をして、そこに忠実であろうとして挫折したので、契約力が弱い事実婚の方が自分には向いていると思いました。

結婚で「男だから」「女だから」という役割に縛られるのは窮屈

その後、36歳の頃に現在の旦那さんと事実婚をされていますよね。事実婚の合意はすんなり取れたのでしょうか?

今の夫も離婚を経験してるんです。仲良くなったきっかけも、「我々はなぜ結婚に失敗したか」というバツイチ同士の話題で盛り上がったこと(笑)。

おたがいに一回失敗して、法律婚に向いていないこともわかっていたので、一緒に暮らすなら事実婚にしようとすんなり決まりました。

ただ、親は反対しましたね。

そうなんですね。



事実婚は「ちゃんとしていない」から「いざという時に責任を取ってもらえず、女性であるあなたが損をする」と。

もういい大人なので、許諾を得る必要はないと思いましたが、ちゃんと説明すればわかってもらえるという信頼関係はあったので、両親に理解を得られるように話はしました。とはいえ、ある程度やってみないとわからないので見切り発車ぽくはありましたが。

親の意見や世間体ではなく、「自分のたちが生きやすい結婚のかたち」を選ばれた。



一回失敗したことで私たちは自由になりましたね。「正しい」ことより「好きなこと」をしようと。でも、離婚を経験していなかったら、疑問を抱きながらも「正しさ」に引きずられたままだったと思います。

おふたりは結婚に対して、どんな疑問を抱いていたんですか?



結婚をして「男だから」「女だから」という役割に縛られることを窮屈に感じていたんです。夫は「男だから」世帯主や稼ぎ頭になることに疑問を抱いていて、かたや私は「女だから」という理由で、家事全般を担っていてた。

「男」と「女」という役割に縛られずに、もっと合理的に能力に対して、均等に家庭内で家事育児を割り振ればいいよね、と意見が一致しました。

契約よりも、一緒に暮らしている家族であるという「事実」が大事

事実婚で、生活に困ることはありますか?



それがないんですよ。

子どもの口座を開設したり、入院や手術で家族のサインが必要になったりしたときも、一緒に暮らしている家族であるという「事実」があれば、たいていの手続きはクリアできるんです。

そうなんですね。てっきり、そういうところで困るのかと思っていました。



もし事実婚で困るとすれば、法律そのものより、会社の規定などのローカルルール、社会のシステムに弊害があるのだと思います。

実際に病院で「事実婚ではサインさせない」というケースも稀にあるらしいのですが、それは「法律」じゃなくて「ローカルルール」なんです。

徐々に、いろんな家族のかたちに合わせて社会も変わっていければいいですよね。

結婚生活は「事実」を積み上げていくことが大事!

あらためて、法律婚と事実婚、両方の結婚のかたちをご経験されてみて、どう感じられていますか?

私の場合、法律婚では、「この人と一生一緒に生きていく」と誓った結婚式が幸せの最高潮で志も一番高く、そこから「おやおや? 思っていたのと違うぞ?」と思いながらも型にはまろうとして、ひとりで我慢と努力して息苦しくなってしまいました。

一方、事実婚は「この人と死ぬまで一緒にいられたらラッキー」くらいの気持ちで最初の志は低く、そこから信頼と実績を積み上げていくかたちです。最終的なゴールを決めていないから、おたがい関係が続くように努力もするので、理解が深まって仲も良くなるんです。

事実婚は法的なつながりが薄い分、「事実」をどれだけ積み上げられるかが重要なんだなと感じていますね。

まさに、その言葉の通り、「法律」で結ばれた関係ではなく、積み上げた「事実」でつながる関係性。


もちろん、うまくいかないこともあります。完璧じゃない人間同士、苦手なことや癖もあるので、過去と同じ失敗もします。

ですが、おたがいに苦手なことを受け止め合って、変わっていくことも含めて、話し合いを重ね、心地よく暮らすためのルールを更新し続ける。そうして「事実」を積み上げて、私たちなりの家族のかたちを築いていきたいと思っています。

執筆・徳瑠里香/撮影・三浦咲恵/編集・明石悠佳・柳下桃子

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