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人生100年時代の海外投資

いつも不思議に思うのが、海外投資に対する日本の投資家のスタンスである。「こいつら完全なサラリーマンしてるな」と評価している。何かと言うと、すぐに内に閉じこもる性格である。新聞も、その性格を褒めないものの、けなしもしない。

内に閉じこもるのはリスクを感じたときである。申し訳ない喩えながら、カメさんみたいだと思う。申し訳ないと思った相手は、当然にカメさんだが。

先日の新聞記事には(覚えている限りでは)、「海外景気に悪化の兆しがあるので、リスクオフ(つまりリスクを取らない)動きが強まり、円高の圧力が強まる」とあった。僕の頭では理解できない内容であり、同様の記事が掲載される度に、「何のこっちゃろ」といつも読み直している。

分析すればすぐに判明するように、日本経済は海外経済次第である。

人口が減少している日本経済を牽引しているのが海外であることは、ほぼ自明である。アベノミクスが成功したかに見えるのは、アメリカをはじめとする海外経済が順調な拡張プロセスにあったからにすぎない。

その海外経済の拡張スピードが停滞し、もしかすれば縮小しようものなら、一番大きな影響を受けるのが日本であり、発展途上にあるアジア諸国であり、日本と同様の高齢化社会を迎えているヨーロッパである。端的に言えば、痛みは弱い国を真っ先に襲う。

では証券投資をどうすればいいのか。弱い国を売り、強い国を買うのが王道である。株式投資において、景気後退期には、買うとすれば強い企業であり、弱い企業を売るべきなのと同じである。「為替レートが心配」との声もあろうが、為替レートも本来は強い国のレートが上がる(通貨高になる)。

ということで、僕には「海外景気後退=日本回帰」という今の日本のプロ投資家の発想がまるっきり理解できない。「景気後退→証券価格の下落→為替や政治不安定という要素のつきまとう海外投資からの撤退→そうすれば資金を託してくれている個人や機関投資家の非難を避けられる」とのサラリーマン的保身が先に立っているとしか思えない。

もう1点、ついでだから書いておくと、日本がかかえる最大級のリスクのうちの1つ、大地震リスクと投資の関係をじっくりと考える必要がある。人生100年時代と言うからには、我々のような先の短いかもしれない世代であっても、生きている間に大地震に遭遇する可能性が高い。そのリスクを見過ごすのは理解不能である。それで僕は、海外に資産を移しておくことだと思っている。

東京が関東大震災で、自動車生産の中心地である名古屋が、また京阪神地区が南海トラフ地震で大きな災害を受けたとき、円資産がどの程度役に立つのかどうかである。もちろん、円キャッシュなしでは暮らせないだろう。しかし、ドルを持っていたらどうなるのか。日本経済の相対的な弱さが目立つだろうから、逆に円に対するドルの強さが目立つはず。そのメリットを考えておくべきである。

結論は、十分な大きさの海外資産を保有すべきである。それが人生100年時代への正しい対処である。

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