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なぜ「安全保障」の議論は一向に進まないのか ~三浦瑠麗さんとの対談②~

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2019年1月、国際政治学者・三浦 瑠麗さんによる書籍・『21世紀の戦争と平和: 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか』が発売されました。それに関連し、「安全保障」に関する三浦さんとの対談が実現致しましたので、その②を掲載いたします。

(三浦)
本当はどうしたかったんですか?野党の立場の制約なしに、逆に自分がその時の政権のメンバーだったらどんな法制が理想だったんですか?

(細野)
理想形は有事法制の国会議論。2002年に小泉政権は有事法制を国会に出したんです。国民的にすごい大騒ぎになったんだけど、民主党内ではイデオロギー対立があって準備ができていなかった。小泉総理ってなかなかすごくて、与野党で話し合えって言って、政府案を一回撤回したんですよ。有事法制の議論って、必要がないってことにはできないんです。例えば、外国の軍隊が攻めてきました、ミサイルが飛んできました、って時に、日本の装甲車なんかが法定速度で走って信号守るなんてことはあり得ないじゃないですか。結局、民主党も自公と協力して一緒に法案を作るに至ったわけよ。当然、社共は反対だっだけど。

国民の中に2割くらい、有事法制や安保法制には、絶対に反対という人もいると思うんです。これは別に悪いことではない。でも残りの8割の部分で、安保なんかは党派を超えて議論しながら、内政のどの程度リベラルかとの差で二大政党というのは理想的だと思うんだけど、そうならなかった。そこからは一直線で、参議院選挙で野党は共産党と共闘するに至り、私も最後のチャレンジで希望の党をつくったんだけど。


(三浦)
2017年の衆院選の投開票日、私がフジテレビでひとわたり選挙報道やって、そのあとテレ朝に移動して画面越しにお話ししたじゃないですか。その時、小池さんはパリでしたよね。だから小池さん不在のなか、希望の党の方々と順にやりとりした時に、経済政策めちゃくちゃだなとのけぞりました。その一つの例が企業の内部留保に対する課税の話でした。おそらく細野さんは株主への配当といった資本主義のなかで政策を捉えているんだけども、真逆の国家管理主義経済的なものとしてそれを捉えている人もいた。

経済政策がここまで違う人たちが集ったのに、安保と憲法で人を切りましたよね。それを決めたのは誰のイニシアチブだったんですか?

(細野)
安保と憲法はこだわろうっていうのは、小池さんと私は一致していた。私は民進党時代の失敗があったからこだわっていた。経済政策っていうのはね、正直そこまで議論していなかった。成長重視なのか、その中でどう分配するかって重要なテーマなんだけど、党派を分けるイシューになってなかった。ここはちょっと日本の違う意味の特殊性かもしれない。

(三浦)
なるほど。いや、安保は大事なんですよ。私は、2014年に始めたブログでもたびたび細野さんについて書いてきました。いろいろ期待を込めて無遠慮にね(笑)。都会人は無党派が多いですよね。だからこそ都会派の思想を持つ人に対して期待を抱くわけですけど、多くの場合は安保政策で裏切られる。そしてもっと大事なのは安保に合意できても、経済政策に対して間違わないっていう確証を持てるかどうかということです。多分、政権交代が一度は実現したのに民主党政権が失敗した最大の理由は、安保と経済両面において国民の信頼感を勝ち得ることができなかったからだと思いますね。

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