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袴田茂樹教授ご講演など

石破茂です。

東日本大震災・大津波から8年目となる11日月曜日、東京・国立劇場で政府主催の追悼式典が行われ、秋篠宮殿下・妃殿下がご臨席になり殿下がお言葉を述べられました。

阪神淡路大震災の追悼式典がそうであるように、天皇陛下のお出ましは五年、十年という節目の年とする、ということのようですが、今上陛下のご譲位(お譲りになる皇太子殿下がおられるのですから、「ご退位」より相応しい言葉と思います)後、新帝陛下と皇嗣殿下(現秋篠宮殿下。皇室典範を改正して「皇太弟殿下」とする方が望ましいと思います)ご夫妻で分担されることとなり、ご負担は今以上に増すことと拝察致します。

誠に畏れ多いことながら、皇室の在り方について議論を深め、成案を得ることが政治の責任であり、自分の考えを纏め、世に問わねばならないことを痛感しています。

今週の水月会の勉強会は、新潟県立大学の袴田茂樹教授をお迎えして北方領土問題に関する講演を拝聴し、質疑応答を行いました。同教授は木村汎・北海道大学名誉教授と並ぶ日露関係についての権威で、かねてよりご指導を頂き、ロシアにおける専門家会議にご一緒させて頂いたこともありますが、今回の講演はコンパクトながら本質を鋭く突いたものであり、頭の整理にとても役立ちました。

ロシアは最近、「北方領土が第二次大戦の結果、合法的にロシア領になった」との自国の主張について、国連憲章107条などにある「敵国条項」(「この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動で、その行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、または排除するものではない」)を援用し、ヤルタ協定の有効性を主張するようになっています。しかし同協定は日本が関与していない秘密協定でありこれに拘束されることはなく、アメリカはこれが無効であることを認めています(アイゼンハワー大統領1953年年頭教書・1956年国務省声明)。
加えて、「敵国条項」自体、1995年の国連総会において同条項を削除する作業を開始する旨賛成多数で決議されており(反対は北朝鮮・リビア・キューバのみ)、かつてはソ連も無効を確認していたはずです(日ソ共同声明・1991年4月・海部・ゴルバチョフ会談)。ロシアの主張には全く正当性も一貫性も無いと断ずる他はありません。

「敵国条項」の存在は、UnitedNationsが「第二次大戦に勝った国の集まり(連合国)」であることを如実に示すものであり、これを「国際連合」という、あたかもInternationalGovernment(世界政府)かのような語感を持つ翻訳をしたことが、そもそもの間違いの始まり、日本人の国連に対する誤解や無理解を招くもとであったように思います。

日本と同じ漢字使用国である中国はそのものズバリ「連合国」と訳しており、日中の国民の抱く国連観はかなり異なっているに違いありません。

ロシアは日本から見ればいかなる詭弁も弄する国なのであり、さればこそ平然と「敵国条項」などを援用してくるのでしょう。この国を舐めてはいけないと思います。

敵国条項も削除に向けた作業が決議されたとは言え、その作業は全く進捗しておらず、厳然と残っているのであり、これも等閑視すべきではありません。

「毅然たる外交」というのは勇ましい精神論ではなく、このような地道な作業を国際社会の理解を得ながら積み重ね、成果を得ることだと考えています。

北方領土問題は袴田先生ご指摘の通り「日本国の国家主権の問題」であり、国際法と歴史を日本国民に正しく認識していただくことこそが何よりも肝要です。

10日日曜日には大阪で小林よしのり氏が中心となっている「ゴー宣道場」に参加し、世の中には老若男女、様々な考え方があるものだと感じ入りました。このような機会を提供してくださっている関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

大阪の府知事・大阪市長ダブル選挙は奇手奇策と言う他はなく、全く共感も理解もできませんが、あれこれ言ってみてもこの選挙に勝つことが出来なければ結果として混乱・迷走が続くだけであり、自民党本部も大阪府連も有権者からその姿勢を厳しく問われることになります。

常在戦場、とはなにも衆議院議員に限ったことではなく、平素から候補者を養成し、鍛錬しておかなくては政党の存在意義がありません。

週末は、16日土曜日が「未来ある村日本農泊連合結成記念シンポジウム」で講演(午後1時・安心院文化会館・大分県宇佐市)、その後神戸市内で数カ所の統一地方選挙立候補予定者の応援演説会。

17日日曜日は鳥取県内で自民党の県議会議員選挙立候補予定者の集会を七か所回ります。

来週はもうお彼岸なのですね。12年に一度の統一地方選挙と参議院選挙の重なる年は、時間的感覚も季節感も希薄となり、殺伐とした精神状態になってしまいます。

今年はお彼岸の墓参りの日程も取れそうにありません。御先祖様、何卒お許しください。

皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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