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森友学園小学校設置趣意書非開示国家賠償訴訟で全面勝訴判決と私の陳述書

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5.初めから何が何でも非開示する方針だったから非開示にされた!
私は2017年5月10日に本件文書の公開請求を行い、同年7月10日に開示決定を受けていますが、近畿財務局は、今思えば、本件文書に非開示情報が含まれているかどうかを検討することなく初めから「非開示ありき」だったと思えてなりません。

というのは、第一に、私が本件文書の情報公開請求する2か月余り前の同年2月24日に、佐川理財局長は、森友学園との交渉(応接)記録が廃棄されていなかったにもかかわらず「交渉記録は廃棄した」と虚偽の答弁後を行い、また、その後、財務省は国有地賃貸および売払の際に財務省が作成した各決裁文書を改ざんしていたからです(これは本訴訟提起後に作成され公表された、財務省「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」(2018年6月4日15頁)によって判明した事実です)。

第二に、私が2017年3月2日に森友学園との交渉・面談記録を含む行政文書を情報公開請求したのに対し、近畿財務局は、同年5月2日付の開示決定通知書で森友学園との交渉・面談記録等を開示すると決定しながら、実際には当該記録を開示していなかったからです。

第三に、辰巳孝太郎参議院議員(日本共産党)は2018年6月18日の参議院決算委員会で、森友学園との国有地取引をめぐって、独自入手した二つの内部文書を公表しましたが、そのうち、行政機関の間のやりとりの公表をめぐって財務省と国交省がすり合わせをしたことを記したメモ(5/21)には、財務省理財局と近畿財務局のやりとりの記録を「最高裁まで争う覚悟で非公表とする」と記されていました。

つまり、国は、森友学園に関する文書について、手段を選ばず可能な限り隠蔽する方針だったのです。それゆえ、本件文書については、そもそも非開示情報が一切含まれていなくても「全部開示することは絶対ない」という結論ありき、だったのです。

とはいえ、開示決定しておきながら実際には開示しないという判断はできなかったのでしょう。また、廃棄することも改ざんすることもできないと判断したのでしょう。そこで、残った選択肢は、「開示情報が含まれていなくても非開示情報が含まれている」と虚偽の理由で非開示にするという選択肢だったとしか考えられません。

その証拠に、近畿財務局は、開示決定処分する前に森友学園の管財人に対しても、本件文書に「経営上のノウハウ」という非開示情報が含まれているのか、含まれているとすれば、どの部分が非開示情報なのかについて問い合わせを一切していなかったからです。

通常であれば、本件のような情報公開請求においては、法人側に非開示情報があるのかどうかを問い合わせ、不開示情報があるとの回答があっても、法人側が必要以上に非開示にしようとしていないかどうかを検討したうえで、できる限り開示するという決定をするでしょう。ところが、本件文書については、そもそも開示する気が一切なかったから、森友学園の管財人に問い合わせさえしていなかったのです。

したがって、近畿財務局は、初めから何が何でも情報公開法に違反して非開示にするという結論ありきで判断をしたからこそ、本件文書に非開示情報が一切含まれていないにもかかわらず全面非開示に近い部分開示の決定処分を行ったとしか考えられません。これは、明らかに国の職員による故意による不法行為です。

6.本件文書の不開示処分は「安倍首相の教育理念と合致する小学校」の隠蔽のため

全部開示された本件文書を読み、さらに驚いたのは、本文に書かれていた別の情報です。日本国憲法に適合する「こども権利条約・男女共同参画・雇用均等法」などを「日本人の品性をおとしめ世界超一流の教育をわざわざ低下せしめた」と批判し、さらに戦前の「富国強兵的考え」や「教育勅語」を高く評価する記述になっていて、森友学園の塚本幼稚園の園児の「受け皿が必要」だとして小学校を設置する旨と書かれていたことです。

これは、まさしく安倍首相夫婦が支援する小学校教育であり、実質的には「安倍首相の教育理念と合致する小学校」と評しうる内容です。

私が本件文書の情報公開請求をする前、籠池泰典元理事長はマスコミの取材にその旨応えていましたが、財務局職員が大阪府庁を訪ねた際の記録には、(大阪)府職員の発言として「安倍晋三記念小学校として本当に進捗できるのか、取り扱いに苦慮している」と明記されていた(2014年3月4日)から、当初、森友学園が大阪府に設置認可のための相談をしたときの小学校名はやはり「安倍晋三記念小学校」だったことが、本訴訟提起後に判明しました(「『安倍晋三記念小学校』森友側が説明 財務省記録に記載」朝日新聞2018年5月24日5時8分)。

安倍首相は、再度首相に任命される前の2012年9月16日に森友学園の塚本幼稚園で講演する予定でしたが、自民党総裁選に立候補することになりキャンセルしましたので、その後は代役として安倍昭恵首相夫人が3回(2014年4月25日、同年12月6日、2015年9月5日)も講演していますが、そのうち1回目では、園児が「教育勅語」などを素読するのを見て感涙していますし、2回目は、2014年12月2日公示の衆議院総選挙(14日投開票)の最中なのに、あえて本講演だけキャンセルしないという力の入れようでした(他のスケジュールをすべてキャンセルしたというのです)。

安倍首相は、2017年2月17日、籠池理事長について「いわば私の考え方に非常に共鳴している方で、その方から『小学校をつくりたいので、安倍晋三小学校にしたい』という話がございましたが、私はそこでお断りをしているんですね。」「あの、事実というのはですね、うちの妻が名誉校長になっていることについては、承知をしておりますし、妻からですね、この、森友学園ですか? の『先生の教育に対する熱意は素晴らしい』という話は聞いております」と国会で答弁していました。

昭恵夫人は、3回目の講演(2015年9月5日)で、以下のように話しました。

「こちらの教育方針が大変、主人も素晴らしいというふうに思っていて、先生からは『安倍晋三記念小学校』に、という名前にしたいというふうに当初は言って頂いていたんですけれども、主人が『総理大臣というのは、いつもいつも良いわけではなくて、時には批判に晒されることもある』と、『その時に、自分の学校の名前が「安倍晋三」 という名前が付いていると、

もしかすると、色んなところからその名前によっていじめにあっ たりすることがあるかもしれないし、色んなことで学校が側も「なんで今この名前を付けたの か?」というふうに責められるかもしれないので、もしお名前を付けて頂けるのであれば、総理大臣を辞めてからにして頂きたい』ということで、そして、それをご理解頂い籠池園長が 『瑞穂の国記念小学校』という本当に素晴らしいお名前を付けられました。」

「この幼稚園でやっていることが、本当に素晴らしいんですけれども、それが、この幼稚園で終わってしまう。ここから普通の公立の学校に行くと、普通の公立の学校の教育を受ける。せっかく、ここで芯が出来たものが、また、その学校に入った途端にこう、揺らいでしまうということが先生(※籠池氏の方を指し示し)は凄く残念がっておられたので、ここで培ったものを、瑞穂の国記念小学院に入って、またさらにその芯を、こう、出来たものを太く太くして行くということが、きっと大事なんだろうというふうに思います。」(https://akie-leaks.com/2017/04/10/fulltextofmeat0905/#more-155

つまり、安倍首相夫婦は、「教育勅語」等を素読する園児の受け皿としての小学校は、安倍首相の教育理念に合致する小学校」だと高く評価していたのです。

だからこそ、安倍首相夫婦は、森友学園に小学校をつくらせるために“口利き”をしていたのです。安倍首相は、当時、昭恵首相夫人に職員(谷査恵子氏)を付けていました。

2015年10月26日、籠池夫人(副理事長)が50年以上の定期借地や工事費の立て替え払いの返還についての要望を、昭恵夫人付き職員(谷氏)に対し封書で送付し、昭恵夫人付き職員(谷氏)は、財務省本省に問い合わせ田村嘉啓国有財産審理室長から回答を得ているとして、同年11月17日、籠池理事長にFAXで回答していますが、夫人付き職員(谷氏)は実際同月12日(木)の公務時間である「10:00~10:10」の10分間「田村国有財産審理室長」に対し電話で“口利き”をし、「国有財産管理室」は、その内容を記録し、「当方」が「田村国有財産審理室長」で、「先方」が「官邸 谷さん(安倍総理夫人付)」であったと明記していました。

つまり、安倍首相夫婦は、森友学園に小学校を設置させようと「官邸」を使って“口利き”し、財務省は、そのことを認識していたのです。

それゆえ近畿財務局は、前述のような内容の「開成小学校」の設置趣意書を提出した学校法人に国有地を賃貸し、後に財政法第9条違反の売却をするのを決めたことが国民に知られることを恐れて、私の情報公開請求に対し、あえて「経営上のノウハウ」という屁理屈で全部非開示に近い処分をしたとしか考えられません。

これは、明らかに情報公開法に違反する運用であるだけではなく、安倍首相夫婦を守るための極めて政治的で異常な運用であり、明らかに国の故意による不法行為です。

そこで、私は2017年11月30日、本件国家賠償訴訟を提起したのです。

なお、安倍首相は、2017年2月17日、「(国有地売却や学校認可に)私や妻が関係していたことになれば首相も国会議員も辞める」と国会で発言しましたが、この発言以降、財務省理財局の総務課長は、国有財産審理及び近畿財務局の財務部長に対し、総理夫人、夫人付き職員の名前の入った書類の存否の確認を求めましたし、佐川理財局長は、同月24日に、森友学園との交渉(応接)記録が廃棄されていなかったにもかかわらず「交渉記録は廃棄した」と虚偽の答弁後を行い、また、その後、財務省は国有地賃貸および売払の際に財務省が作成した各決裁文書を改ざんしていました(前掲、財務省「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」2018年6月4日15頁)。

以上、本訴訟提起後に判明した事実からも分かるように、要するに、近畿財務局は、森友学園の関係文書の取り扱いについて安倍首相夫婦を守るための極めて政治的で異常な判断をしてきたのです。ですから、本件文書に不開示情報が存在しないことがわかっているにもかかわらず、本件文書のほとんどを非開示にしたのは、そのような異常な判断の一環だったのです。これは、繰り返し指摘しますが、明らかに国の職員による故意による不法行為なのです。

7.国の不法行為による損害
(省略)。
 
 以上、私は陳述したします。

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