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アングル:英国は離脱の延期要請か、EU対応3つの選択肢


[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)はブレグジット(英国のEU離脱)について、メイ英首相が29日の離脱期日の延期を求めてくる事態を想定している。英議会は14日、離脱延期をEUに求めるかどうかの採決を行う。

英国が正式に延期を要請してきた場合、実現するにはEU加盟27カ国全ての同意が必要になる。この問題は21日のEU首脳会議で話し合われる見通しだ。

EUのトゥスク大統領は首脳会議に向け、15日にオランダのルッテ首相、18日にメルケル独首相とマクロン仏大統領、19日にアイルランドのバラッカー首相とそれぞれ会談する。

以下に今後考えられる3つのシナリオを示した。

●延期なし

現段階で恐らく最もありそうにない展開。29日に合意のないまま英国が離脱すれば混乱が起きるし、EUとしても経済的な混乱を起こした「犯人」とされたくはないからだ。

ただ延期を認めるべきでないと主張する人々の間からは、ブレグジットがEUの取り組み課題としてずっと大きな地位を占めてきたために、他の重要な問題の処理があまりにも長期間放り出されたとの恨み節や、こんなささくれ立った雰囲気は終わりにすべきだとの意見が聞かれる。

●短期間の延期

今のところ8週間までの離脱延期が一番確率の高いシナリオとして浮上している。欧州議会選挙が実施される5月24─26日あたりが確固とした期限とされる。

ユンケル欧州委員長は11日、英国はどんなに遅くても5月23日までに離脱する必要があり、それより後ずれするなら国内で欧州議会選を行う法的義務が生じると発言した。

英国は欧州議会選を実施したくないし、EU側も英国がそんな行動に出るとは信じていない。これは新たにまた1つ、法的な対立をもたらしかねないからだ。あるEUの外交官は「欧州議会選の投票日より後まで(離脱を)持ち越すのは非常に危険で、深刻な問題になるとの理解が存在する」と語った。

とはいえEU内では、短期間の離脱延期によって、これまでずっと解消されてこなかった英国の政治的停滞を打破できると考える向きは乏しい。それほどに英国の内閣、議会、国民はブレグジットを巡って分断化している。

もっともブレグジットに関して瀬戸際の状態になる時期が5月終盤ないし、場合によっては6月終盤まで先送りされるので、人々が厄介な事態に備える時間は増える。

EUとしては延期を認める条件として、英国が離脱案の議会承認を取り付ける道筋を示してほしいとの意向を持っているが、英国から実際に延期要請があれば断ることはできず、渋々ながらも短期間の延期を受け入れる、というのが多くの外交筋や当局者の見立てだ。

EU各国首脳の中で、英政府が議会による離脱案承認をどうやって得るかの方針を明確に提示しない限り、延期に賛成しないと一番はっきり表明しているのはマクロン氏だ。これに対してメルケル氏は、秩序あるブレグジットを確保するために、英国はより多くの時間をかけることができると示唆している。

●長期間の延長

これは難しい選択肢となる。なぜなら欧州議会の正統性、あるいは年末までに発足する欧州委員会の新体制でさえ、法的に問題視される道につながるからだ。それでも可能性を完全に排除はできない。

EUによる離脱の長期延長、具体的には年末かあるいは極端なケースでは来年末までという話が出る1つの理由は、英与党・保守党内のユーロ懐疑派にメイ氏の離脱案を支持しなければ、永久にブレグジットは実現しないぞと圧力をかけることだった。

EU内の長期延期論支持派は、それによって英国が2回目の国民投票もしくは総選挙を実施し、最終的にブレグジットが撤回されてもおかしくないと主張する。あるいは時間が延びることでメイ氏が交渉で譲れない一線の定義が変化し、離脱後にEUとの関係をより親密にすると英国が決意する可能性も出てくる。例えば野党・労働党が提唱する関税同盟の維持などだ。

一方、長期延期論の反対派は、これはEU側に大きなリスクとコストをもたらし、何年にもわたって不確実性を持続させたり、本来なら別の目的に向ける時間や資源、エネルギーが浪費される恐れがあると警鐘を鳴らしている。また新しい欧州議会に相当数のユーロ懐疑派が入ってくるのを許し、英国が離脱した後でもEUの問題に関して彼らに一定の発言力を持たせてしまう事態もあり得る。

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