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秘密の祇園

秘密というほどのことではないが、立て続けに祇園で飲む機会があった。先週は東京からの来客と一緒にお茶屋さんが経営するバーで飲んだ。今週もほぼ同じ場所で飲んだ。

先週飲んだ店Fは、表がお茶屋になっている。家全体は、お茶屋が表通りにあり、裏通りに面してバーがある。お茶屋の裏側とバーが比較的大きな庭を囲み、その木々を眺めながら飲めるようになっている。祇園ではまずない立地だと思う。

そのバーの請求書が届かないうちに、今週も祇園に行った。いとこが定年退職するというので、一度京都で食事会を開くことにした。そのいとこの泊まった旅館が、何と、先週飲んだバーの向かいだった。それも、バーの入口と旅館の玄関とが完全に向かい合っていた。一人が通れるくらいの通りだから、手を広げれば両方の入口に触れそうだった。

その食事会が終わり、二次会ということになり、一度旅館に立ち寄った。その後、旅館のおばさんの紹介で飲み屋に行った。多麻という店である。舞妓や芸子を10名だったか、かかえた店だった。

その店の女主人が言うには、祇園の土地は歌舞練場の所有だと。祇園の歌舞練場のすぐ傍に場外馬券売り場があるのだが、そこはお寺(建仁寺)の土地だそうだ。いずれも借地の上に家屋がある。祇園で商売ができるなんて、立派な権利である。それを、旅館もそうだし多麻もそうだが、女が実質的に引き継ぎ、支えている。

その祇園、ご多分にもれず、観光客に迷惑しているとか。

確かに通りには観光客が溢れていた。一力の前が集合場所になっているとか、その建物の中に観光客が堂々と入って写真を撮るとか、塀にもたれるとか、抱き合うとか、いろんな「事件」があるらしい。

一見さんお断りの多い祇園なのに、一見さんも一見さん、外人観光客に悩まされるなんてと思った。そこは女のパワーで観光客対策を考えるべきでないのか。

舞妓が花見小路の入口に立って番をし、高い入域料を徴収するとか。その代わり、集まった観光客を舞妓が建仁寺の入口まで案内すればいい。観光客には本物の舞妓の写真を撮れるという楽しみが生じる。

祇園の秘密から離れて外人対策になってしまったか。次に訪れる時、祇園はさらに変化しているかもしれない。

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