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過労死基準を超えて働く日本の医師、役割を担えない薬剤師

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【薬剤師は役割を担うことができる】

病院勤務医が入院患者の治療、あるいは当直の過重労働に喘ぐような状況で、さらに多くの外来患者を担当する必要はありません。一部の専門外来は閉鎖しづらいとしても、外来患者を地域の「かかりつけ医」が担当することで勤務医の負担は軽減できます。

問題は、病院と診療所との利益配分の調整が必要であること、病院受診の平均医療費14250円(現在は数か月以上の処方も珍しくない)と診療所の6552円(多くは病院より処方日数が短い)を調整したうえ医療費の拡大を防ぐためには、外来診療包括払いなどへの移行が必要であることです(医療費は平成28年)。

その上で、今後の日本の医療体制・医療文化として、外来における患者と医師の診察・面談時間はどの程度必要かについての議論をしなければなりません。
近年、先進国では外来医療における患者経験

〇患者に十分な時間を割く
〇分かりやすい説明をする
〇質問、または心配ごとを言う機会がある
〇ケア及び治療についての決定に患者が関わる

を重視しています。日本では多くの患者が医師と十分なコミュニケーションが取れず、信頼関係を構築できていないように見えます。もし医師会が求める方針を今後も続けるなら、日本ではこの部分のメリットを放棄することになるのでしょう。
「医師は信用できない、AIやネット情報がそれを補うだろう」といった議論は今も頻繁に見かけますが、本当にそれでよいのでしょうか?

医療費総額をコントロールしたうえで患者と医師との必要な診察・面談を実施し、なお患者あるいは地域住民に対する医療専門職による関わり・介入が必要であり、それが実施可能であるからこそ、諸外国では

◇リフィル処方箋(複数回利用できる)
◇薬剤師による処方・予防接種
◇セルフメディケーション支援

が実施されています。看護師や栄養士といった他の医療職種も同様に活躍しています。それは本来、日本でも同様であるはずです。

厚労省会議では、しきりに医薬分業や薬局薬剤師による地域医療への貢献・意義が小さいなどと批判されていますが、それは違います。医師会への忖度や利益誘導を止め、本質的な議論をして下さい。
英国では、体調が悪くなった際、まず生活圏の薬剤師に相談するよう求めるキャンペーンを実施しました。日本で同じことができないのは、政策決定段階のパワーバランスの問題です。
『Don't wait until you feel worse, ask us first.』

各医療者が役割を担い、負担を分かち合うための議論ができるのであれば、私たちにはできることがあります。

【医師会と自民党の蜜月、会議委員・厚労省の忖度】

日本医師会はこれまで、強力な圧力団体として自民党との協力体制を築き、中央社会保険医療協議会(中医協)など医療制度・報酬制度を議論する厚労省の会議の多くで、影響力を行使してきました。
会議では、医師などの診療側委員の他に、保険者などの支払側委員、公益委員が出席してはいますが、時に会議の頭越しに自民党からの圧力を利用する医師会への忖度から逃れることができず、本質的な議論ができていません。

前中医協議長の森田朗氏は著書「会議の政治学Ⅲ」において、こうした実情について言及・批判していますが、その後も会議の状況は変わっていません。

正常な医療政策を曲げてでも医師会に協力してきた自民党、そして厚労省会議における医師会一強の状況に忖度して本質的な議論を回避し、勤務医の過労死対策を怠ってきた会議委員・厚労省は方針を転換すべきです。

医学部入試の女性差別、そして勤務医の異常な労働状況を前にしても世論からの大きな批判がなく、また政党支持率にも影響がないのであれば、渋谷教授のような正当な批判は無視され、全国医師連盟や全国医師ユニオンの声明、産婦人科学会の要望書、何より医療現場で過重労働に喘ぐ勤務医の声も顧みられることはありません。

多くの方が声を上げて下さるよう、お願い致します。

1860時間もの勤務医の時間外労働を容認し、議論を先送りすべきではありません。

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