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  • 連合
  • 2019年03月12日 17:13

「底上げ・格差是正」を ど真ん中に! 2019春季生活闘争最大の力点

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2019春季生活闘争は、企業規模間、雇用形態間、男女間の「格差是正」をど真ん中に据えて、一人ひとりが働いた価値に見合う賃金・処遇が担保される社会の実現をめざす闘いだ。その意義と熱を社会全体に波及させるために、職場・地域で力強く取り組みを進めよう。

底上げ・格差是正をめざす私たちの「熱」を社会全体に広げよう!

神津里季生 連合会長

2019春季生活闘争の最大の力点は「底上げ・格差是正」だ。

連合はここ数年、「底上げ」の重要性を繰り返し訴え、「格差是正」に向けて一歩も二歩も踏み込んだ取り組みを進めてきた。これまでの「賃上げ」の繰り返しではむしろ格差は拡大するのではないかとの問題意識のもとに主張を強めてきた。その結果、構成組織、単組、地方連合会が、それぞれの交渉において「格差を放置できない」という強い思いを体現していただいた。直近では、中小の賃上げ率が全体の水準を上回る、あるいは非正規雇用といわれる形態で働く人の賃上げ率が正規雇用のそれを上回るということが、当たり前のものになってきた。

しかしながら、私たちの持つ「熱」がどこまで伝わっているのかという思いも抱かざるを得ない。世の中全体を見渡せば、いまだ賃上げをめぐる動きは冷え冷えとしているのではないか。私たちの持つ熱をどう波及させるかが、問われている。

したがって、単に従来の取り組みを繰り返していたのでは、この壁は突破できない。社会全体に熱を波及させ、全体を温めていくには、「上げ幅」にこだわりつつも「絶対水準」にもっと光を当てた取り組みが必要だ。そして、一人ひとりの働きの価値が重視され、その価値に見合った処遇が担保される社会を実現していかなければならない。交渉本番を迎える今、このことを再度確認し合っておきたい。

より良い働き方をめざして

「働き方」の見直しについては、昨年7月に「働き方改革関連法」が成立し、今年4月以降に施行となる。それぞれの構成組織、単組においては、法改正に対応し、法を上回る取り組みを進めてきた。しかし、これもまた世の中全体のものとなっているとは言えない。労働組合の具体的な取り組みをアピールし、「労働組合が必要なんだ」「労使関係が重要なんだ」ということに気づいてもらわなければいけない。

その一つのアプローチとして、連合は昨年秋に「Action!36」のキャンペーンをスタートさせた。3月6日を「36(サブロク)の日」記念日とし、すべての職場でのより良い働き方の実現をめざし、36協定の適切な締結を呼びかけてきた。

ある調査では、経営者の45%が36協定を知らないという実態が浮き彫りになっている。 「Action!36」では、まず「時間外労働には36協定が必要」ということを周知する。そして適正な36協定締結を通じて、労使が職場の労働時間の実態を把握し、問題点を洗い出し、その解決を通じて長時間労働是正に取り組んでいけるよう働きかけていく。また、行政、経済団体、産業・労働関係事業団体、職能団体、国際機関等と連携して、「36(サブロク)の日」記念日への協賛や、長時間労働の是正に向けた共同宣言の締結なども進めている。

格差是正や働き方の見直しの「熱」の波及を妨げているものは何か。連合がその最大の課題と捉えてきたのは、取引関係だ。立場の強さを利用して、下請・中小企業に無理難題を押し付けていないか。労働組合の責任として、目を凝らして実態を厳しくチェックし、適正な取引を実現していくことが必要だ。

2019春季生活闘争のスローガンは「今こそブレイクスルー! すべての労働者の処遇改善と働き方の見直し!」。これまで乗り越えられなかった壁を、連合総体の力を結集して突破し、社会全体に「底上げ・格差是正」の熱を広く強く波及させていこう!

「格差是正」の意義

取引の適正化 ─経済の好循環を達成するために─

大手と中小の格差是正のカギを握るのは、「取引の適正化」を通じた付加価値の適正分配だ。神奈川大学の細田孝一教授は、「従来の弱者救済策を超えて、中小企業自体の競争力を高め、経済全体の基盤強化につながる重要な政策だ」と説く。

細田孝一
ほそだ・こういち
神奈川大学法学部教授

中小企業の稼ぐ力を引き出す「取引の適正化」

2009年以降、企業収益は右肩上がりで拡大しているが、中小企業に焦点をあてると、収益は低迷し、とりわけ製造業では横ばいに近い状態が続いている。

なぜ、中小企業の収益は上がらないのか。実態を探ると、大企業と中小企業の不公正な取引が大きな要因になっていることが見えてきた。本来、親事業者の大企業が負担すべきコストが下請の中小企業に押し付けられ、その収益を圧迫している実態がある。企業間の収益格差が大きいと景気の波及は非効率になり、経済発展が阻害される。これは放置できないと、政府は2015年12月に「下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議」を設置し、「取引の適正化」に向けた取り組みをスタートさせた。

重点課題は、第1に「価格決定方式の適正化」。親企業が下請企業に対して一方的に価格を決定したり、毎年一定率のコスト削減を要求するような慣行を見直していく。第2は「コスト負担の適正化」。部品製造に必要な金型・木型を下請企業が自己負担(無償)で保管しているケースが多いが、そのコスト負担のあり方を見直していく。第3は、「支払い条件の改善」。慣習的な手形支払いを現金払いに変えていく。

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