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介護休業から"帰ってこれない人"の共通点

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特養の大部屋なら、月5万~6万円

介護にかかるお金は、どんな介護を行うかで大きく異なります。施設なのか在宅なのか、施設も特養なのか有料老人ホームなのかによって変わります。ですから、無計画に言われたままを支出するのではなく、最初に予算を確定したうえで介護の内容を決めるべきなのです。

一番わかりやすいのは施設を選ぶ場合です。親の年金が月に約10万円で、預貯金がほとんどないとしたら、有料老人ホームは諦めたほうがいいでしょう。最も低予算の場合は、特養の大部屋を選択することになります。これなら食費まで全部含めても月5万~6万円で済みますから、国民年金だけでも足ります。

一方、資産や年金がたくさんあれば、高付加価値の施設を選べるほか、在宅でも介護保険のメニューにはないような自費サービスを利用することもできるのです。

介護費用に親のお金を充てようとすると、親名義の口座からお金を引き出す必要も生じますが、本人確認が厳しいので厄介です。親が元気なうちにキャッシュカードの暗証番号を聞いておく、できれば銀行で「代理人キャッシュカード」をつくって子供が持っているといいでしょう。

しかし、それだと口座の全額を子供に委ねることになりかねず、抵抗感を持つ親もいるでしょう。そういう場合は、銀行に新しい口座をつくって、入院・介護用に、たとえば100万円程度を入金しておいてもらうという方法もあります。

お金に関しては、兄弟姉妹間のトラブルも無視できません。子供のうちの誰かが親の口座の管理をし始めたら、その内容をオープンにしておかないと、後々もめる原因になります。できれば専用の「介護家計簿」をつくって親の家に置いておき、いつでも確認できるようにしておけば安心です。

お金の問題は、心にためこんでしまうと言いづらくなりますから、早めに口に出すことが大事です。介護は1~2年で終わるとは限らず、10年、20年続くかもしれません。不満は感じたときに伝えたほうがいいのです。

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太田差惠子(おおた・さえこ)
介護・暮らしジャーナリスト
NPO法人パオッコ理事長、AFP。20年以上にわたる取材活動を基に、遠距離介護、仕事と介護の両立、介護とお金等の視点で情報を発信。著書に『親の介護で自滅しない選択』など多数。
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▼介護を「マネジメントする」体制づくり


(介護・暮らしジャーナリスト 太田 差惠子 構成=生島典子 撮影=大杉和広 写真=iStock.com)

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