- 2019年03月12日 10:03
Microsoftが加速する地球規模の課題解決 ── 人間を超え始めたAIは何を解決するか?
1/2
2019年2月13日、株式会社レッジは日本最大級のビジネスAIカンファレンス『THE AI 3rd』を開催。「AI時代の適者生存 ── 生まれ変わるために“今”すべきこと」をテーマに、業種や産業を跨いだAI、ディープラーニングの活用事例が業界のトップランナーにより語られました。
「AIで変わるデジタルトランスフォーメーション時代のビジネス生存戦略」と題して講演した日本マイクロソフトの西脇 資哲氏は、「人間の能力を超え始めたAIを用いてどんな課題解決ができるか」について、実際の事例を用いて語りました。
西脇 資哲氏
エバンジェリスト / 業務執行役員
マイクロソフトにて多くの製品・サービスを伝るエバンジェリスト。1990年代から企業システム、データベース、Java、インターネットのビジネスに関与し、1996年から約13年間オラクルにてエバンジェリストとして従事。その後、2009年にマイクロソフトにてエバンジェリスト活動を継続。
4つの分野で人間を超え始めたAI
西脇氏は、今日のAIが世の中で様々な課題を解決していることを前提に話しながら、「AIは画像認識、音声認識、文章読解、翻訳の4つの分野で人間に追いついた」と語ります。

――西脇
「私たちが考えているAIの力は人間のレベルに追いついたという風に言われています。たとえば、物を見る能力は2年前からすでに人間の能力を超えていますし、音声を適切に認識する能力もわずか5.1%の誤認率に到達しています」

こうした技術的発展を背景に、身の回りの課題解決が進んでいます。たとえば以下のような事例。
- 機械翻訳:プレゼンの文字を起こし、他言語へリアルタイムに翻訳
- 文章読解:人間の指示を聞き取り、会議の日程調整を代わりに行う
- 画像認識:レシートから日付や金額、会社名といった項目を抜き出す
- 顔認識:人の顔を認識し、性別、年齢、感情などを分析。顧客ニーズの分析に活用
これらを人間が行おうとすると、完璧にこなすのは難しい一方、AIは疲れないことに加え、一定の精度を継続して維持します。
「文字起こしや日程調整、項目の抜き出しといった、私たちが業務の中で面倒と感じながらも何度も行っている単純作業を、AIで自動化したのがこれらの事例です。
ただ、『大企業しか使えないのでは』と思わないでください。AIに取り組めるかどうかは企業の大小は関係ありません。使うときはクラウドに問い合わせるだけですから」
日本マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を活用すれば、AI活用のための学習済みAIが誰でも利用できます。大量の学習用データを集める必要がないため、中小企業にもAIを使った課題解決のチャンスが存在します。
身の回りの課題を解決して売上アップ、働き方改革を実現
では、実際のビジネスではAIを活用してどんなことができるのでしょうか?
伊勢にある食堂、土産物店、屋台を営む老舗企業ゑびやでは、画像解析により顧客の属性を分析し、時間ごとの来店数予測に挑戦。
結果、需要予測的中率は精度90%超を叩き出し、無駄な作業が減り、別の作業に当てられるようになったことで、4年間で売り上げが4倍、利益率は10倍になったといいます。

「ポイントは、需要予測の的中率が90%という点です。つまり大きな企業がビッグデータをたくさん蓄えているからAIを使える、という世界ではなくて。どんな業種であっても課題を解決することができる技術がAIなんですね」
自分たちが抱えている課題に、AIをどのように活用できるかを考え実行したゑびやの姿勢は、AI活用を考える企業の教訓となりそうです。
ところで、ゑびやは、AI導入により売上が上がった結果、何をしたのでしょうか?
――西脇「上がった売り上げを従業員に還元しているそうです。給料の2割アップや、小売業という業態にも関わらず完全週休2日制を取り入れるなど、働き方改革を実現しています。AIで身近な課題を解決することで、社員がより幸せになれるストーリーが生まれたのです」



