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「緑のたぬき」小池都知事は再選できるか

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■「小池再選」と「安倍4選」を描く80歳の二階氏

ここで二階氏の本音を探っておきたい。80歳になった二階氏。交代説がささやかれるようになった。その空気に抗するために政治の動きをリードしたい。

小池氏再選の流れをつくることも、その1つだ。自身が描いたシナリオ通り、再選の流れができれば二階氏の続投の目も出てくる。二階氏は「小池再選」の先に、さらににらんでいるものがある。「安倍4選」だ。二階氏は既に非公式な席で、自民党則を変えて安倍氏が4選できるようにすべきだという動きを始めている。

20年の都知事選、21年の総裁選の功労者となれば、権力を維持することは可能だ。そういう野心が透けてみえるだけに、今回の「全面協力」発言は党内でも評判が悪いのだ。

■都連幹事長が「叱咤激励」に感謝するという流れに

この二階氏の発言は「なかなか候補者が定まらない都連を叱咤激励するものだった」ということで沈静化が図られようとしている。

7日、二階氏ら執行部は都連幹事長の高島直樹氏と面会。二階氏の懐刀である林幹雄幹事長代理が「ご迷惑おかけした」と頭を下げると、高島氏は「叱咤激励していただきありがとうございました」と矛を収める考えを見せた。

ただし都連側は小池氏を「全面協力」する考えは全くなく、候補者擁立作業を加速することになる。

■都連幹部が熱望するのは、元テニス選手の松岡修造氏

都連側も、すでに水面下では活発に動いている。名が上がっているのは鈴木大地スポーツ庁長官、橋本聖子参院議員、丸川珠代元五輪相ら。キーワードは「東京五輪の時の知事らしい人物」。鈴木、橋本両氏は元オリンピアン、丸川氏は五輪相経験者だ。中でも最有力とされるのが丸川氏。元アナウンサーで知名度があり、何よりも「小池氏よりも若い女性」が強みだという。

都連のある幹部は、元テニス選手でスポーツキャスターの松岡修造氏を熱望していた。確かに口説き落とせれば最も知名度が高い候補になるだろうが、残念ながら松岡氏は、東京五輪に向けてテレビ出演の契約などがびっしり詰まっていて、今からひっくり返す状況ではないのだという。要するに「東京五輪の顔」にふさわしい人物ほど、既に日程が埋まっていて身動きが取れないというジレンマに陥っている。

谷垣禎一前党総裁を推す声もある。自転車運転中のけがで政界は引退したが、ことし2月自民党大会では、車いすに乗って元気な姿を見せた。党側が「パラリンピックに力を入れるところを強調して、従来にない支持層を確保したい」という思惑もあるのだが、谷垣氏が出馬を決断するとは思えない。

■都連を「悪役」にして孤立させるシナリオが進行中

一方、小池氏はどうか。一時は80%近い都民の支持を得ていたが今は求心力も衰え、支持は全盛期の半分程度になってしまっていると言われる。先ほど紹介したような、知名度のある候補者を自民党が擁立すれば、小池氏も苦戦するかもしれない。

しかし、小池氏は、そんな時の戦い方を知っている。「悪役を作り上げ、それに対抗する正義の味方として立ち振る舞う」というのが小池流だ。まさに16、17年の知事選、都議選がそうだ。自民党都連や都議会を「悪の象徴」のように位置づけ、自身をフレームアップしていった。

その戦術を取ろうとした場合、二階氏の「暴走」は、ある意味ではありがたい。自民党都連が「反小池」で凝り固まり、都政でも抵抗勢力のようになっていけば、逆に小池氏には追い風が吹く。さらに二階氏が党本部をコントロールしてくれれば自民党都連を孤立させることができる。

小池氏はかつて、「緑のたぬき」と言われた。来年は久しぶりに「たぬき」の本領を発揮することになるのだろうか。

(プレジデントオンライン編集部 写真=時事通信フォト)

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