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乳児用の「液体ミルク」国内販売へ 震災きっかけに開発

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飲用水の確保が難しい災害時にも、赤ちゃんに与えられる「乳児用液体ミルク」(以下、液体ミルク)。育児にかかる労力の簡便化のいち選択肢としても注目されているが、その国産製品の発売が今日、3月11日から始まった。

3月11日より一般発売された江崎グリコ「アイクレオ 赤ちゃんミルク」

粉ミルクよりも簡単に与えられる新たな選択肢として、注目されている液体ミルク。発売同日に都内(ベビーザらス錦糸町店)で開催された「アイクレオ 赤ちゃんミルク(乳児用液体ミルク)」体験会で、ユーザーと開発者の生の声を聞いた。

被災地トラブルで注目された液体ミルク、一般発売へ

「液体ミルク」は、長年市場に流通している乳児用の「粉ミルク」と対比された言葉。2018年9月、北海道胆振東部地震の被災地に支援物資として送られた輸入品の液体ミルクに、「国内での使用例がない」として使用を自粛するような文書が添付されたと報道され議論を呼んだ。

このトラブルの背景にあったのは、液体ミルクの認知度の低さ。そもそも、ごく最近まで日本国内では液体ミルクの販売自体が認められておらず、輸入品を利用することもできなかった。2018年8月に厚生労働省が液体ミルクの国内販売を解禁する改正省令を施行したことで、複数の国内メーカーが開発に乗り出した。

発売に関して、先陣を切ったのが江崎グリコ。今夏発売予定だったところを前倒しする格好で、このたび「アイクレオ 赤ちゃんミルク」が発売された。

開発のきっかけは熊本地震

同製品の開発リーダーを務めた江崎グリコ 商品開発研究所 ベビー・育児グループの永富宏氏によれば、開発のきっかけは2016年4月の熊本地震だった。

被災時には母親の母乳が出なくなることもある、飲用水が確保しにくいなどの理由から、「災害でもっとも弱者となるのが赤ちゃん」だと強く認識。フィンランド産の液体ミルクが被災地で活用されたこともあり、「ミルクを扱う企業の一員として液体ミルクを国産で届けられないか」と開発を決意した。

開発には2年を費やし、製品は2018年段階で完成。厚生労働省の承認を受けた特別用途食品の表示を許可され、発売に至った。

江崎グリコ「乳児用液体ミルクに関する調査」(2018年10月)

昨年10月に同社が行った調査では、子育て中の親における液体ミルクの認知度は半数を割っていた。しかし、その存在を知った上で「使いたい」と回答した人は半数を超えたことから、開発の追い風となった

「常温で飲める」液体ミルク、粉ミルクとの違いは

液体ミルクの特徴

液体ミルクと粉ミルクでは対象年齢は変わらず、新生児から飲むことができる。一方、異なるのは飲むときの「温度」だ。

粉ミルクは人肌にさまして与えるよう指導されているが、これはユーザーが扱う工程で70度以上の湯による殺菌が必要となり、それを赤ちゃんが飲める温度まで冷ますめやすとして示されていたもの。そのため、無菌充填された液体ミルクは常温で飲ませることができる。

保存に関しても、常温・未開封で保存期間は半年となっており、緊急時向けの備蓄品としての利用も行える。また、「アイクレオ 赤ちゃんミルク」は濃縮タイプではないため、お湯などで薄める必要はない。成分としては粉ミルクタイプのアイクレオ製品と同等とのことだ。

使う際は、付属の移し替え用ストローで哺乳瓶に移し替え、赤ちゃんに与える。温度や濃度の調整がいらないため、調乳に不慣れな同居家族・親族でも育児に参加できるツールとして有用に思われた。

粉ミルクは熱湯を使うため一度赤ちゃんから手を離す必要があるが、膝に赤ちゃんを抱えたままでも、液体ミルクの準備はできる。与えたい時にすぐ用意できるメリットは大きい

「アイクレオ 赤ちゃんミルク」には、容器移し替え用のストローが付属。飲用向けではない短いもので、後端に液だれ防止のかえしがついている

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