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大きく下降した1月の景気動向指数は景気認識の変更を迫るのか?

本日、内閣府から1月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月差▲1.3ポイント下降して95.9を、CI一致指数も▲2.7ポイント下降して97.9を、それぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1月の景気動向指数、3カ月連続低下 基調判断下げ

内閣府が7日発表した1月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が97.9と、前月から2.7ポイント低下した。低下は3カ月連続で、13年6月(97.0)以来の低水準。中国経済の減速が輸出や生産の面で日本にも波及していることを映した。

同指数の基調判断はあらかじめ決められた条件に基づいて下方修正された。政府が景気認識を改めるかどうかが焦点となる。

一致指数の算出に使う9つの統計のうち、速報段階で公表されている7つすべてがマイナスに寄与した。寄与度が大きかったのが生産・出荷関連の指標だ。

中国など世界経済の成長鈍化で日本企業の輸出が振るわない中、産業ロボットや半導体などを中心に企業の生産にも影響が出始めている。指数には生産が占める要素が大きい特徴がある。

指数の基調判断は5段階中、上から3番目の「下方への局面変化を示している」となり、前月までの「足踏み」から引き下げられた。この表現が用いられるのは消費増税の影響が色濃く出た14年11月以来だ。

基調判断は指数の変化に応じて一定の条件を満たせば決まる。「下方への局面変化」になるには、月々の変動をならした7カ月後方移動平均の前月差がマイナスになるなどの条件がある。判断は機械的に決まるため、必ずしも政府の景気認識と一致しない。

内閣府の定義では「下方への局面変化」は事後的に判定される景気の山(ピーク)がそれ以前の数カ月にあった可能性が高いことを示す。ただ14年8~11月に同様の判断になったが、景気の長さを判定する「景気動向指数研究会」はこの間も景気回復が続いていたと認定した。

同期間は政府の月例経済報告も「このところ弱さがみられる」などの文言は付け加えながらも「緩やかな回復基調」との表現は維持した。内閣府の担当者は7日、「政府の景気認識は総合的に判断する」と話した。

茂木敏充経済財政・再生相は1月の月例経済報告で景気回復の長さについて「戦後最長になったとみられる」と表明した。2月の月例経済報告でも「緩やかに回復」としており、指数が示す判断とは食い違う面もある。

茂木氏は5日、景気認識は「生産だけでなく、様々な指標を総合的に勘案して判断する」と述べた。人手不足はなお深刻で企業は賃上げを通じて採用を強化している。良好な雇用環境が国内総生産(GDP)の5割強を占める消費を支えている面もある。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「外需は悪いが、設備投資や消費といった内需には一定の底堅さがある」と話す。

1月の日本の輸出や生産を押し下げたのは、中国や世界経済の減速に加え、今年は中国の春節(旧正月)が例年より早く、同国の経済活動が一時的に落ち込んだ影響もある。春節の影響で基調がつかみにくくなっており、1~2月をならしてみる必要があるという。

加えて1月は日本は年初の休みが長かったため、工場の稼働を停止していた日が多い企業もある。

エコノミストの間には「景気後退に入った可能性もある」との声も出ているが、「2月に輸出や生産がどの程度戻るかが焦点だ」(第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト)との声は多い。2月の貿易統計は18日、鉱工業生産指数は29日に公表される。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、景気局面がビミョーな時期に入りましたので、かなり熱心に取材したのかインタビュー結果も多く、通常の月に比べてとても長い記事になっています。

続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

景気動向指数のうち、基調判断の基準となるCI一致指数の前月差を詳しく見ると、引用した記事にもある通り、トレンド成分を除く7項目がすべてマイナス寄与となっていますが、特に、投資財出荷指数(除輸送機械)、生産指数(鉱工業)、耐久消費財出荷指数、鉱工業用生産財出荷指数がこの順でマイナス寄与が大きくなっています。鉱工業生産・出荷の関連指数です。

昨夜の2次QE予想の記事では、現時点で景気後退局面に入っている、もしくは、年央くらいまでに景気後退局面に入るリスクは1年前や半年前から高まっているのは事実ながら、現時点で景気後退に入っている、ないし、2~3か月先という目先の期間で景気後退局面入りする可能性が高い、とは決して考えていない旨を記しましたが、CI一致指数からは「事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高い」とされる「下方への局面変化」に統計の基調判断が下方修正されています。

引用した記事の最後のパラのように、景気後退局面入りした可能性を指摘するエコノミストもいる一方で、2月の統計を見たいという専門家も少なくないようです。私は根拠なく楽観的な見方を示す方だったりしますので、2月の中華圏の春節効果を除いたトレンドを見たい気もします。

何度か指摘した通り、今年1月まで景気拡大が続けば、米国のサブプライム・バブル期に相当する期間を超えて、戦後最長の景気拡大期間を記録する可能性があったんですが、繰り返しになるものの、本日公表の景気動向指数から機械的に判断される景気の現状は基調判断の通り、「事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高い」とされる「下方への局面変化」ですから、ますます景気局面に注意が向くようになる気がします。

そして、我が国景気のキーポイントは海外要因、ズバリ中国経済です。

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