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「黒人ばかりのアカデミー賞」の違和感

■「白人ばかりのアカデミー賞」から「黒人ばかりのアカデミー賞」へ

 1年前に『ハリウッドのリベラル化を憂う』という記事を書いて、ハリウッド映画が政治的に利用され、おかしな方向に傾いていることを指摘したことがあるが、今年(2019年)のアカデミー賞を見ても、その傾向はますます深化しつつあるように思われた。

 今年、受賞した主な作品を見てみると、

 『グリーンブック』(作品賞・脚本賞・助演男優賞)
    ・・・・・・人種問題を描いた映画

 『ROMA ローマ』(監督賞・撮影賞・外国語映画賞)
    ・・・・・・メキシコが舞台の映画

 『ボヘミアン・ラプソディ』(主演男優賞・編集賞・録音賞・音響編集賞)
    ・・・・・・マイノリティを描いた伝記映画

 『ブラックパンサー』(衣装デザイン賞・作曲賞・美術賞)
    ・・・・・・黒人が主人公のエンタメ映画

 『スパイダーマン:スパイダーバース』(長編アニメ賞)
    ・・・・・・黒人少年が主人公のエンタメアニメ

 『ブラック・クランズマン』(脚色賞)
    ・・・・・・白人至上主義団体(KKK)を描いた犯罪映画

 こうやって並べてみると、黒人が目立つのは元より、明らかに政治色の強い民主党(リベラル)寄りの映画が並んでいることが分かる。以前に「白人ばかりのアカデミー賞」という批判があったせいもあるのか、敢えて、黒人に忖度しているのではないか?という疑問は拭えない。

 作品自体が本当に面白いのであれば、こういう結果になっても仕方がないと思うのだが、どうも、アカデミー賞選考の背景に政治的な思惑が反映されているような気がしてシックリとこない。

■ハリウッドよりもハリウッドらしい「中国資本映画」

 これは私だけが思っていることではなくて、ネット上でも、あちこちでそういうことを言っている(嘆いている)人を見かける。
 最近は、ディズニー映画にもそういう傾向が出ており、ハリウッド映画全体が、少し毛色が変わりつつあるように思う。

 昔ながらの、努力した人間は報われるというような感動的なストーリーが主流ではなくて、マイノリティにスポットライトを当てるという意味での社会派ドラマが主流に成りつつあるように思われる。

 逆に、中国資本映画の方が、かつてのハリウッド的な大味な映画が多いような感じを受ける。
 最近の映画で言えば、『MEG ザ・モンスター』や『スカイスクレイパー』等、有名ハリウッド俳優を起用した中国資本映画の方が、明るいエンタメに徹した作りになっているというのは実に皮肉だ。

 中国本国で『アバター』が上映禁止になったことは随分と前の話だが、ハリウッドに流入した中国資本映画には、そういった思想的制約があまり無いのかもしれない。

 映画はよく「総合芸術」とも言われるが、子どもの情操教育にも非常に大きな影響力を持った映像媒体でもある。
 では、教育上、子どもの精神に良い影響を及ぼす映画とはどんな映画だろうか?

 「強者が弱者を助けるヒーロー映画

 「弱者と強者の対立軸を描いた社会派映画

 この2つの映画があったとすれば、子どもにとって良い影響を与えるのはどちらだろうか?

 かつてのハリウッド映画の主流は前者であったと思うが、最近のハリウッド映画は、どうやら後者になってきつつあるようだ。保守系のトランプ氏が大統領になって少しは変化するのかと思っていたが、ハリウッドのリベラル化は、もはや歯止めが効かない深刻な状態に陥っているのかもしれない。

 

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