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日本の上場ネット企業162社の回転売買率ランキングと、株式市場から退出すべき企業15社

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比較的大切にされていそうな銘柄:27社


この群は東証平均133%というデータを見ると、その中央値に比較的近いと分類されます。

時価総額が大きめの場合、それなりに長期投資家比率が高く、安定していると言えるのではないでしょうか。時価総額1,000億超えの銘柄でいうと

ネクソン 15,849億 91.26%
楽天 12,681億  116.40%
エムスリー 12,039億 120.21%
カカクコム 4,500億 123.98%

この辺は株価のボラティリティが低いです。個人投資家観点からすると面白みがなく、機関投資家比率が高いかもしれません。ですが、投資を受ける企業視点で見ると適正な水準と言えるのではないでしょうか。

一方で時価総額300億以下で、この群に入っている企業は、比較的人気がない銘柄であり、どちらかというと適正ではなく非モテ銘柄と言えます。

非モテ銘柄35社:時価総額1兆超えなら50-100%は適正か


最後となった企業群。回転売買率100%で、最低単元数である100株が年間に1回売買されるという意味なので、この銘柄群は平均年間売買回数が1回以下になります。

とはいえ、ここに入っているから全てダメというわけではありません。時価総額の高い企業は、ここの数字が低めに出がちです。よって、リクルート(57.91%)、LINE(73.96%)、ヤフー(84.15%)この辺はさほど問題ではない気がします。

この群の特徴としてはGMO子会社が4社出てきます。子会社上場なので、そもそも浮動株比率が低いため、出来高が少なく売買回転率が下がっています。株式市場観点では、GMOグループの親子上場の意義はあるようには思えません。

それ以外の特筆すべき点としては、ウォンテッドリーはそもそも上場時の公募売出し比率が相当低いので、市場に流通している株式数が少ないので、回転売買率が低い。

デジガレ、ラクス、オープンドア、イトクロ、ファンコミ、バリューコマースあたりは時価総額500億以上ないしはそのポテンシャルがあるため、東証基準と比較すると低めですが、市場から退場すべきというほどの水準ではないと思います。

株式市場から退出すべき企業15社:首位は、ほぼ日


TheStartupとしては下記15社が「株式市場から退出すべき企業」であると考えます。

今度は「回転売買率が低い順」に並べました。非モテ銘柄35社の項目で、「こういう条件は除外すべき」という企業は除き、回転売買率60%以下の企業に絞りました。

銘柄を見ると、特に市場にいてもいなくても多くの投資家は困らないというか、気にもしない企業ばかりだと思います。言い換えると、業界再編対象として、TOB可能性がある企業群です(GMOグループ除く)

この15社のほとんどが、1日の売買代金が1億円に満たない。

断トツトップとなったほぼ日は出来高ゼロの日も珍しくありません。

出来高がゼロの日が少なくない企業が、上場している意味ってあるのでしょうか?強い違和感を覚えます。

あとは指摘したGMOグループが3社ランクイン。GMOグループは今回調査対象で8社でしたが、回転売買率トップはGMO本体の206%、次はGMOPGの198%でした。この水準であれば、特に遊ばれているわけでもなく賢明な気がします(いや、GMOPGの場合は、親会社がそれなりに保有しているので、それなりに出来高は多い部類に入る)GMOグループの親子上場の意義は感じませんね。

それ以外の14社を分類しましょう。

☆老舗オワコン企業
エムティーアイ、ガイアックス、ザッパラス、インタースペース

☆新興オワコン企業
ジーニー(2017年12月上場)
イオレ(2017年12月上場)
クックビズ(2017年11月上場)
シルバーエッグ(2016年9月上場)
デファクトスタンダード(2016年8月上場)
ホープ(2016年6月上場)
富士山マガジン(2015年7月上場)

特に新興オワコンの方は、IPOから1年弱しか経っていなくても、回転売買率が低いというのは、相当厳しいです。年度別IPO銘柄に限定してこの調査をすると、さらにこれらの企業群がいかにオワコンかを証明できそうですが、今回はここまでとしておきます。

ちなみに、ジーニーはIPO時から1年で株価が1/4程度になりました。

これら15社は、非モテ35社を通り越して、もはや株式市場から存在を無視されている銘柄と言っても過言ではありません。売買されないわけですから。

売買されすぎるアルベルトのようなビッチ銘柄も、それはそれで問題なわけですが、全く誰からも相手にされない方が株式市場に商品として並び続ける観点で言うと、非常に問題です。

以上です。

繰り返し強調しますが、回転売買率が低い企業を「市場から退出すべき」としましたが、回転売買率が高すぎてもそれはそれで良くないと思われます。個人投資家やヘッジファンドのおもちゃになっているわけです。

上場企業経営者の視点では個人投資家は完全に排除できないし、排除する必要もないのでしょうが、安定株主となる機関投資家比率を高めて、適正な回転売買率(東証水準でいうと平均値の133%からバッファを持って、100〜200%とか)を維持するのが最適かと思います。

ナスダック平均の71%を鑑みると、70-100%の間に抑えるというのが、最適な数値という見方もできるかもしれません。

それでいうと今回は非モテ群に分類しましたが、LINE、ラクス、デジガレあたりが70-100%の水準のそれなりに時価総額が大きな企業であり、最適な売買回転率と言えるかもしれません。

ややマニアックなランキングでしたが、単純に時価総額が大きい低いというよりも、その企業の株式が市場でどれだけ売買されているかという観点は、その企業が株式市場に居続ける意味があるかという問いに対して、有用な一つのサンプルになると思えました。

*強めに注記:iPhoneの株アプリの「平均出来高」が株式分割を考慮していない場合、数字が間違っている場合があります。本稿はあくまで大まか傾向としてご参考までに。

最近はTheStartupはあまり更新しておりませんので、ウメキワークスのご愛顧を、何卒宜しくお願い致します。

☆本稿の参考文献

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