記事

私が立ち上げた「#KuToo」運動キャンペーン - 石川優実

2/2

そもそもなぜ女性はパンプスやハイヒールを履くことがマナーとされているのでしょうか?
私はこの件は、根底には「女性は綺麗でいなければいけない」という女性差別があると思っています。モデルさんなど、自分の見た目や綺麗さ、洋服や靴を美しく見せるための仕事はまた別だともちろん思っています。お化粧もですが、そうではない仕事で女性だけそれを強いられることにずっと違和感を持っていました。

今回署名活動をしていて思うのが、多くの人が「差別」という言葉にアレルギーかよ、と思うくらい過敏な反応があるということ。多分多くの人が、「差別とは悪意の元に行われるとてつもなく酷い行為」だと思っているのではないでしょうか?

私はそんなことはないと思います。もっともっと身近に溢れる、無意識の中にほど生まれるものだと感じています。
「女性差別」とは、望んでいないことや嫌なことを女性だという理由で強いられることです。

強姦に遭うことも、セクハラをされることも、痴漢に遭うことも、犯罪に遭ったときに「あなたにも落ち度が」と言われることも、「子どもは産まないの?」と聞かれることも、見た目やスタイルについていわれることも、きれいであることを他人から強制されることも、仕事でヒールを履かなければいけないことも、お化粧をしなければいけないことも、入試で実際の点数より下にされることも、子どもを育てながら仕事をしたいと訴えるとわがままだといわれることも、「仕事をしたいなら家事育児を完璧にやってね」と言われることも……それは「その人だから」じゃない、「女性だから」されてきた差別です。男性がこのような目に遭ったり言われる確率は日本では女性より圧倒的に少ないんです。

私たちは、差別というものをあまりにも学ばずに来てしまったと思います。だからこんなに当たり前にヘイトスピーチが溢れ、それに対して怒る人が少ない、怒っている人をバカにするのだと思います。そして自分も平気でしてしまうし、まさか自分が差別をしているなんて思わないのではないでしょうか?

女性差別の話をすると「男対女の話にするな!」と言われますが、女性差別は男性が女性にするだけではないと思います。女性が女性に対して女性差別をしていることだって多々あります。自分が自分にしていることもあると思います。

写真AC

女性の「同じにして」を差別や優遇・わがままと感じるのはなぜ?

女性専用車両でもよく話題に出ますが、女性が男性と同じになろうとすると必ず「逆差別」「女性優位」などと言われます。 女性専用車両は男性と同じように性犯罪に遭わずに電車に乗るためのものだし、今回のヒール・パンプスだって男性と同じようにつま先のつまった靴やヒールのある靴を履かなくてもよい状態で働ける権利が欲しいわけです。

今のように割合として男性よりも女性の方が性犯罪に遭いやすい状態、女性の方がヒールやパンプスを履いて仕事をしなければいけない状態、この状態を男女は平等だと思っているから、本当に女性が男性と同じところに来たときに違和感を感じ、男性より上になったような気になってしまうのではないでしょうか。

男性もつらい思いをしているなら、私たちが声をあげたときだけでなくもっと意見を言って欲しい。
女性がオフィスカジュアルで男性はスーツ指定・女性は髪型自由で男性はダメ、これらは私のヒールやパンプスの問題と同じものだと思います。

私は男性にそのように言われたら、「そうだよね、なんで女性は茶髪にしてよくて男性はダメなんだろうね」となります。 男性が私たちと同じようにスーツを脱いでオフィスカジュアルで出勤して来たり、同じように髪の毛を茶色にして来ても私たちは何も困らないからです。

私たちと同じことができるようになっただけなのですから。ただ、「あんたたちそれで怪我したりしてなくね?」とは思いますが、まず人の話を聞け!会話泥棒め!と私は思ってしまいます。

どんな場所でも人が話しているのに自分の話にすり替えてしまう人は嫌われるのではないでしょうか。
みんなが働きやすい環境を作っていくことはもちろん最終的な目標です。

ですがその前段階にある性差別をなかったことにしてそれを目指すのは、どこかでまたひずみが生まれるのではないか。私はそう感じたので、男性との話を出しました。

最後に――。
これは、決してパンプスやハイヒール・美しくありたい女性を否定しているものでは決してありません。それを自分で選択できる権利を、と願っています。

美しく、可愛くいたい人たちがいる。だけれどそれは他人に強要されるものではなく、自分が自分のためにすることです。(強要されることが幸せな人はそれで良いですが)「女性だから」という理由で綺麗でいることを求められることにうんざりしている人間も少なくないこと、もっと知ってもらえたら嬉しいです。

石川優実
グラビアアイドル、女優。
1987年1月1日生まれ。愛知県生まれの岐阜県多治見市育ち。2004年、高校3年生の時に名古屋市内でスカウトされ芸能界入り。"お菓子系アイドル"として主に"お菓子系雑誌"のグラビアで活躍する。美少女グラビア雑誌「クリーム」が行った総選挙で1位を獲得。2008年に上京後、事務所を辞め一時、フリーで活動したことがある。2014年に映画「女の穴」で映画初主演、2016年には「誘惑は嵐の夜に」にも出演している他、イメージビデオは30本以上発売している。現在は、映画や舞台など女優としての活動する傍ら、「#MeToo」運動にも積極的に参加している。

あわせて読みたい

「KuToo」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。