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パスポート返納期限は5分!? フリー記者・常岡さん「出国禁止」の異様さ(渡部睦美)

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外務省からファックスで送られてきたという「返納命令書」。(撮影/常岡浩介)

内戦が続くイエメンで飢餓の実態を取材しようとしていたフリージャーナリストの常岡浩介さん(49歳)が外務省から旅券返納命令を出され、出国を阻止された。ジャーナリストへの返納命令は2件目で、いずれもフリーが対象にされている。根拠は旅券法だが、憲法が保障する海外渡航の自由を侵害しているなどの批判や、海外取材の萎縮につながるとの懸念が出ている。

常岡さんは昨年12月、イエメンのビザを取得した後、経由地オマーンのビザも取得。取材の手はずを整え、今年1月中旬にオマーンへ向かったが入国拒否された。常岡さんによると、「オマーンの入管(入国管理局)で働く友人に問い合わせたところ、入国拒否の背後で動いたのはオマーンの警察で、それは日本大使館が私に関する情報を警察に提供したためだと説明された」という。

【警察からの「行動確認」】

強制送還され帰国した常岡さんは、経由地をスーダンに変える計画を立て、1月30日にスーダンのビザを取得した。すると翌日の31日、常岡さんの妻の家に制服警官がやってきて「旦那さんは?」と尋ねてきたという。翌2月1日には、常岡さんのもとに警察から電話があり、出張の予定を聞かれるなど「行動確認」された。そうして出発日の2月2日、常岡さんが羽田空港の出国審査場を訪れると、「自動化ゲート」を通れず、画面には、「パスポート情報は登録されていません」との説明が映し出された。入管職員が外務省に問い合わせると、旅券返納命令が出ていることが判明。その場でファクスで命令書を受け取った常岡さんは、電話越しで外務省から説明を受けた。

命令書には、「当該旅券が下記期限内に返納されなかったときは、その効力を失う」と書かれていたが、ファクスが送られてきたのは午後11時15分、返納期限はその5分後の午後11時20分だった。そもそも、自動化ゲートを通った時点でパスポートは無効化されていたので、実際はわずか5分の返納期限すら存在していなかったことになる。常岡さんが返納命令を拒否すると告げると、外務省は「警察への通報を検討します」と述べたという。旅券法第23条によると、命令に従わない者は「五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金」に処される可能性がある。

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