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野田内閣+原子力安全・保安院+関西電力+経団連=新原子力ムラの大飯原発再稼動は完全な出来レースだ!

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(関西電力大飯原発3号機・4号機 福井県おおい町で1月撮影 2012年 ロイター/Issei Kato)

野田内閣が大飯原発3号機・4号機の再稼働を検討する4閣僚会議を開催したのが、4月3日のことでした。

この初日の会合で、野田総理が枝野経産相に、原発の新安全基準の提出を命じました。

なんと、二日後の4月5日にはなぜかこの新安全基準が出来上がってきます。

そして、新たな安全基準がまとまったことを受けて、関西電力は土日を挟んで四日後の4月9日月曜日には午前、具体的な安全対策の内容や実施時期を示した工程表を枝野経済産業大臣に提出しました。

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(関西電力の八木誠社長(左)は9日午前、枝野幸男経済産業相に経産省で会い、再稼働を目指す大飯原発3、4号機の安全性向上策をまとめた工程表を提出した)

これを受けて、米倉弘昌経団連会長は9日の会見で、政府が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向けた検討に入ったことに対し

「電力の安定供給は極めて重要で、政治決断がされ、地元の理解を求める段取りになったのは大きな前進だ」

と評価しました。

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これについて原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は、
「すでに緊急安全対策やストレステストの1次評価で評価を終えている対策を確認する作業には時間はかからず対応できる」

と述べ、9日午後7時から開かれる関係閣僚会議で、関電の工程表は妥当であると報告しました。

そして、野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係4閣僚による第4回会合が9日夜開かれ、関電が同日提出した大飯原発の中長期の安全対策の実施計画(工程 表)などを「再稼働基準におおむね適合している」と確認しました。

まとめると、4月3日に野田首相が新安全基準作成指示。5日午前に保安院が安全基準完成し同日夜に枝野経産相が閣僚会議に提出。9日午前には関電が新安全基準に沿った工程表を作成。午後には保安院がこの工程表を妥当と認め、夜には政府がこの工程表は安全基準=再稼動基準に適合していると認めたわけです。

・・・なんですか、この儀式は?

どうよ、この段取りの良さ!

原発推進派の原子力村=核マフィアを構成する政界、財界、官僚のなんと見事なコンビネーションでしょうか。サル以下の反省のなさに呆れてものも言えません(言ってますが)。

いきなり出来てきた新「安全」基準は大飯原発が再稼働できるように作ったご都合主義の産物だ!

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これでは検討時間の点だけみても、まるで実質的な検討になっていないのは明らかではないですか。

こういうのは審査とか検討ではなくて、出来レース、はっきり言って、「八百長」というんですよ、世間では。

ただ、拙速な判断に対する批判があることを考慮し、9日は再稼働の判断を先送りましたが、今週中には枝野経産相が西井福井県知事に会うというのですから、これほどの拙速もないでしょう。

原子力学・使用済核燃料管理・プルトニウム処分問題が専門の明治大学の勝田忠広准教授が

「政府が指示を出してから関西電力が工程表を出すまであまりにも短すぎて不安だ。政治家が集まって急に短期間で判断した印象で、論理的に不透明な状態で判断を下すのはよくない」

と指摘されているのは当然のことと言えます。

原発依存度全国一でありながら稼働原発ゼロになっても大丈夫という状態が続いている関電も、全国で原発ゼロが目前の政府も、とにかく原発ゼロ社会が現実に実現するのを阻止しようと必死です。

原子力発電依存度No.1の関西電力原発11基全停止 原発ゼロ社会は「やればできる!必ずできる!」

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関西電力が提出した安全対策の工程表には、「ストレステスト」の審査や福島第一原発事故の検証過程で明らかになった安全上の課題について、合わせて91項目に上る対策の内容や実施時期が示されていますが、このうち37項目はまだ対策が実施されていません。

例えば、福島第1原発事故で発電所の対策本部は「免震重要棟」という独立した建物の中に設けられ、さらなる大事故の拡大を防ぐ鍵となりましたが、大飯原発にはこの免震棟がありません!

前倒ししても3年後の平成27年まで完成出来ないのだそうです。完成するまでは中央制御室の横にある会議室を事故の対応拠点として使用することにしています。

だから~~、免震棟じゃないと地震に耐えられないから、免震施設が必要なんでしょうが!

だいたい、この会議室に入れるのは最大で50人ほどでスペースがまるで不十分です。

しかもこの会議室は原子炉建屋の隣!にあり、深刻な事故が起きた場合、近づくことが出来るかさえ分からないのです。少なくとも、放射線の影響を受けずに長期間に及ぶ事故対応ができるわけもありません。

これで、福島原発事故のような「過酷事故」に対する安全対策が「安全基準を満たしている」とどうして言えますか?

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(関西電力大飯原発3号機・4号機)

ほかにも、大飯原発には緊急時に格納容器の圧力を下げるベントの設備が設置されていないのですが、外部への放射性物質の放出を抑えるフィルターが付いたベントの設備も平成27年完成予定です。

津波を防ぐ防波堤のかさ上げは来年度末までに完了させる予定だというのです。

大飯原発を再稼働して、来年とか3年後とかまで地震や津波がないだなんて、誰が言えるんですか。どうして、1度「想定外」のことが起きたのに、まだ懲りないんですか?

前述の保安院の森山対策監は

「より一層の安全を高めることは大切だが、緊急安全対策やストレステストの1次評価を踏まえた対策をしていれば福島第一原発事故のような地震や津波が来ても事故を防ぐ一定の対策ができていると理解している」

と述べていますが、あんたらが対策が出来ているとしてきた福島原発で大事故が起こったんだってば!

やらせミーティングを開いてまで原発を推進し、事故が起き、その処理でも有害無益でかつ無能である事が露呈して解体が決まっている保安院の言うことに全く説得力はありませんし、もう原発の安全対策に関して物を言う資格もないのです。

保安院のやらせを産んだ原発推進利権 自民党・経産省・財界・マスメディア・自治体の癒着の構造

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このような保安院のありかた、そして政府の原発再稼働のやり口に、前述の勝田忠広准教授は

「事故のときに指令を出す一番重要な免震棟が先延ばしにされているうえ、フィルターが付いたベントの設備も、福島第一原発の事 故で教訓になったが先延ばしされている。本当に事故が起きたときに、福島の事故から学んだ対策が取れるのか疑問を覚える」
「免震棟などの設備を最低限確保し、その技術を使いこなせる訓練を終えて、そのうえで防災対策をどうするかを決めてから『大丈夫』となったら運転再開を判断すべきだ」

と批判しておられるのは当然のことです。

日本国民はこんな八百長、やらせ、出来レース・・・をむざむざと受け入れて、まんまと原発再稼働を許してしまうのでしょうか。

我々の民度が試される正念場に来ています。

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