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賃金と物価の関係についての補足

前回のエントリーに関連し、所定内給与と消費者物価の関係について、若干コメントを追加する。

散布図の点は、このところ過去のトレンド線(緑色)から左上方向へ離れる傾向があり、賃金の伸びよりも物価の伸びの勢いが強いことを示している。実質賃金の伸びの弱さを指摘する向きがあるが、この事実はそれと整合的である。しかしながら、散布図の点が向かうのは右上方向であり、グラフは同時に「経済の好循環」が進展していることも示している。すなわち、賃金と物価がともに上昇傾向を続ける限り「経済の好循環」は持続的で、

(×)実質賃金の弱さ→いわゆる「アベノミクス」の失敗

という論理・理屈は成立しない。一方で、賃金の伸びよりも物価の伸びの勢いが強いことは、家計の負担が高まることを意味する。すなわち、

(〇)実質賃金の弱さ+消費税増税→家計に二重の負担→「経済の好循環」の抑制

という因果関係が成り立ち得ることは、十分留意すべきである。言うなれば、実質賃金の伸びが弱いことで困るのは、「アベノミクス」を推進する側ではなく、消費税増税を推進する側である。

なお、実質賃金の弱さを問題視すると同時に消費税増税に賛同する向きは、現在の経済情勢を念頭に置く限り、論理矛盾を来しているように思われる。

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