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スピルバーグ監督「Netflixはアカデミー賞の対象外に」 “劇場派”が反感持つ背景とは


 アカデミー賞をめぐる巨匠監督の動きが、映画業界に波紋を広げている。

 「第91回アカデミー賞」で、監督賞など3部門を受賞したNetflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』。同作について、スティーブン・スピルバーグ監督は「ストリーミング配信される映画『ROMA/ローマ』などは、アカデミー賞の対象から除外すべき。エミー賞が相応しい」と発言したという。「アカデミー賞」を主催する映画芸術科学アカデミーの4月の理事会で提案するのではないかと言われている。

 「アカデミー賞」は、劇場公開された映画の中から優れた作品や監督などに対して与えられる賞。一方の「エミー賞」は、テレビ界において優れた業績をあげた番組や俳優などに与えられる賞だ。2018年3月の英テレビのインタビューでスピルバーグ監督は「テレビの体裁で作った作品はテレビ番組。少しばかり劇場で上映したところでアカデミ賞の対象にすべきでない。私の新作もNetflixでなく劇場で見てもらいたい」と答えていた。


 しかしこれには反発の声もあがり、俳優のブルース・キャンベルはTwitterで「『ROMA/ローマ』はテレビ映画じゃない。どこで観ても感動的な作品。プラットフォームは関係ない」と主張。映画監督のエイヴァ・デュヴァーネイは「(理事会で)私のようにスピルバーグ監督の考えに反対する監督からの声明が読み上げられることを願う」としている。また、当のNetflixは「We love cinema.」との書き出しで、「(1)映画館のない町にも作品が届く、(2)誰でもどこでも同時に作品を楽しめる、(3)映画制作者の芸術を人々に共有するために更なる選択肢を提供できる」とコメントを表明した。


 スピルバーグ監督はなぜこのような主張をするのか。アメリカの映画業界に詳しい朝日新聞記者の藤えりか氏は「背景に劇場やスタジオの根強い反感がある。Netflixはネット配信で稼いでいるため、劇場公開は限定的。『これでは劇場離れが加速する』という懸念から、劇場や劇場と関係の深いスタジオが反発している」と解説。スピルバーグ監督は筋金入りの劇場派だということだ。


 さらに、Netflixは映画人を救い業界を発展させる役割を担っているとし、「既存のスタジオだとゴーサインが出ないような冒険的なテーマや、有色人種・女性の監督・キャストの企画にも、Netflixだと予算がつくことが多い。(私見だが)すでに成功した業界の重鎮であるスピルバーグ監督は、いかにNetflixが彼らの助けになっているかよくわかっていないのではないか」との見方を示した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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