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第376号(2019年3月7日)

 3月1日(金)深夜2時過ぎ、ということは2日未明に来年度本予算が衆議院を可決通過致しました。野党は審議を遅らせる為に、閣僚や委員長の不信任決議案を本会議に上程するのが常套手段ですが、今回も根本厚労大臣の不信任決議案を予算案審議の最終場面で出してきました。不信任決議案に対する野党の賛成討論や与党の反対討論は時間が10分前後と議院運営委員会で定められますが、野党が読み上げる提案理由説明には時間制限をかけることはできません。勢い野党は2時間も3時間も議事と直接関係ないことまで延々と持ち出し、嫌がらせの引き延ばし演説を図ります。

そのくせ、『夜半の審議は働き方改革の手前、残りは週明けに廻しましょう。』と、うそぶいてきます。通常国会の150日の会期幅には土日もカウントされていますので、土日は休んで月曜日からではなく、土曜の朝からやればいいはずです。しかし、そんな提案は当の野党から聞いたことはありません。足をすくうための話術にだけ長けているようでは、政権を担当させる党としての信頼性は決して芽生えてこない、ということをそろそろ悟るべきです。

 毎月勤労統計は、厚労省が毎月行う事業所の賃金や労働時間等の実態を調査し、経済実態の変動を見る政府の統計です。それを参考にしつつ、政府は経済・社会保障政策を進めていきます。統計とは、全体の縮図となる調査ですから、全数をとる必要はありませんし、全数をとるとなると時間もお金も莫大にかかります。それは統計とは呼びません。今回は、一部の全数調査部分をサンプル調査に変更した事が問題視されましたが、統計学上は問題ありません。要は、「縮図」となる作業(修正値をかける等)がきちんと行われたかという部分と、「変更」がきちんと上に報告されたかの2点です。そしてそれは、貴重な予算委員会の審議の大層を使ってしまう様な事ではないのです。まして、アベノミクスを成功したかの様に見せる偽装などと言うのは言語道断です。

野党がどんな屁理屈をつけようが、民主党政権時代の魔の3年間の方が良かった、などと思っている識者は皆無に等しいでしょう。古い統計だろうと、新しい統計だろうとグラフ化して見れば、あらゆる経済指標でアベノミクスは民主党政権時代を凌駕しているのは疑う余地はありません。若者の支持率が高いのも、民主党政権時代の「大学は出たものの、就職が出来ない」の不安から解放されたからなのです。ドックイヤーを上回るスピード、つまり、かつての10年が今では1年で起こる変化の様に、あらゆる分野の変革が高速化していく中、朝から晩までなんでも反対の議論を展開している国会では、とてもこの変化のスピードについていけません。「もっとやるべきことがあるだろう!」国会審議に対して、憤りを感じている人は多々あるはずです。

 昨年10月、親しくしている日経新聞の記者から「先生が従来から国会レポートで警鐘を鳴らしているデータ覇権主義について記事にさせてください。」と問い合わせがありました。遅きに失したくらいだと思いましたが、もちろん承諾しました。後日、日経新聞に掲載された記事は極めて大きな反響を呼び、1、2ヶ月後に数紙の一面トップを飾る記事になりました。データ覇権システムはその進展スピードが国家体制と表裏一体です。つまり、民主主義国家における進展スピードは極めて遅く、独裁国家における敷設スピードは極めて速く、独裁国家と親和性があります。民主主義国家の日本はただでさえスピードが遅いのに、国会の危機感の欠如はそのスピードを更に鈍化させ絶望的にすらなります。唯一の日本の武器は、混沌とした世界政治の中で世界に誇る(日商会長談)長期安定政権だということを有権者は知りません。

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