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焦点:対米交渉、中国が構造改革圧力を「断固拒否」する可能性


[北京 4日 ロイター] - 中国は米国との貿易協議で合意する場合、全体的な外交関係の安定化を狙って何らかの譲歩をするだろう。しかしたとえ引き続き追加関税を課せられることになっても、自国の経済モデルを抜本的に変えろという米国側の要求に応じる公算は乏しい。

多くの貿易専門家からは、こうした声が聞かれる。

トランプ米大統領は合意内容が適切でなければ協議を決裂させると警告しているが、交渉担当者は協議でかなりの進展が見られたと強調した。一方、中国ではこうした米側の楽観論は、3月1日の追加関税発動期限延期に続いてトランプ政権が姿勢を軟化させている証拠だとみなされている。

そうした点も含めて中国が行う譲歩は、米国が求める構造改革の面で不十分となりそうだ。中国の専門家は、何十年にもわたる国家計画が一朝一夕に改まることはないと主張。また習近平国家主席が国内で直面している政治的な現実に照らせば、貿易摩擦が長引くことに伴う中国経済への短期的な悪影響に対処する方が、トランプ氏に屈従する態度を取るよりもまだしも受け入れられる。

中国政府高官の1人はロイターに、国内改革は長い道のりをたどる必要があると述べつつ、「米国が自分たちの利益に基づいて全面的な制約や圧力を課してくるなら、中国は決してそれを容認しない」と断言した。

北京大学の貿易専門家、Tu Xinquan氏は、中国の国有企業の役割をはじめとする中核的な産業政策を見直せという米国の要求は、習近平氏にとって同意するのは難しいとみている。

習近平氏は、米国製品の購入拡大や知的財産権の保護改善などではトランプ氏に「目に見える形の政治的に影響力を行使する約束」までするだろうが、米国にとってより存在感の大きい脅威である技術移転強要の検証可能な取り締まりや、国有企業の活動の大幅な制限といった対応は示しそうにない。

Tu氏は「中国モデルの根幹部分を関わる問題は先送りされる」と説明した。

<落としどころ>

米中協議を巡っては、まだ正式発表はないものの今月下旬に習近平氏がフロリダ州にあるトランプ氏の別荘を訪れ、最終合意をまとめる可能性があるとの観測が広がっている。

中国側はある程度の譲歩には前向きだ。米政府が同盟国に華為技術(ファーウェイ)製品の排除を呼び掛けるなど、中国への風当たりが世界的に広がる恐れがある中で、米国との関係を安定させればそうした流れを防ぐことができるという思惑がある。

Tu氏は「われわれは摩擦が他の地域に拡大し、中国と西側全体の関係が損なわれる事態を恐れている。だからわれわれは米国との諸問題を全面的に解決できなくとも、制御し、鎮静化させたい」と話す。

複数の中国の貿易専門家によると、同国としては米国製品購入拡大や知的財産権保護強化、世界貿易機関(WTO)での補助金報告制度改善に取り組むと約束すれば、暫定的な合意にこぎ着けられると期待している。

政府系シンクタンク、中国国際経済交流センターの研究員Zhang Huanbo氏は、中国は補助金撤廃は飲めないが、市場を歪めている補助金をWTOのルールに沿う形に修正するとの見通しを示した。また習近平氏は、サービス産業や農産物の市場アクセス拡大を認める余地もあるだろう。

とはいえ中国人民大学米国研究所の時殷弘所長は、それ以上に中国を対外開放すれば「自らの基本的な尊厳や権威」に立ち入ることになると解説するとともに「中国が米国にあまりにも譲歩し過ぎれば、国内経済に混乱を生み出すかもしれない。さらに共産党の党員や国民にどう説明をすれば良いのだろうか」と語った。

(Michael Martina記者)

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