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【読書感想】売れるキャラクター戦略~“即死”“ゾンビ化”させない~

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売れるキャラクター戦略?“即死”“ゾンビ化”させない? (光文社新書)

Kindle版もあります。


売れるキャラクター戦略?“即死”“ゾンビ化”させない? (光文社新書)

内容(「BOOK」データベースより)
「キャラクター大国ニッポン」と言われて久しい。しかし、世界に羽ばたく超人気キャラクターはそのなかのごくわずかである。ほとんどは「キャラクターがブームだから」という理由で生み出されて、またたく間に忘れられていく。その状態を著者は“ゾンビ化”と呼ぶ。もっと“生きたキャラクター”を増やして個人や企業、社会に貢献させることができれば、明るい未来になるのではないか―。「コアラのマーチ」の人気CMシリーズをはじめ、いくつものキャラクター制作、運営に関わってきた経験から、“ゾンビ化”させないで成長させる戦略を伝授する。

 「ゆるキャラ」ブームなどもあり、世の中には、多くの「キャラクター」が溢れています。
 しかしながら、生み出される数に比べて、活かされているキャラクターは、ごくわずかなんですよね。
 各地方自治体には「ふなっしー」や「ひこにゃん」に触発されてつくられたものの、イベントに登場しては子どもに泣かれ、着ぐるみが倉庫にしまい込まれたしまったキャラクターもたくさんありそうです。
 そもそも、ただでさえ「定番キャラクター」がたくさんあるのですから、新規参入するのはすごく難しい世界でもあるんですよね。

 私は二十年以上にわたって、キャラクターのパワーを肌で感じる仕事をしています。
 大手広告代理店のクリエイティブディレクター(制作チームの総責任者)としてキャラクター広告キャンペーンを担当し、企業や団体のためにキャラクターをゼロから開発するプロジェクトにも関わってきました。絵本やゲームなどの制作にも関わり、コミックを連載し、有名クリエイターの方々と作品のコラボレーションもしています。また、ある時は個人の作家としてキャラクターを生み出し、webサイトや雑誌で発信をしていました。
 通常、キャラクターコンテンツに関わる仕事は、固定の役割を担うことが多く、私のように、さまざまな役割を担いながら作り手の立場にいるのは珍しいことだそうです。長期間途切れることなくさまざまな立場でキャラクタービジネスに関わってこられたことは、大変貴重な体験でした。


 なかでも、広告代理店時代に二十年近く担当させていただいた「コアラのマーチ」は、キャラクターを使った表現に深くハマっていくきっかけでもありました。

 著者は、広告代理店に勤めていた際から、「キャラクタービジネス」に深く関わってきたのです。
 CMでメインのキャラクターが注意すべきこととして、こんな話が紹介されています。

 マーチくんがCMで話すのは、他愛もないことばかり。幼くてかわいい小学生の男の子のような存在にして、見る人と「友達」にすることを目的にしていたからです。そのためCMであっても、メインのキャラクターには広告的なメッセージを極力語らせていません。CM好感度調査でも、キャラクターが「キャンペーン実施中」や「新発売」といったメッセージをしゃべると、良い結果が出なかったことを踏まえています。王道、子供、天然のキャラクターが商業的なメッセージを語るのは、設定からねじれていることも明白です。これはCMだけに限りません。印刷物などでも吹き出しで「買ってね」「キャンペーン実施中」などと書いた途端に、キャラクターは「友達」から「セールスマン」に変貌してしまうのです。
 最近、全く別の業界のお仕事でアドバイザーとして伺った企業では、「キャラクターにセールストークをさせてはいけない」という話をさせていただいたところ、「そう思っていたんですが、今まで説得材料がなかったんですよ」とおっしゃっていました。

 実際にこういうデータがちゃんとあるんですね。
 視聴者は、キャラクターの「ふるまい」をちゃんとみていて、「利益誘導型」だと、そのキャラクターにも、宣伝しようとしているものにも好感を抱かなくなるのです。
 宣伝のためには、あえて、キャラクターに直接宣伝させないことが大事なのか……
 こういうのって、知らない人も多いのではなかろうか。

 この新書のなかでは、オリジナルキャラクターの設定のしかた(どこまで決めておけばいいのか)、キャラクターを使うメリット(子供向けのCMでは、キャラクターのほうがウケるのではないかと思われがちですが、実際は人間のタレントさんを使ったほうが効果的な場合も少なくないそうです)、企業キャラクターの原点に「縁起物」があるのではないか、などとさまざまな視点で「キャラクタービジネス」が語られています。
 あまりに「ビジネス色が強すぎる」と、かえって敬遠されてしまう、ということも含めて。

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