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妊娠・出産・産後を通した一対一の継続ケアを求めて、「My助産師制度」を提唱

『出産ケア政策会議』画像1

妊娠・出産は、親となるための大切な道のりです。しかし、今の周産期ケアは妊婦を「患者」として「管理」し、妊婦とそのパートナーが「親」として成長する機会を奪ってはいないでしょうか。そこで今回は、親となる道のりに寄り添い、伴走する「My助産師制度」の可能性について考察していきます。

この「My助産師制度」について提唱しているのが、一昨年5月から集中的に出産や助産師の現状や課題を考え、改善策の模索を重ねてきた当事者の親と助産師のグループ『出産ケア政策会議』です。医師が治療を専門とするのに対し、助産師は妊娠や出産、産後、新生児のケアや女性の性的健康を支える専門職です。つまり助産師は「女性にもともと備わった力を最大限に引き出すサポート役」とも言える存在なのです。

妊産婦ではなく出産施設に合わせて働く現状

助産師の役割は、母子の生理的機能を最大限に発揮させることにありますが、それだけではありません。たとえ予期せぬ結果になったとしても、それを受け容れることができるまで、親となる人に寄り添うことも助産師の重要な役割です。妊娠・出産において、これまで経験したことのない難しい決断に迫られることがあります。そんなときに、親となる人の戸惑いや迷いに寄り添い、潜在的な意思決定力を最大限に発揮させることも助産師の役割なのです。

助産師がこのような役割を果たすには、妊娠初期から出産・産後にかけて、妊婦が選んだ同一の助産師が継続してケアを行ない、妊産婦やパートナーとの間に信頼関係を築く必要があります。なぜなら、親となる人は、自分の個性が認められ、安心して挑戦できる心境になるまで見守られてこそ、潜在能力を発揮させ、意思決定が行えるようになるからです。

しかし、交替制勤務で働かざるをえない現状では、同じ助産師が妊娠初期から出産・産後にかけて継続してケアを行なうことが難しいのです。交替制勤務を抜本的に見直し、出産施設に合わせるのではなく、妊産婦に合わせた働き方に改善する必要があります。このように『出産ケア政策会議』では、助産師が本来の役割を果たせるように「My助産師制度」を提言しているのです。

同じ助産師による妊娠・出産・産後を通した一対一の継続ケア

『出産ケア政策会議』画像2

それでは次に『出産ケア政策会議』が提唱している「My助産師制度」の具体的な中身を見ていきます。「My助産師制度」とは、妊婦が選んだ同じ助産師、または少人数の助産師チーム(その場合でもマイ助産師をひとり特定する)が、ひとりの妊婦の妊娠初期から、陣痛・出産、産後(6ヶ月~ 1年)のケアを継続して提供するための制度です。

この制度であれば出産場所やリスクの程度に関係なく、すべての妊婦がMy助産師を選ぶことができます。 My助産師は、整備されたバックアップ体制のもとでケアを提供し、状況に合わせて、他の助産師や医師・看護師・保健師・ソーシャルワーカー等の他職種と協働しながら、その妊産婦や母親に必要なケアを提供します。

しかし、この制度を実現させるためには、助産師の実践能力の向上と助産師数の確保が不可欠です。日本の助産教育は世界基準を満たしていません。卒業時の実践能力の低さからも、助産師の基礎教育・卒後研修等の抜本的な見直しと改善が必要です。

また、My助産師の自律的な活動を支えるための医療連携とバックアップ体制の整備は必須です。妊産婦にとって切れ目のない継続ケアを保障するために、My助産師が利用できるオープンシステムの推進・整備、専門家同士の顔の見える連携やネットワーク構築も欠かせません。

日本の出産・育児の課題を解決するために

『出産ケア政策会議』集合写真

昨今、日本では少子化、産後うつ、虐待など子育てに関わる課題が山積しています。今こそ親となる人を大切にした出産ケアのあり方を制度・政策面から支えるために、当事者である親とケアの提供者である助産師が協働して、出産ケアにかかわる法律や制度、政策を見直し、親となる人のニーズに沿った政策転換を目指していく必要があるのではないでしょうか。

3月15日と16日には『出産ケア政策会議』主催の「成果報告・勉強会」も開催されます。今年度、メンバーそれぞれが「My助産師制度」の実現に向けて、1.自治体等での「My助産師」に繋がるモデル事業の取り組みや成功例の発掘、2.病院や診療所、助産院を利用して行うオープンシステムの開拓や促進、3.病院内でのMy助産師の促進、4.助産教育の見直し(ダイレクトエントリー助産教育導入の模索)、5.キャンペーンなどの企画、を行なってきた成果を報告するそうです。また、My助産師のケアを受けた母親と父親が体験談を紹介するそうです。ぜひ、一緒に政策的な視点で出産ケアについて考えてみませんか。

※Yahoo!ニュースからの転載

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