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【大飯原発・再稼働】 関電社長「ベントフィルターは念のため」 世界最高の安全水準!?

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「安全対策工程表」提出のために経産省を訪れた関西電力の八木誠社長(左)。=9日、経産省本館。撮影:筆者=


 大飯原発の再稼働に向けた茶番劇がクライマックスを迎えつつある。関西電力の八木誠社長がきょう午前、再稼働の条件となる「安全対策工程表」を枝野幸男・経産相に提出した。

 工程表は八木社長が大臣室で枝野経産相に直接手渡しした。記者クラブ員以外は大臣室に入れなかったため、八木社長と枝野大臣のやりとりは聞いていないが、工程表は入手することができた。

 「外部電源の耐震性・信頼性の向上」「可搬式給水設備による代替の冷却・注水機能の強化」……“世界最高水準の安全対策”との触れ込みまで付けているが、子供だましという他ない。

 ベントフィルターや防潮堤のかさ上げなど肝心要の安全対策は未だなのである。政府から提出を指示され、わずか3日で仕上げた拙速感は否めない。野田政権と電力業界との間で再稼働に向けた「打ち合わせ」ができているため、それでも政府が受け取るのだろう。

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これが「安全対策工程表」だ。“世界最高水準”の触れ込みには唖然とする他ない。=撮影:筆者=


 きっかり30分で枝野大臣との話を終えた八木社長は、ぶら下がり記者会見に応じた―

記者クラブ:これ(工程表提出)で大飯原発の安全性が確保されたと思うか?

八木社長:「当社の自主的な取組みにより福島事故と同様の事故に至らない安全性は確保されたと思っているが…(中略)…原子力発電所の安全性を経営の最重要課題と位置付けて、世界最高水準の安全性の確保を目指して頑張っていく」

筆者:ベントフィルターはまだ設置されていない。それまでに事故が起きたらどうするのか?

八木社長:「ベントフィルターについては念のために設置するという考え方だ。PWR(加圧水型)の格納容器は非常に大きく、除熱機能を高めるために非常用発電機を置き、海水ポンプを置いた。そうしたことによって格納容器の内圧が高くならないような方策が取られている。放射性物質を閉じ込めることが可能となっている」

筆者:社長は「福島の事故のようにはならない」と仰ったが、ベントフィルターがないのは福島原発と同じではないか?

八木社長:「ベントフィルターは念のために、さらなる安全性向上のために設置するもの」

筆者:防潮堤の完成前に大津波が来たら、どうするのか?

八木社長:「冷却機能と電源機能が同時に失われないように多様性と多機能性を図るということで、いろんな対策をしている」。

 “ベントフィルターは念のため”という、この御仁の発想には驚いた。格納容器からは放射能が漏れないと信じ込んでいるのである。大津波で潮をどっぷりとかぶった後も電気系統がまともに作動すると過信しているようだ。

 「安全神話」から抜け出せない電力業界の主張を政府が受け入れ、再稼働を認めれば、福島の大惨事がまた繰り返される。

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