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大気汚染が深刻・長期化、春の韓国は避けるべき

 韓国メディアは4日、PM2.5の緊急低減措置がソウル首都圏で初めて4日連続で発令と報じました。地域により中国の汚染を思わせるレベルに上昇、3-5月は平年より温暖で風が吹かず最悪の状況が長引きそうです。kmib.co.krは《午前10時現在、ソウル永登浦測定所でPM2.5濃度は非常に高いレベルである162マイクログラム/立方メートルと測定された。いつもより7倍高い数値だ》と報じました。


 日本国内の環境基準ではPM2.5の1日平均濃度は「35」以下です。ところがソウルでは連休の4月1日「84」、2日「85」、3日「77」と2倍以上を記録し続けました。4日も5日も、さらに6日も汚染はこれに続くと想定されています。瞬間的に高い数値が出るのではなく、持続しているので耐え難いと感じるはずです。ただ4日は新学期の始まる日だったために休校や休園は避けられました。

 1日付のsisajournal.comの《3-5月に最悪の微細粉塵が来る》(韓国語)が現在、発生している汚染長期化をもたらす気象メカニズムを解説しています。  
《問題は3月から5月中旬までの春である。この時期の気温は平年より高くなると予想される。移動性高気圧の影響を多く受けるということだ。朝鮮半島が移動性高気圧の影響を受けたとき、微細粉塵の濃度が高くなる。高気圧状態では、大気が安定になって霧をはさんで、地表面の空気が上層部に広がっていかない。地表面大気が上層部の空気と循環すると細かいホコリが希釈されるのに、そうはいかないということだ》
 
《第二の条件は、風である。移動性高気圧が居座れば風も弱くなる。風がほとんど吹かないため、微細粉塵が拡散していかない。空気が垂直にも水平にも移動できない気象条件が形成されて、朝鮮半島は微細粉塵に閉じ込められる状態になる。したがって今春、韓国の粉塵濃度は昨年・一昨年よりひどくなるだろう》
 PM2.5排出源が存在しても風が吹いて拡散してくれれば希釈されます。北京は南部の工業地帯などに膨大な排出源を抱えるものの、強い北風が吹いてくれれば青空を見られます。韓国にとってこの風が曲者で汚染物質を送ってきます。だから汚染は中国のせいだとの風潮でしたが、昨年の第574回「中国からではなく韓国のPM2.5大気汚染は国内発」で考え違いがあると指摘しました。膨大な数のクルマを持ち、火力発電依存が高まる現状では国内にも大きな汚染源があるはずです。

 2月末の《「微細粉塵=中国 」は間違っていた、環境省はなぜ国民をだました》(韓国語)が次のように伝えるなど見直しがされています。  
《国立環境科学院が最近公開した「2015年国家大気汚染物質の排出量」の統計資料によると、2015年の国内微細粉塵(PM10)の総排出量は23万3177トンで、1年前の2014年の排出量9万7918トンよりおよそ2.3倍高いと修正された。PM2.5も同じだ。2015年全体の排出量が9万8806トンで、2014年6万3286トンの1.6倍だった。

1年間で排出量が急増したのではない。PM10(微細粉塵)に、これまでの集計に含まれていなかった手抜きほこり(飛散ダスト)と生物燃焼で排出されるダストなどが新たに追加されたためである。肉・魚焼きから排出されるPM2.5(超微細粉塵)も統計で抜けていた。これまで国立環境科学院が韓国汚染物質の排出量を大幅に過小評価してきた》
 隣国中国と国内に問題排出源があって空気が澱んでしまう韓国の春。日本も時々は影響を受けるのですが、長く持続する事態は無いのでやり過ごせます。

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