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オーストラリアで「フェス戦争」勃発、政治問題に発展

シドニーのハイドパークで行われたDon’t Kill Live Musicデモ行進にて、ニュー・サウス・ウェルズ州のグラディス・ベレジクリアン首相に反対する抗議プラカード 「音楽フェスティバルの消滅」を恐れ、ニュー・サウス・ウェルズ州が打ち出したライブ公演に対する新条約に反対の声を上げるフェスティバルの主催者たち(Toby Forage/SOPA Images/LightRocket/Getty Images)

「音楽フェスティバルの消滅」を懸念するフェスティバルの主催者らが、ライブ公演を規制するニュー・サウス・ウェルズ州の新条例に抗議した。

オーストラリア、ニュー・サウス・ウェルズ州に広がるフェス文化は、大勢の音楽ファンから愛されている。だが、政治家たちは危険視しているようだ。地元の音楽フェスティバルで若者やドラッグの過剰摂取がらみの死亡事故がたてつづけに発生したのをうけ、政府は新たな条例を制定し、フェスティバルの主催者にライセンスの取得と、厳しい安全基準の順守を義務付けた――主催者らはこれを音楽シーンに対する「真の脅威だ」として、反対の声を上げている。

オーストラリアの音楽フェスティバルの主催者たちは共同で声明を発表し、3月1日から施行予定の条例は出費がかさみ、罰則も厳しいため、国内初の「音楽フェスティバル消滅地域」を生むことになるだろう、と主張した。新条例のもとでは、フェスティバル側は個々に酒販免許を取得し、無料給水所など安全対策を講じたうえ、健康上の危険がないことを何らかの方法で証明しないと許認可を受けられない。フェスティバル側の言い分は、ニュー・サウス・ウェルズのライブ音楽市場は国内最大規模であり、現状で年間3億2500万ドルの経済効果を国にもたらしているという。だが、新条約を順守しようとすれば公演のたびに莫大な費用がかかるため、実質的に公演を中止せざるを得ない。

「なぜそこまでして、我々の業界をつぶそうと躍起になるのですか?」今回の政策に批判の声を上げるフェスティバルのひとつ、バイロン・ベイ・ブルー・フェスティバルのディレクターを務めるピーター・ノーブル氏は先週、ニュー・サウス・ウェルズ州政府にこのような書簡を送った。他のフェスティバル主催者も、ソーシャルメディアで音楽ファンらにデモ行進への参加を呼びかけた。だが、専門家らの意見をもとに新条例を策定したニュー・サウス・ウェルズ州のグラディス・ベレジクリアン首相は強硬姿勢を崩さず、月曜日には報道陣に対し、「政府を言い訳にするのはフェアとは言えません。若者の安全をないがしろにして、あぶく銭を稼ごうというのは許されません」と発言した。

ライブ音楽業界のリーダーたちは州政府職員と面会し、新条約の施行前に再交渉を試みた。だが、いわゆる「フェス戦争」ともいうべき騒動が勃発したのは州議会選挙前であることから、野党側もフェス文化に対し各々の見解を主張しはじめ、問題はさらに拡大した。ニュー・サウス・ウェルズ州の騒動が高まりを見せる中、世界の音楽フェスティバルマーケットが成熟した現代において、他の地域でも同じように安全性や責任問題の議論がもちあがるのは避けられそうもない。

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