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アングル:ロシア疑惑捜査、トランプ大統領を刑事訴追できるか


[ワシントン 26日 ロイター] - 米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査するモラー特別検察官は捜査報告書のとりまとめを進めており、トランプ氏の刑事訴追の有無が争点に浮上している。

米合衆国憲法は「重大な犯罪および非行」を犯した大統領は議会による弾劾で罷免できると定めている。しかし裁判で大統領の刑事責任を問えるかどうかについては記述がなく、最高裁判所もこの問題について見解を示していない。

一方、専門家によると、米司法省は数十年来、現職大統領は刑事訴追できないとの立場をとっている。

司法省の過去の方針などからトランプ氏の刑事訴追の可能性を探った。

●大統領の訴追に対する司法省の立場

司法省法律顧問局(OLC)は「ウォーターゲート事件」が佳境を迎えていた1973年に、現職大統領は訴追できないとする方針を定めた内部メモを採択した。ウォーターゲート事件は下院がニクソン大統領の弾劾手続きに入り、ニクソン氏が1974年に自ら辞任した。

司法省は現職大統領は訴追できないとする方針を2000年の内部メモで改めて確認した。このメモは、現職大統領の起訴や刑事訴追は憲法で認められていないとの結論に修正を加えるような判決はこの数年出ていないと指摘。大統領の刑事責任を問うことは憲法が定めた三権分立を犯す恐れがあると結論付けた。

多くの法律専門家によると、1973年と2000年の内部メモはモラー特別検察官を含む司法省の職員に対して拘束力を持つ。

しかし専門家の間には、米国の建国時に大統領を訴追から保護する条項が憲法に盛り込まれたかもしれなかったが、実際には採用は見送られており、訴追は可能だとの見方もある。この見解によれば、大統領の訴追免除は「法の下の平等」という精神に反する。

●モラー氏はトランプ氏の訴追が可能か

可能だ。モラー特別検察官の任命に関する司法省の規定は、モラー氏が「特別な環境」において、司法長官の許可を得て司法省の政策方針から逸脱することを認めている。

現在のバー司法長官はトランプ氏が指名した。

専門家からは、モラー氏が重大な不正を発見し、「ねじれ状態」の議会がトランプ氏を追及するのは難しいと考えれば、この例外規定を発動する可能性があるとの声が出ている。また、モラー氏は普通の司法省職員ではなく、1973年と2000年の内部メモによる縛りは受けないとみる専門家もいる。

●トランプ氏が罷免後に訴追されることはあり得るか

あり得る。元大統領が在職時の不正に対して訴追を受けるのは論を待たない。

ただ、トランプ氏が2020年の大統領選で再選され、2025年1月までの次の任期を全うするならば、時効の規定がトランプ氏にとって有利に働くかもしれない。

連邦刑事罰の多くは時効が5年で、トランプ氏が再選されればロシア疑惑に対する刑事訴追は時間切れになる。

一部の専門家は、公平を期すために大統領に対しては通常の時効を適用すべきではないと主張しているが、これは裁判所が判断する問題だろう。

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