記事

米朝会談物別れ後始末

 1月に米朝会談が2月末に開催されることが決まった際、「3・1独立運動100周年に備えよ」という題名のブログを書いた。http://agora-web.jp/archives/2036796.html 大人の対応を心がけながら、韓国発の「物語」の拡散に警戒せよ、という内容だったが、事なきを得て、3・1が終わったのは、良かった。

 直前の米朝会談が物別れに終わったことが大きい。米朝会談前の文大統領による「親日清算」発言はあったが、3・1当日の文大統領の発言は、穏便なものにとどまった。反日を基調にして、朝鮮半島の未来を語るという目論見は、米朝会談が不調に終わったところで、軌道修正を強いられていると見てよいだろう。安倍首相陰謀論まで出ているそうだが、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190303-00000005-cnippou-kr 日本としては、淡々と朝鮮半島の非核化を願う姿勢を強調すればよい。

 昨年6月の米朝会談で、「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)」と「体制保証」を「取引(Deal)」するという方向性が示された際、中身がないという酷評が多かったように思う。私の論調程度でもhttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/56108 、トランプに好意的なものに見えるくらいだった。米韓合同軍事演習の中止という措置を見て、米国が譲歩し過ぎではないか、とする論者もいた。そもそもアメリカの大統領が北朝鮮の最高指導者と直接会談すること自体の妥当性を問う手続き論的な意見もあった。

 トランプ流で「取引」交渉が進んでいることは、間違いない。非伝統的なやり方だろう。しかし、制裁解除せずに、北朝鮮の核実験やミサイル実験を止めているのだから、交渉がアメリカ不利に進んでいる、などと言うことはできない。危機の高まりを抑えながら、交渉には臨むという姿勢は、日本にとっても、利益がある。

 これまでの安倍外交には安定感がある。国際政治学者の間でも、おおむね好意的な見方が多いと思う。ただし、最近の北方領土交渉は、空回りしている。大局的な視野からの計算の甘さがあった、と指摘せざるをえない事態になっている。3期目の安倍外交に新しい案件での得点を狙う焦りがそこにあるとしたら、心配だ。

 「戦後日本外交の総決算」http://agora-web.jp/archives/2036498.html は焦って個別事案に精力を注ぐだけでは、達成されない。北朝鮮問題も同じだ。もちろん拉致問題の解決は至上命題だが、北朝鮮への譲歩は禁物だ。「体制保証」それ自体がまだ「取引」中である。大局的な視点から流れを踏まえて見通しを立てることを、忘れないでいただきたい。

あわせて読みたい

「米朝首脳会談」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    父逮捕で娘が「お嬢様」から転落

    幻冬舎plus

  2. 2

    橋下氏 コロナめぐり識者に苦言

    橋下徹

  3. 3

    告発した岩田医師の行動は成功

    中村ゆきつぐ

  4. 4

    みずほ銀行描いた本 衝撃の内容

    キャリコネニュース

  5. 5

    安全無視? 日本の危機管理に呆れ

    ESQ

  6. 6

    北の病院で12人死亡 新型肺炎か

    高英起

  7. 7

    新型コロナが芸能界に落とす影

    渡邉裕二

  8. 8

    3日で5倍 韓国のコロナ感染急増

    木走正水(きばしりまさみず)

  9. 9

    韓国の肺炎感染者 4日間で11倍に

    木走正水(きばしりまさみず)

  10. 10

    「殺してやる」辻元議員に脅迫文

    辻元清美

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。