- 2019年03月02日 21:28
仏、スポーツ「ヒジャブ」論争過熱
2/22. ビジャブ=イスラムの法
イスラム教では女子の服装に関してシャリーア(イスラム法)で規定されています。しかしそれだけではなく、信仰上の自由を超え、いくつかの国ではビジャブなどの髪や身体を隠す衣類の着用が国の法律として決められている国もあります。そういった国から来た人達が、フランスの法を無視してビジャブと言うイスラムの法を守ることは許しがたい行為であり、そのことを許せば、いずれ他の法にまでイスラムの影響が浸食し国家を支配することになります。これはフランスと限らず近代国家にはきわめて許し難いこと。そのため、国の規則であるライシテを優先して厳守することを求め、イスラム化を防ごうとしているのです。(編集部注、ライシテ:仏: laïcitéとは、フランスにおける教会と国家の分離の原則=政教分離原則)
3. ビジャブ=宗教的標章
フランスには、ライシテと言う基本原則の一つがあり、これは同じ信条を共有していない諸個人を共存させるルールとも言えるものです。
共存するために、「公共空間における,自由な霊的・宗教的な表明と,公共空間の支配とを区別する」と言う項目があり、学校において、宗教を誇示する装飾の一つであると考えられていビジャブの着用を禁じています。そのため、ビジャブとライシテは切り離せない話題のようにも思えますが、今回のデカトロンの場合は個人の生活において着用する種類の話であり、ライシテの総責任者であるニコラス・カデーネ氏によれば、市民の信仰の自由な表現を許しているライシテには抵触しないという見解を示しています。
■ ビジャブ=個人の自由意思で着ている衣類
このようにフランスではビジャブを含む女性の体を隠すイスラム教の女性の服装について議論は、主に上記の3つの観点で話が進んいくのです。しかしながら、こういったフランス観点に基づいた議論を聞いていると何か違和感を感じことがあります。それは、攻撃したい国はイスラム信仰者がいる全ての国ではなく一部の話であることに不自然さを感じるからでもありますが、それと同時に、ビジャブを生活習慣の一つとしてや、自分の意志で着ていると言う個人の自由については無視されているからのように思えます。
だいたいビジャブの着用が問題となり、2004年3月に公立学校での宗教的標章の着用を法律で禁止した時ですら、626名のビジャブが違反者とされ、その中の143名はビジャブを取るのを拒否して退学させられました。その状況を受け、彼女たちの教育を受ける権利のはく奪は不当であり、ただの差別ではないのかと国連が批判したぐらいです。海外から見ると、違和感を感じる内容であることには間違いありません。
そして、2016年、複数のフランスの地方自治体が、イスラム教徒の女性が全身を覆う水着「ブルキニ」を禁止に白熱し問題となりました。この時もフランスは、国外から大きな批判の的となりましたが、結果的には、この禁止措置は、行政裁判の最高裁にあたる国務院が「信教と個人の自由という基本的自由を、深刻かつ違法に侵害する」と判断し、凍結を命じられました。
この時期のフランス国内は、あまりにも「女性差別」と「イスラムの法」と「宗教的標章」にこだわり過ぎていたと意見であふれていたことに不安を感じるものがありましたが、論争を通して国務院がきちんと判断したことにより、個人の基本的自由は、フランスでも守られていることを再確認できたとも言えるでしょう。
今回のデカトロンの論争では、多くの政治家が女性差別を掲げ販売の反対をしていますが、世代も交代しつつある現在、「フランスのイスラムとスカーフに対する態度はヒステリック症」だと述べる共和国前進の議員、個人の基本的自由をかかげ主張する人も出てきました。
政治学者のクレメン・ヴィクトロヴィッチ氏はブジン社会問題・保健相の発言はライシテを含むフランス共和国の価値観に対応していないと、主張しています。
「私たちはフランスの共和国であり、市民の基本的権利が保障されている国にいます。これらの基本的権利の1つは、彼が望むように服を着ること、そして彼が望むなら宗教的なシンボルを身につけることのすべての権利です。世俗主義とは何ですか?それは宗教問題における国家の中立性であり、そして市民が彼らが望むように彼らが望むように彼らの良心を表現することの自由である、外部の宗教の徴候によるものである。よって、フランスでのスカーフは合法的であり、キッパの着用も同様に非常に目に見える十字架の着用もそうである」
また、28日付電子版ルプワンにも、「政府はライシテを間違って認識している」「誰もデカトロンがあのような商品を売ることに文句を言う人はいない」 といった意見も出てきており、まだまだ論争は続いていきそうです。
これらの論争を受け、デカトロンは今後、どういった決断をするのか。フランスの方向性にも関わる話であり今後もぜひ注目していきたいところだ。
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