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野生のイノシシにワクチン投与の不思議

豚コレラが猛威を奮っているのはご存じだろうか。

岐阜から始まったようだが、今や愛知、長野、滋賀、大阪と5府県の養豚場で豚コレラの感染が確認されているのだ。これはやっかいな病気で、いったん感染および感染の疑いがあれば、問答無用でブタおよび豚肉を出荷停止し処分しなければならない。すでに数千頭が処分対象となった。ちなみに、豚コレラは人間には感染しないし、その肉を食べても問題ないとされる。

が、問題は感染源だ。どうやら野生のイノシシが関わっているらしい。すでに岐阜と愛知では豚コレラに感染したイノシシが180頭も確認されているからだ。

驚いたのは、その対策。なんとイノシシに対して経口ワクチンを投与することになったのだ。そんなワクチンがあったのか!

農水省では、ワクチンは12万個をドイツから輸入するという。このワクチンは縦横4センチの形状で、トウモロコシ粉やミルクパウダーなどで作ったエサの中に液状ワクチンが入っている。これをイノシシが通る獣道などの地中10~15センチに埋めるのだそうだ。イノシシが鼻で掘り起こす習性を利用し、このエサ=ワクチンを食べさせようというわけだ。

段取りでは、春、夏、冬のシーズンごとに2回散布し、散布から一週間後にイノシシがワクチンを食べたか調べる。このワクチン投与は数年間継続するらしい。

……これ、どう考える?

こんな手でイノシシにワクチンは行き渡るのだろうか。確率的に、ワクチンを食べるイノシシは生息数の何%になりそうか。

そもそもワクチン入りの餌を食べさせてイノシシを豚コレラから守るぐらいなら、それに毒を仕込んでイノシシ退治をした方がよくね?。。。だってイノシシは増えすぎて農作物に何十億円も被害を与える害獣だ。駆除も一生懸命にやっている。奨励金だけで何億も支出している。イノシシ以外の動物が食べたらどうするとか、毒を野に撒けないという意見もあるだろうが、毒の種類によっては比較的短期間に分解して無毒化するものもあるはず。

むしろイノシシの生息数を落とすチャンスと捉えて、積極的に駆除を強めた方が建設的なのではないか。毒ではなくワナや銃による駆除を強めるべきだろう。ただ駆除した感染個体からハンターに病原菌が付着して感染を広めないよう気をつけないといけない。

もちろん、各府県ではそうした対策も進めているようだが、効果が読めないワクチン投与をなぜ行うのか。「やってる」感を出すため?

面白い(と言っては語弊がある)のは、養豚場のブタにはワクチンを投与しないことだ。なぜなら、ワクチンの成分が肉に残る心配があり、それが知られるとワクチンを打ったブタ肉の消費に響くからだそう。豚コレラ菌は人間に害はないし、ワクチンも問題あるように思えないから怖いのは風評被害だろう。だから1頭でも豚コレラが確認されたら、その周辺の養豚場のブタは全部処分されてしまう。

ちなみに専門家による「拡大豚コレラ疫学調査チーム」が岐阜からの感染ルートを調べたところ、ウイルスを含んだ泥や糞を付けた車両や人を介して岐阜県から愛知県内に入った可能性が高いという。岐阜県内の感染にイノシシは無罪と言えないが、他府県への拡大に関しては、ちょっと濡れ衣の可能性も出てきた。

農水省、よく考えてね。 

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