- 2019年02月26日 10:49
NPBとKONAMIがeBASEBALLに期待する“多層なファンの相乗効果”
2/2――開幕戦は明らかにプロ野球チームのファンが多い印象でしたが、SMBC e日本シリーズではeBASEBALL選手の名前とチーム名が入った旗を振っている人を多く見かけました。eBASEBALL選手がプロ野球選手と同様に応援される存在になったのだと、確信した瞬間でした。それについてはどう感じられてますか?
車田:そうですね。いろいろな層の人がいるのは本当におもしろいですし、それぞれの層の人がeBASEBALLに興味を持ちだしているのはうれしいことです。あとは、ゲームのプレイヤー解説とプロ野球OBの解説の掛け合いもおもしろかったですね。eBASEBALLの解説をオファーするときに、内容の説明をするのが難しかったのですが、今回お願いしたプロ野球OBの方々はゲームシステムにも興味を持ってくださいました。特に、元ヤクルトスワローズ監督の真中満さんは、選手とのコミュニケーションを積極的に図ってくださって、eBASEBALLのいい雰囲気を作っていただけたと思います。
――シリーズ後半では、真中さんも選手固有の特殊能力である「チャンス○」や「調子の良し悪し」などを完全に理解していましたね。
髙田:真中さんは本当に吸収力がすごかったですね。演出については、こちらが本気度を出さなければ、観客に本気になってもらえないと思ったので、「プロ野球とはこういうものだ」というものをできる限り加えました。今後も、プロ野球と同じくらいに作り込んでいきたいですね。

eBASEBALLをプロ野球と同じような興行スタイルへ
――SMBC e日本シリーズで、eBASEBALLの来季の開催が発表されました。来季はどのような形での運営を考えてますか? やはり野球観戦というと、ビールを飲みながら応援する楽しみもあるでしょう。ビールの売り子さんが居てくれると、さらに盛り上がると思います。あとは、選手のグッズが販売されていると、観に来る人もうれしいのではないでしょうか。
車田:いまはeBASEBALLというはじめての取り組みを終えたばかりなので、まだ来期の詳細までは決定していません。現在話し合いを進めている最中です。いかにしてファンや視聴者を増やしていくか、チーム編成や選手数、メディア対応など、しっかりまとめていく必要があると思います。
髙田:個人的には物販や会場での飲食など、みなさんが想像するような取り組みをしていきたいですね。やりたいことをすべて盛り込むことは難しいですが、それでも期待に応えていきたいと思っています。

――来期のスポンサーについてはいかがでしょう。e日本シリーズではSMBCがスポンサーについたこともあり、さまざまな企業がスポンサーに名乗り出てきそうですが。
髙田:特にBtoC向け企業の方が注目してくださっているようです。実際、会場にはさまざまな企業の方が視察にいらっしゃっていたようですね。eBASEBALLは、プロ野球ファンとeスポーツファンの両方をカバーできる希有な存在でもあります。そういう部分が企業にとって興味の対象になるのかもしれません。
――では、最後に来期に向けてひと言お願いします。
車田:「百聞は一見にしかず」という言葉は、まさにeスポーツ、eBASEBALLのための言葉だと思います。単語だけ知っている状態と、実際に会場や動画で観たあとでは、eスポーツやeBASEBALLの印象は大きく変わるはずです。
eBASEBALLや『パワプロ』が好きな人は、これからプロ野球が始まるので、キャンプやオープン戦も観てほしいですね。実際にキャンプ地まで行くのは大変なので、スポーツニュースやネットニュースでチェックするのもいいと思います。そうすれば、2019年シーズンのeBASEBALLをより楽しめるようになるのではないでしょうか。
髙田:来季もさまざまな施策を実施する予定ですが、その前に一度、KONAMI公式チャンネルのアーカイブに残っているeBASEBALLの配信動画を観てほしいですね。そして、いざシーズンが始まったら、ぜひ会場に足を運んでみてください。そこには野球場と同じようなドラマがあり、感動があるので、それを実際に感じていただきたいと思います。
またNPBとしては、プロ野球eスポーツ選手がしっかりと職業になるような形を目指さないといけないと思っています。そのためにも、eBASEBALLを事業としてきちんと定着させなければなりません。ゲームではありますが、プロ野球と同じような興行スタイルへと作りこんでいきたいですね。
――ありがとうございました!

プロ野球初のeスポーツリーグとしてeBASEBALLは、成功を収めることができたと言えよう。ただし、eペナントレースは各チーム1節3試合ずつ、全5節でリーグ戦が終了し、eリーグ代表決定戦やSMBC e日本シリーズが1試合のみ、3イニング交代制という形式が正解かどうかは、検討してみる余地がありそうだ。
また、動画配信に関しては視聴者数も期待以上のものだったが、実際に会場に足を運ぶとなると、観戦環境としては設備が足りないという印象も持った。プロ選手としての報酬額についても、物足りなさを感じた人もいるのではないだろうか。
具体的な運営は検討中とのことだったが、ファンとしては、プロテストやドラフトから再スタートするのではなく、選手がある程度チームに固定されると応援しやすいように思う。プロ野球の試合前にファンと『パワプロ』で対戦するようなサービスがあれば、両者がさらに一体化していけるかもしれない。
長年「プロ野球」というリーグを手がけてきたNPB。eBASEBALLの課題はあるだろうが、その手腕に期待したいところだ。
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